126話 護衛試験前
「ミツキ、良かったのですか?」
「あぁ、ああいう奴は気にしなくて大丈夫だ」
「すごい睨まれてたけどね」
俺たちは街中を歩きながらさっきの出来事を話す。
まぁ気にしないでいいだろう。
それから街中をしばらく歩き冒険者ギルドに辿り着いた。
中へ入り昨日の受付嬢を捜す。
「こんにちは」
受付嬢を見つけたので挨拶をする。
「こんにちは、ミツキ様。取り敢えず付いて来てもらえますか?」
そう言われたので了承して受付嬢について行く。
「どうぞ」
案内されたのは応接室、多分顔合わせなんかをやるのだろう。
そんなことを思いながら五人並んでソファに座る。
「1時50分頃には到着すると思いますので少々お待ち下さい」
「わかりました」
しばらく雑談をして時間を潰していたら部屋のドアがノックされる。
「依頼人を連れて来ました」
受付嬢がそう言ってドアを開け、受付嬢と依頼人が中に入ってくる。
俺たちは立って挨拶をする。
「こんにちは」
俺がそう言うと執事らしき人が返事を返してくる。
「こんにちは、今日は宜しくお願い致します」
「こちらこそよろしくお願いします」
挨拶を交わし執事の後ろにある人物の方を見る。
(あっ、縦ロール…)
そう、あの時いた縦ロール少女が何故か怒りながら立っていた。
んーどうしようか
俺がどうしようか考えていると縦ロール少女と目が合う。
「あっ!あの時の無礼な人ですわね!」
縦ロール少女はそう言いながら俺を指差す。
さて、どうしようか…と言うか無礼な人ってなんだ?
明らかにこいつの方が無礼でしょ。取り敢えずめんどくさいし知らないふりをするか。
「?なんのことでしょうか?」
「とぼけないでくださいまし!あの時私を無視した人ですわね!」
「ごめんなさい、記憶にないです」
「確かに貴方に無視されましたわ!」
「お嬢様、そろそろ本題に入りましょう」
縦ロール少女が何かを言う前に執事が割り込む。
「ふんっ!まぁいいわ!今回は見逃してあげますわ!」
なんなんだこいつは…めちゃくちゃ上から目線だな。
「そういえば自己紹介がまだでした。私は執事のブラックバスと言います。そしてこちらが…」
「ふんっ!|私はサヤ・アータルと申しますわ!」
ちょっと待て色々ツッコミどころが多いんだが…
まず執事さんの名前すごいな…ブラックバスって…もろ魚の名前じゃん。そして縦ロール少女、サヤって完全に日本人の名前だよね?君日本人じゃないよね?それに金髪縦ロールでサヤって色々イメージが崩れるんだけど…
「えーっと自分はミツキと申します、そしてこちらからミーナ、サーシャ、ローザ、舞です」
取り敢えずこちらも名乗りをあげる。
「それじゃあ早速ですが試験の方を…」
受付嬢がそう言おうとした時、縦ロール少女が待ったをかける。
「ちょっと!こいつらが護衛!?なんで私がこんな弱そうな奴らと闘わなきゃいけないんですの!?」
縦ロール少女そう言った瞬間受付嬢が青ざめる。
弱そうで悪かったな。俺はそんな怒ってないが、他の4人が今にもキレそうな雰囲気を出している。
「サヤさん落ち着いてください!この方たちは…」
受付嬢がそう言おうとしたのを俺が割り込む。
「受付嬢さん、別に気にしてないですよ。それに闘えばわかることですので」
「ちょっと!私まだ闘うなんて言ってませんわよ!」
「負けるのが怖いのか?」
「そんなことありませんわ!いいでしょう!受けて立ちます!」
マジでなんなんだこの縦ロールちょろすぎでしょ。どうやったらそんなちょろくなるの?ちょろちょろ検定1級取れるぞ。
「ありがとうございます!」
受付嬢さんは俺にそう言った。
多分怒らなかったことに対してだろう。
「皆んな、この縦ロール、死なない程度にボコボコにしていいぞ」
俺は後ろに振り返り皆んなにそう言った。
「えぇ、もちろんです」
「ミツキがここまで言われるのは我慢の限界です。7割殺しましょう」
「そうだな流石に私もイラついた。2割にしようか」
「じゃあ私は0.5割で」
律儀に殺さないようにはするみたいだけど、皆んな本当に怒ってるな。特に舞は声のトーンがすごいな下がってる。
「皆んな程々にな…」
そうして試験が始まった。あれ?これ試験だよね?
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