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  作者: 小説愛好家
4章 旅編
116/193

116話 許可



「お父様、一つお話したいことがあります」

「なんだ?」


あれから数分話した後、ミーナちゃんがそう切り出した。なるほどこのタイミングか…


「ミーナちゃんちょっと待って」


俺はミーナちゃんに待ったをかける。


「どうされました?」

「その話は俺からするよ」

「わかりました」


その返事を聞いてからディレイクさんの方を見る。


「自分は1ヶ月後この帝国を出発します」

「あぁ、わかっている。ミツキくんは旅人だからな」

「その1ヶ月後の旅にミーナちゃん、サーシャ、そしてローザの三人を連れて行きたいんです。ですので許可をくださいませんか?」


「………なるほど、一人旅では限度があるしな、して、それは三人がミツキくんについて行きたいと言ったのか?」

「そうです、お父様。私たちがミツキ様の旅に同行したいと言いました。」

「そうか…サーシャくん、君は騎士団長だがどうするつもりだ?」

「騎士団長の座は前々から副団長に譲ろうと思ってましたのでこの機会に降りようかなと。ミツキと出会って数ヶ月ですが初めてこの人について行きたいと思ったんです。ですから帝国の騎士団長の座を降りる許可をください」

「ローザさんに関しては私がどうこう言う権利はないな」

「あぁ」

「それってどう言うことですか?」

「ローザさんには私からある程度の地位をつけるから帝国を拠点にしてもらえないかと頼んだのだ。だから私がどうこう言う資格はないんだ。」

「まぁそう言うことだ」


なるほどな、帝国の所属ではあるが帝国に縛られてはいない。だからどこに行こうがローザの勝手と訳か。


それから数分間の静寂が訪れ、その後でディレイクさんが決心した様な目で話し出す。


「わかった、許可する」


「本当ですか!?」

「ありがとうございます。皇帝陛下」


「ああ、本当だ。サーシャくんに関してはサーシャくんの人生だから私がどうこう言う筋合いはないしな。 サーシャくんが決めたのなら仕方がない」

「ミーナには親として世界を見てもらいたいと言うのがある。ミーナはずっと家の中で生活してきただろう?いい機会だしミツキくんに連れて行ってもらいなさい」

「ありがとうございますお父様!」

「ミツキくん、ミーナをよろしく頼む」

「はい」


「それではサーシャさんとローザさんの退職の手続きはこちらでやっておきます」


マキシスさんがそう言った。


「ありがとうございます」

「すまないな」


そうしてこの話は終わりとなった。


「それでミツキくん、次は報酬についてだが何を望む?」

「別に入りませんよ。自分が勝手にしたことですから」

報酬なんて望んでない、全部自分がやりたいからやったことだし。


「そう言う訳にもいかん、君はこの帝国を内から、外から救ったのだ。報酬は払わないと私の気が済まん」


うーんやっぱりダメか…

「でも表向きは何もしてないですよ」

「それでも報酬は支払わせてくれ」


この人こう言うところで頑固だな。まぁ貰えるものは貰っておこうか。このままだと埒があかないしな。


「わかりました」

「よし、それで報酬は何が良い?」


今報酬が決定したから何も考えないしここは決めてもらった方がいいだろう。


「それはディレイクさんの方で決めてもらえませんか?」

「わかった。それじゃあ…帝国の皇帝になるか?」

「陛下!?」

「お父様!?」

「え?」

今なんて言ったこの人?流石に冗談だよな?


「冗談だ、ミツキくんの驚く顔が見たかっただけだ。」

「普通にびっくりするんでやめてください」

「ははは、すまん。じゃあそうだな屋敷はどうだ?」

「屋敷?」

「ああ、旅をしながらでもたまに帝国には寄るだろう?」

「まぁたまには…」

「なら家があってもいいんじゃないか?」


確かに帝国に一個ぐらい家があってもいいかもしれないな。


「わかりました。では屋敷をいただきます。」

「それで次は…」


この前もあったなこれ


「いえ、もう充分ですよ」

「そうか?まぁそれならいいが…」


それから少し雑談をしてから今日はお開きとなった。

四人が先にドアの外に出てから俺が最後に出ようとすると後ろから声がかかる。

「ミツキくん今日の0時にまたここに来てくれ話したいことがある」


ディレイクさんがそう言って来た。

特に用事もないしいいか。

「わかりました、それでは失礼しました」


俺はそう言って部屋を出る。


「本当にありがとう」

「ミツキくんありがとう」


俺はディレイクさんとマキシスさんの言葉を聞きながらドアを閉じ、廊下に出る。


「さぁ、取り敢えず部屋に戻ろうか」

「はい!」

「そうですね」

「わかった」

「うん」



読んでいただきありがとうございます。

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