132話 元の世界の情報
「取り敢えず、予定変更しないといけないな」
舞が加わったことで勇者国まで護衛をしたらそのまま旅に出られるようになったから先にニーナを迎えに行かないといけなくなった。
「一応今までの予定では、一旦勇者国まで行って帰って来たからニーナを迎えに行く感じを想定してたけど、先にニーナを迎えに行ってそのまま勇者国まで行ってそこから別の国に行ってもいいと思うんだ」
「確かにそれなら二度手間になりませんね」
「いいと思いますよ」
ミーナちゃんとサーシャが言ってからローザと舞の方を見ると首を縦に振った。
「よし、じゃあ決まりだな。あとはニーナを迎えに行く日にちだな…」
出来るだけ早いほうがいいかな、そっちの方が馴染めると思うし。
「まぁ特に予定もないからいつでもいいんじゃないか?」
「そうだな、ニーナは多分準備は終わってるしあとで連絡してみるよ」
「わかった」
ローザの返事を聞いてから俺は部屋に置いてある時計を見る。
(6時か…)
「よし、取り敢えず夕食まで解散で」
「はーい!舞さんお部屋でお話ししましょ!」
俺がそう言うとミーナちゃんがそう言って舞の手を掴んで走り出す。
「ちょ、ちょっと、ミーナちゃん」
ミーナちゃんに手を引かれた舞はそのままリビングを出て行きミーナちゃんの部屋へと向かった。
「私たちはどうしましょうか」
「特にやることもないし、テレビでも見て時間を潰そうか」
「そうだな」
そうして俺たちはテレビを見るためソファに座る。配置は真ん中のソファにサーシャとローザ。左のソファに俺だ。
「テレビって言っても面白いものはやってないんだよな」
俺はそう言いながらテレビリモコンを操作してチャンネルを変えていく。
『『〜〜〜』』
「どれも同じのばっかですね…」
チャンネルが変わってもほとんどニュース番組でサーシャも呆れてそう言った。
『『ギガントロックの対処法についてですが…』』
最後の番組に切り替えるとちょっと気になる話題が出て来た。
「二人とも、ギガントロックってこの世界にいるか?」
俺がそう聞くとローザが答えた。
「あぁ、いるぞ」
いるのか、なるほどな…
「一応聞くけど魔物だよな?」
「あぁ、そうだが…」
やっぱり元の世界とこの世界は繋がっているっぽいな。まぁまだ証明はできないけど…
『『ギガントロックは16層で出現します。表面が硬く剣は通らないので魔法で攻撃するのが………』』
元の世界にも魔法は存在するのか…魔法が存在するとわかったら色々暴動なんかが起きそうなものだけど、よく何も起こってないな。と言うかもし異界化したのなら異界化した時の映像みたいのってないのかな?
『『続いて新しいダンジョンについての情報です。』』
アナウンサーはそう言って東京都内を映し出した。
「それにしてもすごいな」
ローザ唐突にそんなことを言った。
「なにが?」
「よくこんな高い建物を建てられるなって思ってな」
あー確かにこの世界には高い建物はないし、すごいと思うのは当然か。
「まぁ元の世界はそう言うのに関しては凄かったからな」
ここに来て元の世界の凄さを改めて感じる。
「私!ミツキの元いた世界に早く行って見たいです!」
サーシャがいきなりソファから立ってそう言った。
「わかったから、ちょっと落ち着いて」
こうなるとサーシャは手がつけられない。
異世界の話するんじゃなかった…
『『ツ○イツリーダンジョンの上空映像です』』
俺がサーシャを落ち着かせようと試みるがテレビに映るアナウンサーがそんなことを言い出した。
あ、まずい
だがそう思った時にはもう手遅れ。映像はス○イツリーの上空を映し出した。
「ミツキ!あの高い建物はなんですか!?」
くそ、なんでタイミングだ。もうちょっとでなんとかできそうだったのに…
「…」
ローザに目配せするも無言でサーシャを見ながらもうダメだみたいな表情をしていた。
諦めるしかないか…
「あれは…」
それから俺はテレビ画面に映される物を答える作業を夕食まで行った。
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