106話 朝のやりとり
俺とサーシャはちょっと街を歩いてからローザの部屋に戻った。
「ローザおはよう」
「ローザ様、おはようございます」
「おはよう、それでお主はサーシャとどこに行ってたんだ?」
「ちょっと剣の鍛錬をしに行ってただけだよ」
「そうか…朝起きたら二人共いないからびっくりしたよ」
「それは悪かった。明日からも朝は二人で鍛錬をするから」
「そうか」
そう言ってからちょっと間を置き
「それで出発は何時にするんだ?」
そう聞いてきた。
「皆んな疲れてるだろうし昼ぐらいからでいいよ」
「わかった。じゃあ二人はまだ寝かせておくか?」
「そうだな…寝かしておこうか。取り敢えず俺は一旦部屋に戻るよ」
「わかった」
俺は部屋に戻るため歪んだ空間を潜る。
中に入ると二人はまだ寝ていた。
俺は自分のベッドに腰をかける。
これから一ヶ月は何をしようか、取り敢えず帝都に戻ってから旅に必要な物を揃えて…あ、そう言えば冒険者ランクって上がったのかな?後で聞いてみるか…
「んんー」
「おはようミーナちゃん」
色々考えているとミーナちゃんが起きてくる。
「ミツキ様、おはようございます…」
「取り敢えず顔洗ってきな」
「はい…」
すごい眠そうな顔をしていたので顔を洗うよう促す。
「ミーナちゃん、お昼頃にはここを出るから準備だけしといてね」
「はーい!」
戻ってきたミーナちゃんにそう言うと元気な返事が返って来た。
「舞さんはまだ寝ているんですね」
ミーナちゃんはそう言いながら舞の頬をツンツンと突いている。
「昨日あれだけ寝たのにこれだけ寝れるってことは余程疲れているんだろうな」
「ミツキ……おんぶ…して…らしゃ〜い………むにゃむにゃ」
ミーナちゃんと話していると舞が寝言でそんなことを言う。まったくどんな夢を見ているんだ。
俺はそんなことを思いながらミーナちゃんの方を見るとミーナちゃんと目が合う。
「ふふっ」
ミーナちゃんは口元を押さえながら微笑んだ。
「舞さんは寝ている時も可愛いですね」
「そうだな」
「ミツキ様は舞さんのこと可愛いと思っているんですね」
「まぁそりゃな、実際可愛いしな」
「だそうですよ舞さん」
「え?」
俺はミーナちゃんの方から顔を舞の方へ動かす。
「なんだ寝てるじゃん、びっくりさせないでよ」
舞はまだスヤスヤ眠っていた。
「ちょっといたずらしてみました」
ミーナちゃんはペロッと舌を出してそう言ってから舞の方を見た。
「ミーナちゃんもやっぱり可愛いな…(小声)」
俺はそう言ってから自分で何を言ったか気づきミーナちゃんの方を見る。
よかった…ミーナちゃんには聞こえてないみたいだな。
ミーナちゃんはまだ舞を見ていた。
俺は時計を見て時間を確認しミーナちゃんに言う
「そろそろ朝ごはんの時間だけど一緒にいく?」
「私は舞さんが起きてから行きますので。先に行ってて大丈夫ですよ」
「わかった」
俺はそう言いながら歪んだ空間をくぐった。
☆☆☆ミーナ視点☆☆☆
「/////」
私はミツキ様が部屋から移動したあとミツキ様が言った言葉を思い出していた。
(ミツキ様に可愛いって言われました////あの距離で小声で言われても聞こえちゃいますよミツキ様////)
自分の顔が赤くなるのを感じつつ私は舞さんを起こす。
「舞さん起きているんでしょ?」
私がそう言うと返事が返ってくる。
「ミーナちゃんなんでわかったの?」
「なんとなくですよ、それよりよかったですね」
「な、なにが?」
「顔赤いですよ?」
そう、舞さんの顔は今ものすごく赤い。普通に隠せてない。
「うぅ、でもそう言うミーナちゃんだって赤いよ?」
「それはそうですよ、不意打ちであんなこと言われたら…」
「そうだね…」
私はミツキ様に言われた言葉を思い出す。
(ミーナちゃんもやっぱり可愛いな)
「/////」
「/////」
多分舞さんも同じでミツキ様の言葉を思い出し二人で顔を赤くする。
「そ、そろそろ行きましょうか…」
「そ、そうだね…」
私は恥ずかしくなり舞さんに朝ごはんを食べにいくよう促す。
二人でたってから歪んだ空間の方に歩きながら思う。
(ミツキ様…ほんとずるいですよぉ…)
読んでいただきありがとうございます。