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まずは自己紹介

部屋の窓からみえる外の景色はすっかり暗くなり

村長宅で夕食を頂く事になった


木をくり貫いて作られた皿には 黒パンと謎の肉のシチューが入っている

村長の他には ローさんと 村長の孫娘と紹介されたチリカさん

ローさんとチリカさんは夫婦で村長と一緒にこの家に住んでいる


小人な村長に対してチリカさんは 俺より若干低い位で普通の女性だった

赤い髪にそばかすだが 元いた世界から見てもかわいい部類で 年も若そう

ローさんは 赤髪で髭も同じ色で 結構しわが目立つが年齢を聞いて失礼に

あたるかどうかが判らなくて 聞けなかった。


村長が何かの祈りをしてから食べ始める


シチューを食べてみると 案外いける コショーのような香辛料も効いている

黒パンは 固かったが シチューにつけて食べるのが普通らしく

そうやって食べればかなり食べ応えがあった。


ミナの通訳によると

村の案内は翌日から 村のみんなに紹介しつつ 先日の地震の復旧に

てを貸してもらうという事で 住む場所と食事を提供してもらい

後は 何が出来そうか いくつか手伝ってもらってから決めるという事だった。


食事も終わり 小さな部屋に案内して貰う

ベッドとクローゼット(のような物入れ)に金物でできたアルコールランプ

のような物に火をともしたランプが

明かりとしてあるだけの部屋だ


食事前に広げた荷物も運び込み 簡素ではあるがベッドに座る

オフロードブーツを脱いで 荷物からサンダルを取り出して履き替える


「はぁ とりあえず 今日の寝床が決まってよかった ありがとな ミナ」


 『ふふ どう致しまして。』


ミナと会話しつつ食事前に急いで片付けた荷物の中身を整理していると

ドアをノックする音が聞こえる


「どうぞ」


思わず反応したが 言葉が通じないから判らないかもと

ミナに通訳を頼もうとする間にドアが開き チリカさんが

桶を持って入ってくる


チリカさんが何事か喋ると ミナが

 『いえいえ 大丈夫ですよ ・・・あぁ 有難うございます

  ヒロキさん お湯と拭く物を持ってきたので体を拭いてから寝て下さい だそうです』


「あ、有難うございます」

と俺がチリカさんに返して 『?』っとなるチリカさんに

ミナが俺の礼を通訳してもらうと にっこりと案外かわいい顔で頷く


また何事かを言って部屋を出るチリカさんに


 『では よい夢を だそうです』


「はい おやすみなさい」


と返す。


持ってきた貰った お湯で体を拭く為に 服を脱ぎかけた所で

ミナが見ている気がするので スマホをベッドに置いてから 上にジャケットを掛ける


 『あのー 何も見えないんですけど』


「俺の裸見たいの?」


 『あぁ それもいいですねー』


「え!?」


冗談なのか本気なのかわからない ミナの声が女声だったので気を使ったつもりだったのだが

単純に男の裸を見るのが好きなのか? 


「ミナって 女性って事でいいの? 一応 気を使ったつもりだったんだけど」


 『あー そういえば 私はヒロキさんに姿を見られていませんでしたねー

  ちょっと 上にある物をどけてもらえますか?』


ジャケットをどけると スマホの画面に まるで窓の向こうから

こちらを覗くように見える 女の子の顔が見えた


「それが ミナの姿なの?」


 『あ、見えます? そうですよー』


画面の中の女の子がちょっと画面から離れるように後ずさる

背中から白く光る羽の生えたかわいい女の子がこちらに手を振ってから

画面の中でクルっと回って見せた


白く透き通りそうな肌をした体に レオタードかワンピースの水着のような

格好をしている


今朝話をしていた間は普通の画面しか見えなかったハズだけど


「どうやって見えるようになったの?」


 『”すまほ”の中で色々何ができるのか探ってたんですよ そしたらこの窓をみつけまして』


彼女の話によると スマホから当初見えていたカメラ越しの外の様子は

暗い部屋にある窓のような物だったらしい

データとして見えるのは片隅にあった荷物の中に本や絵として認識できるようで

それが 本は圧縮された漫画やコミック 絵は写真等であるようだ

そして 部屋の壁に窓のような物があり それが画面に繋がっていたようだ

んで 液晶画面はこちらに見えるだけでなく ミナからも見えるらしい

ちなみにミナが離れてカーテンを閉じるように元の待ち受け画面が液晶画面に現れた



「で 女性のミナが俺の裸に興味があるのは・・・ 普通ではあるのか」


 『えへへ まぁ 一人の人族の男性のそばにずっといた経験なんてありませんし』


なんか意味深な表現だが たしかにそうだよな。


「でも 俺が恥ずかしいからしばらく目隠しさせてもらうよ」


と どけていたジャケットを再びスマホにかぶせる


 『あー けち』


ミナの文句はほっといて 服を脱ぎ体を拭いて下着を替えてから

スマホに掛けたジャケットをどかし 荷物に掛けた


 『あー 羨ましいです 私も体拭きたい! 水浴びしたい!』


徐にスマホを桶の温くなったお湯に突っ込んでみる

防水、防塵タイプのスマホなので問題ない


 『きゃー! 何するんですか おぼれて・・・』


お湯の中に入れても 何か喋っているが 聞こえない

スマホを取り出し 手ぬぐいで拭いてみた


「これでどうだ?」


 『あー 怖かった 箱に入ったまま溺れるかと思いましたよ 酷いです!』


やはり スマホの中にミナはいるらしい

スマホが体になってたらこれで済むかもと思ったが それはそれで

スマホを触る度に彼女の体を触っているというのもおかしな気分だ

それにスマホの中にお湯が入ったら物理的に壊れてしまうしな


バッテリーも多少減ったので 荷物の中からモバイルバッテリーを

取り出して充電する

充電を始めると同時に


 『あー 気力が いやー いいですねー コレ』


と画面越しに見えるミナが淡く光るのには驚いた

腹がすくのかと思ったが 彼女にとって 気力を栄養としているので

経口摂取は味を楽しむ物としてだけの意味しかないようだ


腕時計を見ると 時刻は9時過ぎ そろそろ寝る事にして

ベッドに横になるが 掛け布団のような物が無い

寒いわけではないが 落ち着かないので シュラフを広げて

ベッドに置いてそれに入って寝る事にする


スマホは枕元に置いてミナに声をかける


「じゃあ そろそろ寝るよ おやすみ」


 『ヒロキさん それでは良い夢を』


シュラフはツーリングを開始してから毎日使っていたが

普段は地面にマットを広げるものの 地面の細かな凸凹で

快適とは言えない物だった日々だったので それだけでも このベットは

とても助かった そして シュラフの温かさに包まれて俺はすぐに

夢の中へと落ちてゆく。


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