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  作者: 小説愛好家
4章 旅編
118/193

118話 呼び方

チュンチュン


「………」


俺は眠い目をこすりながら時計を見る。


「7時か…」


あの後〈超異空間〉には戻らず俺が王城で使っていた部屋で寝た。


「おはようございます」


声がした方を見るとサーシャが立っていた。


「おはようサーシャ」


俺はそう言いながら起き上がる。


「ミツキ、朝食にしますか?それとも朝の訓練に行きますか?」

「そうだな、訓練しに行こうか。もちろんサーシャも来るでしょ?」

「はい」

「それじゃあちょっと着替えて来る」

「わかりました」


俺は〈超異空間〉の中に入り着替え、王城の部屋に戻る。


「それじゃあ行こうか」

「はい」


そう言ってから二人で部屋の外へ出る。


「そういえば昨日の夜中いなかったみたいですがどこに行ってたんですか?」

「あぁ、ちょっとディレイクさんに呼ばれて話をな」

「何か重要な話だったのですか?」

「まぁ重要っちゃ重要かな。それよりサーシャはなんでそんな時間まで起きていたんだ?」

「舞さんとお話しをしていて、気づいたら0時を回っていました」

「あんまり夜更かしはするなよ。お肌に悪いからな」

「それを言ったらミツキだって夜更かしは良くないですよ。お肌に悪いですからね」


そう言ってサーシャは笑う。


「俺はいいんだよ。サーシャは美人で可愛いんだからそういうところは気にしないとダメだぞ」


「///またミツキはすぐそうやって…///不意打ちはずるいですよ…///(小声)」

「?不意打ちってなんだ?」

「っ!?///」

「サーシャ?」

「そ、それより!早く行きましょ!」


そう言ってサーシャは速足で歩き出した。

なんだったんだ?まぁいいか…

そう思いながらサーシャの後を追う。


「ただいま」


朝の訓練が終わり俺とサーシャは部屋に戻ってきた。


「おぉ、お主とサーシャか。今日も剣の練習か?」

「まぁね」

「ミツキが強すぎて一本も取れませんでした」

「まぁ、あんまり気にするなサーシャ。お主もちょっとは手加減してやればいいんじゃないのか?」

「本気は出してないぞ?本気でやったら帝国の地面が全部割れるからな」

「それは、勘弁してほしいな」


そんな会話をしていると後ろから人の気配がした。


「おはようございます!」


後ろから挨拶が聞こえてきて振り返る。


「おはよう、ミーナちゃん」


そこには朝から元気なミーナちゃんが立っていた。


「ミーナ様、おはようございます」


サーシャも挨拶を返すとミーナちゃんはちょっと困ったような顔をする。


「サーシャ、その呼び方そろそろやめてよー」

「いえ、ミーナ様は皇女ですので呼び方は変えられません」

「私もう皇女じゃないし、サーシャも騎士団長じゃなくなったんだからいいでしょ〜!」

「し、しかし…」


ミーナちゃんにそう言われたサーシャは言葉に詰まる。

確かに他人行儀感は否めないな。ミーナちゃんは純粋にサーシャと友達として接したいんだろうな。



「いいんじゃないか?サーシャ」

「え?」

「これから一緒に旅をしていくんだし、様呼びは従者感が出ているからな。それにミーナちゃんはサーシャと対等に接したいんだと思うぞ」

「ミツキ様の言う通りです!」

「できればミーナちゃんにも様呼びを辞めてもらいたいんだけどね…」


俺は独り言のように呟く。


「私はミツキ様の従者なので!」

「いつから従者になったんだ…とにかく変えてもらえない?」

「ミツキ様がそんなに言うなら仕方ないですね。では」


そう言ってからコホンと間を置いて…


「おにぃちゃん」


上目遣いをしながらそう俺に言った。


「グハッ!」


俺はミーナちゃんの破壊力に耐え切れなかった。

ミーナちゃんそれは反則だ!上目遣いでそれは本当に可愛すぎるから辞めてくれ!俺のライフが持たない!


「お主…大丈夫か?」

「だ、大丈夫だ。ミーナちゃんその呼び方はやめてくれ」

「なんでですか?この呼び方いいと思ったのに…でも、待ってください…私がミツキ様の妹になったらミツキ様と結婚できませんね…(小声)やっぱりおにぃちゃん呼びはやめます!」

「そ、そうか助かる」


ちょっと聞こえない部分があったがまぁ辞めてくれるなら良しとしよう。


「では何がいいでしょう?無難にさん付けでいいですか?」

「あぁ、それでお願い」

「わかりました!ミツキさん!」


これで一件落着だな…


「あのー私忘れられてませんか?」

「「……」」


ミーナちゃんの破壊力が凄すぎて記憶が飛んでいた…


「ごめんサーシャ!それで私はサーシャと友達になりたいんだ、だからその呼び方はやめてほしい…」

「わかりました。ではミーナちゃんでいいですか?」


サーシャがそう言うとミーナちゃんの顔がパッと明るくなり嬉しそうに微笑んだ。


「ありがとねサーシャ!」


こうして今日も俺たちの1日が始まる。

読んでいただきありがとうございます。

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