107話 出発前
☆☆☆光希視点☆☆☆
「ミツキ、二人は?」
俺はローザの部屋に戻るとローザに話しかけられる。
「舞はまだ寝ててミーナちゃんは舞が起きるまであっちにいるってさ」
「そうか、まぁ朝ごはんはまだだしゆっくりさせておくか」
「そうだな、そういえばサーシャは?」
部屋を見渡して視てもサーシャの姿が見えないので聞いて見る。
「サーシャならお風呂に入ってると思うぞ」
「そうか」
そう言いながら俺はローザの隣に座る。
「んーテレビが欲しいな」
当然だがこの世界にはテレビのようなものは存在しない。そうなるとなにもしていない時間は暇になる。
そういえば、家電の欄にテレビあったな。ていうか異世界でつくのかな?後で設置してみるか。
「この前言ってたものか?」
みんなには一応元いた世界のことを話しているのでテレビのことも皆んなは知っている。
「あぁ、こういう時間にちょっと観ると結構暇つぶしになる」
「それは欲しいな」
「あとで設置してみるか…」
「ん?テレビ作れるのか?」
「まぁ異能で作れるけど、映るかわからなかったから作ってなかったんだよね」
「ミツキは本当になんでもできるな…」
「まぁできないこともあるけどね」
「………」
ジト目いただきました…なんでもできると思われているのは何故だろう。
「「おはようございます」」
そんなことを思っていると後ろから声がかかる。
「おはよう」
「おはよう、ミーナと舞起きてきたか」
俺が挨拶を返しその後にローザが返す。
「それじゃあ、朝ごはんにするか。ちょっと待っててくれ」
ローザはそう言いながら立ち上がって歩いて行った。
「ミツキ様、ローザ様となんの話をしてたんですか?」
ローザが歩いて行ったあとミーナちゃんがそう聞いてくる。
「あー、テレビが欲しいって話をしていたんだ」
なんでもできるみたいな話はしなくていいよね…
なんかジト目がまた飛んで来そうだし…
「テレビ!確かに欲しいかも!」
舞が手を合わせながらそう言う。
「ミツキ様はテレビを作れるんですか?」
「まぁ、一応」
「えっ?作れるの?」
「繋がるかわからないけどね。あとでちょっとやってみようと思う」
「テレビ早く観たいな!」
「繋がるかわからないよ?」
「いや、ミツキくんならなんとかするでしょ?」
「なんだそれ…」
「確かにミツキ様ならなんとかしそうですね」
「ミーナちゃんまで…」
なんなんだこの信頼感…
「なんか楽しそうですね」
「あ、サーシャおはよう!」
「おはようサーシャ!」
そこにサーシャがきて二人が挨拶をする。
「ミーナ様と舞さん、朝から元気ですね」
確かになんでこんな元気なんだろう。
「朝からちょっといいことがあって!」
「私も!」
「そうですか、まぁ元気があるのは良いことですよね」
「そういうサーシャもいつもよりちょっと元気?」
ミーナちゃんが首を傾げながらそう言った。
確かにいつもより心なしか表情が明るい気がする。
「えぇまぁ、嬉しいことはありましたけど…」
サーシャはそう言いながら俺の方をチラッと見てくる。
「?」
「なるほど」
「そういうことですか」
二人がそう言う。
「まぁ皆んな元気なのは良いことだしな」
「「「おかげさまで(小声)」」」
「?」
小声で三人が何かを言ったみたいだが聞き取れたかった。なにを言ったんだ?
「おーい皆んな朝ごはんにしよう!」
ローザがそう呼びかけてくる。
それぞれ返事をし、皆んなテーブルの方へ歩いていく。
それから朝ごはんを食べてから皆んなでいろんな話をして昼になった。
「それじゃあそろそろ行こうか」
俺がそう言うとみんなが返事をし、宿を出る準備をする。
読んでいただきありがとうございます。