114話 久しぶりの帝都
再出発してから1日半が経ち今は帝都の前の街の上空を飛んでいる。
「もうそろそろですね」
「そうだな」
「やっと着きます〜」
帝都の町並みが遠目で見えてきた頃サーシャがそう口にし、俺が返事返し、ミーナちゃんがそう言ってから疲れた感じを出していた。
朝からずーっと飛びっぱなしだから疲れるのもしょうがないな。
「お主帝都に着いたらまず何をするんだ?」
俺がそんな事を思っているとローザがそう聞いてくる。
「そうだなまずはディレイクさんの所に行こうかな」
「そうか、私も報告があるから一緒に行っても良いか?」
「もちろん」
と言うか元々皆んなで行くつもりだったんだけど…
一応他の皆んなにも聞いてみるか…
「皆んな、帝都に着いたら俺はディレイクさんの所に行こうと思ってるけどみんなはどうする?」
「私も一緒に行きます」
「私も」
「えぇーっと、私もミツキくんに着いて行こうかな」
「わかった」
それから数分後、俺たちは帝都まで戻ってきた。
飛行スキルを解除して地面に降り立ち帝都の中に入る。
「着きましたー!」
ミーナちゃんがそう言う。
「やっとですね」
「あぁ」
サーシャがそう言いローザが返事をする。
「それにしてもやっぱり活気がないな」
周りを見ても人が少なく活気がある状態とはいえない。まぁまだ何も解決してないと思われてるからしかたないか。
「でも!これから戻ると思いますよ!」
「そうだな」
そう言ってから俺たちは歩き出した。
しばらく歩き、王城に着く。
「ここが王城…なんというか大きいね」
「そうか、舞は来るの初めてだもんな」
「うん」
今度街を案内するか。
そんな事を話しながら歩いて門の前まで行くと見覚えのある騎士が立っていた。
あの人は…そうだ良いこと思いついた。
「皆んなちょっと下向いててくれ」
俺はそう言ってから門番に話しかける。
「あの〜すみません。皇帝に合わせてもらえませんか?」
「君は誰かね?今は忙しいんだ悪いけど帰ってくれ」
「皇帝に呼ばれて来たんですけど…」
「それは悪かった。名前を教えてくれるか?」
「んー名前は言えないけど、旅をしている者だ」
「名前は言えないだと?名前すら名乗らんやつが皇帝に呼ばれるわけないだろ!誰だお前!」
「だから旅人ですが」
「ふざけているのか貴様!」
やっぱり怒るんだなこの人…
「あんな所にブラックタイガーが!?」
俺は西の方角を指差しながら、驚いた感じを出しながら言う。
「どこだ!?ブラックタイガーはどこだ!?遂にここまで来たのか!?至急王城に連絡を!!」
「なんつって(笑)」
「………貴様!何が目的…これどこかで…」
そこまで言って何かを思い出したのか声が消えていく。
「思いだしたか?」
「貴様はあの時の!」
騎士は俺のことを指差しながら言った。
「ミツキ様もう良いんじゃないですか」
ミーナちゃんが顔を上げ俺の横に歩いて来る。それに続いて皆んなも歩いて来て顔を上げる。ミーナちゃんはそう言いながらクスッと笑った。
「ミーナ様!?」
「えぇ、通してくれ…」
ミーナちゃんいう前に王城のドアが開く。
そして一人の初老の男性がこちらに歩いて来る。
「ミーナ様無事で何よりです。皆様、中へどうぞ。陛下が待っています。」
名前は確かセバスさんだったか…
セバスさんがそう言って王城の中へ俺たちを促す。
「ありがとうございます」
俺はそう言ってセバスさんの後ろをついていく。
「すごい広いね…」
「あぁ、今まで見て来た中で一番広いからな帝国の王城は」
「お主よ、王城に入る機会なんて普通滅多にないのに比較出来るとかすごいな」
「ミツキ様は凄いですからね」
「そうですよ、ミツキなら当然です」
「俺は只の旅人だ…」
「ミツキくん、それは無理があるんじゃ…」
言ってて思った…旅人が普通こんなところ来ないもんな。
「皆様、着きました。この部屋でございます。中へどうぞ」
セバスさんがそう言いながらドアを上げながら中に入る。
セバスさんの後ろについていき中へ入る。
読んでいただきありがとうございます。