131話 舞の答え
新年明けましておめでとうございます。今年もこの作品をよろしくお願いします。
一度冒険者ギルドに戻ってきた俺たちは特にやることも無いので一旦王城に戻る事にした。
一応護衛の日程については冒険者ギルドに顔を出すときに伝えると言われたので今日のところは戻って大丈夫なそうだ。
「〈超異空間〉」
王城に戻り、〈超異空間〉の中へ入る。
「ただいまです〜!」
「よし、それじゃ夕食まで休憩しようか」
「そうだね、ちょっと疲れちゃったかも」
「私もちょっと自室に戻ります」
サーシャがそう言ってから部屋に戻り、ミーナちゃんとローザも一緒に部屋に戻っていった。そしてリビングには俺と舞の二人きりになった。
「舞は戻らないの?」
「うん、大丈夫」
「取り敢えず何か飲み物出すからソファに掛けといてよ」
「ありがと」
そう返事をした舞はソファの方に歩いて行った。
俺は台所に行きお茶を準備して、舞のところへ歩いていく。
「はい」
「ありがと」
俺はコップに入ったお茶を、先に座っていた舞の前に置き、ソファに腰をかける。
「テレビでも見るか?」
「うん」
特にやることもないのでテレビをつける。
『『〜〜〜〜〜〜〜〜』』
テレビをつけるとニュース番組が映る。
「なんか全部ニュースだな」
番組を切り替えても全てニュース番組、しかもほとんどが冒険者関連の物だ。
「そうだね〜」
「まぁ異界化したんだとしたら、しょうがない部分もあるんだろうけど」
「世界が異世界化するなんて誰も思わなかっただろうしね。まぁ日本の状況的にこうなるのは仕方ないよね」
異界化なんて普通ありえないからな、対応するためにも情報を発信しないとダメなんだろうな。
そう言えば世界経済とかどうなっているんだろうか。色々大変そうだけど。
「ふぅ〜」
舞はそう言ってから真剣なトーンで俺の方を見て
「ミツキくん」
そう言った。
「どうしたの?」
急に真剣な表情になった舞に俺はそう聞き返した。
「私、これからもミツキくんと一緒に居たい、皆んなと一緒に居たい。だから旅に連れて行ってくれないかな?」
俺は唐突に言われた舞の言葉に一瞬驚いたがすぐに言葉を掛ける。
「まだ1ヶ月経ってないけどいいの?」
「うん。私ね色々考えたんだ。もし元の世界に戻ることが出来たとして…とか、もし王国に戻ったとしてとか…、、、でもねやっぱりミツキくんと、それにミーナちゃんとサーシャとローザさんと一緒に居られる、一緒に旅をする未来が一番楽しそうだなって思ったの、だから旅に連れて行ってください!」
「そうか、わかった」
俺はそう返事をしてから改めて舞に問う。
「舞、俺たちの旅について来てくれ」
「はい、喜んで!」
舞はそう笑顔で返事をした。
「お主よかったな」
ソファの後ろの方からそう声が聞こえて来たので振り返る。
「ローザいたのか…」
振り返るとテーブルに座ってこっちを見ているローザがいた。
「いや、まぁ今来たとこだ」
嘘をつけ途中からいただろう、目が泳いでるぞ。
そんなことを思いいつ言葉を発する。
「まぁいいけどね…取り敢えず皆んなを呼んでくるよ」
「わかった」
俺はローザの返事を聞いてから立ち上がりミーナちゃんとサーシャがいる部屋へと向かう。
コンコン
「二人ともちょっといい?」
俺はドア越しにそう言って返事を待つ。
「はーい、大丈夫ですよ!」
ミーナちゃんからの返事を聞きドアを開ける。
「ちょっと話があるからリビングに来てくれる?」
「わかりました」
「サーシャもいい?」
「もちろん行きますよ」
「ありがとうじゃあリビングで待ってるから」
俺はそう言ってドアを閉め、リビングに戻った。
「ミーナとサーシャは?」
リビングに戻るとローザと舞がソファに座っていて、ローザがそう聞いて来た。
「すぐ来るよ」
「そうか」
それから数分、3人で座って喋っているとミーナちゃんとサーシャがやって来た。
「お待たせしました!」「お待たせしました」
そう言いながらミーナちゃんとサーシャはソファに座る。
「それでミツキ、話ってなんでしょうか?」
「あぁ、実は…」
俺は真剣な表情でそう言った。
「実は?」
「実は…舞が旅に同行することが決定しました!」
「本当ですか!?」
ミーナちゃんが驚いたのかそう聞いて来た。
「本当だよ」
俺は一言そう言うと、ミーナちゃんとサーシャは舞の方を見て言った。
「舞さんこれからよろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします」
「舞さん!よろしくです!」
「よろしくねミーナちゃん」
こうして舞は旅の仲間になった。
読んでいただきありがとうございます。