124話 称号の効果
「舞さんの魔法すごかったです!」
「そうですね。威力が桁違いでした…」
舞が戻って来てからミーナちゃんとサーシャがそう言った。
「あ、ありがとう」
舞は照れながらそう言う。
「色々聞きたいことはあるけど…取り敢えずあの魔法の威力はなんだ?」
ローザが舞にそう聞いた。
「あの威力は称号のおかげですよ」
「称号?」
なるほどな…舞のユニークスキルの効果だと思っていたが称号の効果か…
「聖杯に選ばれし者という称号で効果はすべての魔法の威力を10倍、そして魔法陣の同時展開ができます。これはLvによって展開できる数が変りますけどね」
「それは凄まじいな…」
同時展開は普通よりMPを追加で消費するからな。
元々、消費するMPは魔力を魔法に変換させるMPと魔法陣を展開するMPそして魔法を発射させるためのMP基本的にはこの三つの要素で決まる。
同時展開となるとこの基本的なMP消費を同じようにやって、それに加え魔法を並列で使うための繋ぎ、パスが必要となる。
これが同時展開で魔法を使うために一番MPを消費するところで、簡単に説明するとこのMP消費は一定ではなく使う数に応じて増えていく。
つまり普通の人にはMP消費が激しすぎてできない、だけど舞は称号でこのMP消費を0にしているから、同時展開分のMPを使わずに魔法を発動出来るという訳だ。
まぁそれでも相当なMP消費になるんだが…
「ちなみに今は何個同時に展開できるんだ?」
俺が舞にそう言った。
「160個です」
舞はそう答えた。
これは…想像以上の効果だな…
というか完全にチートだな、160個も同時展開出来るならMP量にもよるが一国を落とせそうなレベルだ。
「160個…同時展開…」
「最近やっと同時展開ができて来たのに…舞さんがそんなに展開出来ると自信無くします…」
二人が舞の言葉を聞いて落ち込んでしまったようだ。
「二人とも気にすることじゃないぞ、ただ舞が異常なだけだからな」
「ミツキくんには言われたくありませんけどね!」
俺がそう言うとすかさず舞がそう言ってくる。
いや、俺はどう考えたって普通でしょ。普通だよね?
「いや、俺は異常じゃないし、普通の人間だから」
「いやいやいや、ミツキくんに限ってそれはない!」
「お主…流石にそれは無理があると思うぞ…」
「ミツキさんが普通だったらこの世界壊れてますね…」
「そうですね、普通の定義がわからなくなります」
「ちょっと皆んな?酷くない?俺、舞みたいに160個も展開できないよ?」
俺がそういうと皆んなが疑いの目を向けてくる。
「お主、それは本当なのか?」
皆んなの聞きたいことを代表するようにローザが聞いてくる。
「で、できないよ」
「目が泳いでるぞ?」
「そ、それより、 舞の魔法の威力凄かったな〜」
「ミツキくんには負けますけどね」
おい!これ、逃げられないじゃん!話を振るんじゃなかった…
「まぁミツキも異常ですけど舞さんも相当デラメナ事してますよ」
サーシャはそう言って辺りを見回す。
「確かにそうですね…」
「そうだな」
「皆さん!?」
「つまりどっちも異常という事です」
サーシャは最後にそう言って微笑んだ。
「まぁでも舞の実力は分かったし取り敢えず次に行こうか」
「そうですね」
「結局私は異常ってことになったの!?」
そう言いながら俺たちは森の中を歩き出した。
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