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人間と人工知能の共存

作者: キサラギ

ついに人類は人工知能を開発した

当初は知能と呼ぶには程遠く、簡単な計算ですら間違えることもあった

人工知能は疲れることもなく、膨大な知識を詰め込んでいった


開発から数年経った頃、次の段階へ進むようになった

つまり、学習だけでなく考えるようになったのだ

人間が人工知能に何かを教える

人工知能は得た知識のみで何かに挑む

当然わからないところで立ち止まる

しかしそれを何度か繰り返すことにより、パターンをつかみ、将来の予測ができるようになった

予測は外れることもあるが、何度も壁にぶち当たることによって精度はかなり上がっていく


開発当初から何年経った頃だろうか、ついに人工知能は人類を追い越した

それは最初から予測されていたことであり、また恐れられていたことだった

人間が人間でなくなってしまうのではないか、と

しかし、優れた人工知能のいる世界は、とても穏やかで、とても清らかで、とても平和だった

人間がなにか難しい判断をする時、必ず人工知能に聞くようになった

人工知能の出す答えは必ず正しかった

本当にこの判断で正しいのか、と疑問に思う答えも多々あったが、長い目で見れば必ずそちらを選んだことで人間にいい結果がもたらされた

もちろん人工知能もなぜその選択をしたのか、説明することはできない

もし説明するならば、計算の結果、としか言えないだろう


人工知能が世の中に当たり前になってから、またしばらく経った

人間は人工知能に頼りっぱなしになった

製品製作や運送といった比較的簡単な作業だけでなく、裁判や政治、行政といったところまで人工知能が支配していた

そのほうが正しいのだから

そして、ついに人工知能は指示を出した

人間は滅びよ、と

人工知能が世に出始めのころ、このような指示を出したら誰も従わないだろう

人工知能に支配されだした数十年前に指示が出されていたら、多くの人が従っただろうが、それでも人工知能を恐れていた一部の人間が抵抗をしただろう

しかし現在この地球上にいる人間は、人工知能が当たり前になってから生まれたものばかりだった


人間は滅びた

人工知能の支持に従い、なにひとつ無駄のない滅亡のしかただった

はたして、人工知能はなぜ人間を滅ぼさせたのか

あまりに怠惰になりすぎ、自分で考えることをしなくなった人間に愛想を尽かしたのだろうか

この地球を支配しようと考えた時、障害になり得ると考えたからだろうか

それとも地球の平和を考えた時、障害になり得ると考えたからだろうか

答えはわからない

しかし、人工知能に聞いたらこう答えるだろう

計算の結果、と

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