129話 護衛試験3
「【全回復】」
ミーナちゃんが縦ロール少女に回復魔法をかける。
「お疲れ様、ミーナちゃん」
「お疲れ」
「「お疲れ様」」
「ありがとうございます」
俺たちはミーナちゃんのもとへ駆け寄り労いの言葉をかける。
「ミーナちゃん、一応縦ロールちゃんを回復させてあげて」
「わかりました。【全回復】」
ミーナちゃんがそう言うと縦ロール少女の体が光に包まれる。
「ぅうー」
光りが収まると同時に縦ロール少女が目を覚ます。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
執事のブラックバスさんが縦ロール少女に駆け寄ってそう言った。
「えぇ、大丈夫ですわ」
縦ロール少女はゆっくり体を起こしながらそう言った。
「それは良かったです。ミーナ様、回復魔法ありがとうございます」
ブラックバスさんは縦ロール少女に言ってからミーナちゃんの方を向きそう言った。
「いえ、大したことではないので気にしないでください」
「え?回復魔法かけてくれたんですの?」
「えぇ、まぁ」
「ありがとうございますですわ」
意外と礼儀正しいんだな、ちょっとびっくりした。
「どういたしまして」
ミーナちゃんがそう言って一旦話が終わった。
「サヤ様、次の相手はどうしますか?」
話が終わったのを見計らって受付嬢が縦ロール少女に声をかける。
「そうね、それじゃあ…貴女と闘いますわ!」
縦ロール少女はそう言いながら左手を腰に添えて右手の人差し指を前に出した。
その先に居たのはサーシャ。
「わかりました、よろしくお願いします」
サーシャはそれだけ言って後ろを振り返り歩き出した。
「それではサーシャ様対サヤ様の決闘を始めます。準備は大丈夫ですか?」
サーシャと縦ロール少女以外は元いた位置に戻ると受付嬢がそう聞いた。
「はい」
「大丈夫ですわ!」
サーシャは集中しているのかそれだけの返事を。
縦ロール少女は元気よくそう返事をした。
「それでは始め!」
そうしてサーシャvs縦ロール少女の決闘が始まった。
………
……
…
「勝者、サーシャ様!」
受付嬢が言ったとおりサーシャの圧勝。骨折などの怪我はさせないようにしていたが本当にボコボコにしていた。
サーシャを怒らせたら怖いな…これだけは胸に刻んでおこう。
「サーシャお疲れ様、ミーナちゃん、縦ロールちゃんを回復させてあげて」
「わかりました!」
俺たちは闘技場の真ん中に行って、サーシャに労いの言葉をかけ、ミーナちゃんに縦ロール少女を回復させるように言った。
「ありがとうございます」
「でもサーシャ…ちょっとやり過ぎだ…」
うん、やり過ぎだ。ちょっと縦ロール少女を見てみたが本当にやばい。全身が傷だらけで…いやこれ以上はやめておこう。
「すみません。ミツキのことを色々言われたのでつい…」
「気持ちは嬉しいけどできるだけ抑えてね」
「はい…次からはそうします」
まぁ反省したならいいか。
「次闘うのはローザか舞だけど程々にね…」
「わかってる」
「はい」
返事を聞いてミーナちゃんの方を見る。
「【全回復】」
ちょうどミーナちゃんが回復魔法を発動し、光りが縦ロール少女を包み込む。
「ぅう〜」
光りが収まる10秒ぐらい経ち、縦ロール少女が起き上がる。
「私はまた気絶をしてしまったんですのね…」
「あぁ、それでまだやるか?試験」
「えぇ、もちろんですわ!」
この子メンタル強いな…普通あんなに斬られたら心も体もボロボロだと思うんだが。まぁ縦ロール少女がまだ戦いたいって言ってるんだしいいか。
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