122話 護衛依頼
すみません遅れました!
「依頼内容は貴族の子女の護衛です」
「護衛ですか…」
ミーナちゃんはそう言いながらがっくり落ち込む。
「ミーナちゃん落ち込まないで、取り敢えず聞いて見ましょ」
「は、はい」
舞がミーナちゃんを宥める。
「ええと、それで内容は、ここ帝都から勇者国までその子女を護衛することで、今日の昼頃にその、なんと言いますか、護衛の試験がありまして…」
ん?どう言うことだ?
「護衛の試験ってなんだ?」
「なんか依頼人の子女が私より弱い人は護衛には要らないと仰ったんですよ。それで試験を」
なるほど、その子女と闘って勝たないと護衛はできないと言うわけか。なかなかめんどくさそうな依頼だな…護衛するのに一々試験が必要とか誰も依頼受けないんじゃないのか?……そう言うことか
「だから俺たちに頼んだのか…」
俺がそう独り言のように呟くと受付嬢が言葉を返してくる。
「はい、試験が今日の昼にも関わらず誰も依頼を受けなくて困っていたんです…」
受付嬢そう言いながら俯く。
恐らくこの人は依頼を受けてくれそうな人に手当たり次第、声を掛けたが全て断られたのだろう。まぁ依頼内容が依頼内容だし…しょうがないとは思うが、流石に不憫に思えてくる。
「皆んなどうする?」
俺は振り返り皆んなにそう聞いた。
「私はいいですよ」
「魔物はいいの?」
「えぇ、魔物はもういいです。それよりその子女と闘ってみたいです!」
そう言ったミーナちゃんの目はキラキラと輝いていた。
「そ、そうか…」
俺は迫力にに気圧されそう頷くことしかできなかった。
「全く誰に似たんだか…」
「ミツキと同じこと言ってますね…」
「ミーナちゃん…」
ミーナちゃんの後ろにいた三人がそれぞれそう言った。サーシャに関しては完全に俺って言及してるし…
いやまぁ、みんなの言う通りなんだけどさ…
「それで三人は?」
俺は話が進まないと思い取り敢えず三人にそう聞いた。
「私もいいですよ」
「お主がいいと言うならいいぞ」
「私もミツキくんが受けるなら受けます」
「分かった」
俺はそう返事を返して受付嬢の方へ振り返る。
「取り敢えず依頼を受けてみようと思います」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
俺がそう言うと、受付嬢はそう言いながら俺の手を握り上下に振った。
「むぅ〜」
ミーナちゃんの声が聞こえたので後ろを振り向くとミーナちゃんは頬を膨らませていて、三人はニコニコしながら受付嬢を威圧していた。
それどうやってるんだよ…
「ヒッ…すみません!」
受付嬢はそう言いながら俺の手をバッ!と離す。
「ミツキ様もごめんなさい、急に手を握ったりしてしまって」
「いや、別にいいよ、それより依頼の具体的な時間を教えてもらえる?」
と言うか俺、名前言ったっけ?…まぁいいか。
「は、はい!ええと試験が今日の14時からになっています!護衛は二週間後の朝8時からになっています」
14時か…まだちょっと時間があるな。
「ありがとう、それじゃあ14時になったらまたここにくるよ」
「はい!依頼を受けていただいて本当にありがとうございます!それでは14時からよろしくお願いします!」
こうして俺たちは14時から護衛依頼の試験を受けることになった。
俺はそう言って振り返り歩き出す。
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