130話 護衛試験終了
「もう…ダメですわ」
あれからローザ、舞と連戦した縦ロール少女は、大の字に寝転がり力なくそう言った。
そりゃ疲れるだろうな、何しろ4連戦で相手は格上だし、いくら回復魔法で回復していると言っても流石に全て負けていたら精神的にも疲れるだろうな。というかよく耐えてるな…普通なら絶対精神崩壊しているぞ。どうなったんだ縦ロール少女の精神は…
「ミツキ様、お嬢様が死んでしまいそうなのでこれで試験を終わりたいのですが…」
ブラックバスさんが俺に話しかけてくる。
流石に死にかけの少女に試験をやらせるほど鬼畜では無いのでここは頷いておく。
「分かりました」
「ありがとうございます。取り敢えず皆様は合格でございま」
ブラックバスさんはそう言って縦ロール少女の元へ歩いて行った。
俺もみんなの元へと歩いて行く。
「みんなお疲れ様、試験はこれで終わりで合格だそうだ」
「あれ?ミツキさんは?」
「あぁ、それなんだけど…」
俺はそう言って縦ロール少女の方に視線を送る。
「縦ロールちゃんがあんな感じで疲れてるからできないらしい」
まぁ正直にいうと俺はやりたく無いからありがたいんだけど。縦ロールは体を起こしてブラックバスさんと話していた。
「!?、何を見てるんですの?」
縦ロール少女は俺たちの視線に気づき、起き上がりそう聞いてきた。
「怪我大丈夫かなと思って見てたんだけど」
「ふん!大丈夫ですわ!最後の戦闘はそんなに傷は付かなかったので!」
まぁ舞の優しさのおかげだろうな。
「そうか、それは良かった」
「それよりも!私は貴方と戦いたいです!」
お、おいこの子あんなにされてまだ戦う気なのか?本当にメンタルがすごいな…
「私もミツキさんが闘っているところを見たいです!」
ミーナちゃんがそう言う。
まぁ別に闘ってもいいが流石に今はやめといたほうがいいだろう。と言うか本当にそろそろ縦ロール少女がぶっ倒れる。
「あーそれなんだが、やっぱりダメだ。それに、無理すんなってブラックバスさんに言われたんじゃ無いか?」
「うっ」
「まぁどうしても俺の実力が見たいんだったら後日にしよう」
「分かりましたわ…では後日お願いしますわ。それでは私たちはこれで」
縦ロール少女そう言って、ブラックバスさんと闘技場を出て行った。
残った俺たちも一旦戻る準備をする。
「ミツキ、良かったのですか?」
「何が?」
「いえ、その、戦う約束を取り付けて…」
「あぁ、別に大丈夫だよ。すぐに終わらせるつもりだしね」
「ミツキがそう言うのならいいのですが」
サーシャと話しているとミーナちゃんから声がかかる。
「ミツキさん!サーシャ!早く戻りましょ〜!」
先に歩いていたミーナちゃんとローザが振り返り、ミーナちゃんが俺とサーシャを呼ぶ。
「取り敢えず行こうか」
「はい」
サーシャの返事を書いてから、俺たちは冒険者ギルドへと戻るため歩き出した。
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