137話 ニーナとフィーナちゃん
「改めて二人とも久しぶり」
ニーナの泊まってる部屋に入り、椅子に腰をかけてから俺はそう言った。
「お久しぶりです!」
「久しぶり…と言っても声は毎日聞いてるけどね」
おい、毎日を強調するな。
そんなこと言うとまたフィーナちゃんが…
「むぅ〜ミツキさん!どう言うことですか!?」
やっぱりこうなった。
俺は大人気ないぞと言う意味を込めてニーナのことをちょっとジト目で見る。
「ごめん、ちょっとフィーナちゃんの反応が見たくて」
どんな理由?まぁ二人が中よさそうでいいけど…
「むぅ〜ミツキさん!私の質問に答えてください!」
フィーナちゃんがぷんぷん怒りながらそう言った。
怒ってても可愛いな…
「あーごめんごめん、ニーナとは前に一度会って通信魔法を交換していたんだよ。それにニーナの言ってる毎日と言うのは嘘だよ」
俺そう言うとフィーナちゃんはニーナ方を向き、ジト目で言った。
「……ニーナさん!またやりましたねー」
「ごめんってば許して、ね?」
ニーナはそう言って首を傾げた。
フィーナちゃんの発言から結構な頻度でこんなことをしているのだろう。
「そういえば二人はいつから知り合いなんだ?」
俺は疑問に思っていることを聞いた。
すると二人はこちらに向き直り、言った。
「「二週間前 (です)!」」
うん、息もぴったりだ、本当に二週間前に知り合ったのかわからないくらい…
それにしても二週間前っていうと俺がニーナに通信魔法をかけた時ぐらいか…
「ニーナは二週間前にここに来たのか?」
「うん、ミツキから通信があってすぐに宿を借りることにしたんだ。ここは評判が良かったしね、フィーナと出会ったのはその時」
「二週間前に知り合ったにしては二人とも仲良すぎるよね」
「「仲良くない(です)!」」
またハモった…本当に仲良いな。
「それよりミツキはフィーナちゃんといつ知り合ったの?」
「あぁ、ニーナと会ったあの後、泊まるところがないと思って屋台の人に聞いたらここを紹介されてね、それで泊まりに行ったらフィーナちゃんと出会ったんだ」
「なるほどね、つまり私の方が出会うのが早かったと…」
ニーナはそう言ってフィーナちゃんに挑戦的な目を向けた。
「出会いに早さなんて関係ないです!」
それに対してフィーナちゃんも対抗心を燃やしてそう言った。また始まったよ…
このままだと話が進まないので止めに入る。
「二人とも一旦落ち着いて」
「わかったよ」
「ミツキさんがそう言うなら…」
取り敢えず良かった…
そういえば、昼飯と夕食まだ食べてないや。
お腹が空いてることに今更気づいた俺はフィーナちゃんに声をかける。
「フィーナちゃん」
「なんですか?」
「夕食お願い出来るかな?実はまだ食べてなくてお腹が減ってるんだ」
「そうだったんですか、わかりました!今すぐお持ちしますね!」
フィーナちゃんはそう言って部屋から出て行った。
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