102話 星の謎
「ただいま」
「おかえりなさい」
「おかえり」
俺は撤去作業を終え、マスター室へと戻ってきた。
「次はどうすればいい?」
俺がローザにそう聞くと、ローザはうーんと唸ってから返答を返してきた。
「そうだな…ほとんど終わったし…どうしよう」
「ないならそっち手伝おうか?」
「ありがとう、じゃあお願い」
「おっけー」
それからしばらく書類とにらめっこをしていたが気になったことがあったので聞いてみる。
「そういえば、元貴族達の証拠は出てきたの?」
「ああ、クーデターの計画書まで全部出てきた。これが終わったらその証拠をまとめないといけないからまた忙しくなりそうだ」
「そうか」
「それにクーデターに関与していた賛成派の騎士団と魔導師団を取り締まらないといけないからさらに大変だよ」
「手伝えることがあったらいつでも言ってくれ」
「あぁ、ありがとう」
そうしてまた作業に戻る。
「2人ともありがとう、 予定よりだいぶ早く終わったし今日はもう終ろう」
あれから一時間が経過した時ローザがそう言いだした。
「わかった」
「疲れました〜」
「そういえば明日の予定まだ決めたなかったな…早いけど明日、帝都に戻るか?」
「そうだな」
「じゃあ早く戻ろうか、サーシャと舞が待ってるし」
そう言って俺たちはマスター室を出てからしばらく歩き砦を出る。
「すっかり夜だな」
「そうですね」
砦を出ると街の明かりと澄み渡った夜空が目に入る。
「星が綺麗だな」
俺は夜空を見上げてそう呟く。
「星ですか?」
あれ?知らないのか?
「もしかして星知らない?」
「はい」
「ほらあそこ、光ってるでしょ?」
そう言って俺は星を指差す。
「本当ですね、なんか光ってますね、でも…前までありましたっけ…」
「いやなかったと思うぞ」
ミーナちゃんの疑問に答えたのはローザ
「元々なかったのか…」
何かがおかしいな、急に星が現れることがあるのか?
まぁ考えてもわからないか…
「あれ星って言うんですね。確かに綺麗です」
この子順応早すぎない?
「確かに綺麗だ…」
ローザまで…
綺麗なのは確かだけどないものがいきなり現れたりしたら普通びっくりしないか?まぁいいか…
「それじゃあそろそろいこうか」
「はい!」
「わかった」
そうして俺たちはローザが止まっている宿まで歩く。
ローザが受付で戻ったことを知らせてから3人でローザの部屋まで歩く。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
部屋の中に入り挨拶をすると返事が返ってくる
「サーシャはこっちにいたのか、舞は?」
「舞さんはまだ寝てます」
「そうか」
まぁ疲れてるだろうし仕方ないな。
「それじゃあご飯は後にして先にお風呂入ってくる」
「私も入りたいです!」
「じゃあミーナちゃん先にいいよ」
「むーー」
え?どうしたの?
「ミツキ様と一緒に入りたいです!」
「「「!?」」」
へ?何いってんの?この子、ちょっと大胆すぎじゃない?いやまてよ、そう言うことか…
「なるほどそう言うことか…ミーナちゃんは一緒のタイミングでお風呂に入りたいんだな…そういうことだよな、と言うわけでローザ、ミーナちゃんにお風呂貸してやってくれ」
「わかった!ミーナこっちだ」
「え、ちょっと!」
ローザはそういってミーナちゃんの背中を押し、お風呂に連れて行く。
「ミツキ、あれはちょっと無理があるんじゃ…」
「し、仕方ないだろ、まさかミーナちゃんがあんなことを言ってくるとは思わなかったから…」
「確かに私もびっくりしましたけど…」
「子供じゃないし、一緒に入るのはまずいと思う…」
「そうですね」
それから俺は〈超異空間〉に入り、風呂に浸かる。
「それにしても今日は大変な1日だったな…」
湯船に浸かりながら感傷に浸る。
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