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飯とケモノとクラフター  作者: こー。
4/5

工作。こだわり。侵入。

レヴィと共に林に隠れ、僕達は作戦を聞かされた。


「とりあえず、さっそくだけどカイくんと

ルルさんには一芝居してもらうけど、まずは

その格好だね。


ルルを一通り見るレヴィ。間をおいて首ねっこを

掴まれる僕。


「ちょ~っと聞きたいんだけど☆なんであんな

格好なわけ?」


殆ど裸に僕のローブを纏っただけのルルは

色んな方向に破壊力満点だった。


「いや~、最初からというか…」


「ダメだよ、ルルちゃん、女の子がそんな

格好してちゃ。」


そう言って袋から大量の布を取り出すレヴィ。


「さぁ、ルルさん。この中から好きなもの

選んで?何でも仕立てますよ。」


「ん~…コレがいい!」


「お♪お目が高いですね。」


「これいいにおい♪」


「了解。じゃあシェフ!お願いします。」


満面の笑みで布を渡された僕の顔は、恐らく

引きつっていたことだろう。


「お前なぁ…」


「いいじゃん。カイくんならすぐでしょ?

それに自分好みの服、着てくれるんだよ?」


「…!」


その単語に心が動かない男子はいません。

自分好みの女性に自分好みの服装…


「あのぅ、妄想してないでやってもらえます?」


「し、してないよ!ももっ妄想なんか!」


まぁ…いいけど道具は用意するまでもないよね?」


「あ、あぁ大丈夫。そこで休んでて。」


二人は言われた通り、倒れた大木に腰掛ける。

ルルの方はよく分かっていないようだった。


「さぁて、大仕事だな。まずは服と帽子がな?」


僕は自分の革袋から、道具とメガネを取り出し、

作業を始める。


「自己紹介してなかったね、あたしはレヴィ。

レヴィ・レア・リック。リューベンス騎士団

団員です。カイくんとは幼なじみ。」


「私はルル。レヴィ…れありっく?」


「うん、レア・リック。ちなみに

カイくんはカイ・エル・アックス。」


「レヴィはカイのお母さん?」


「?いや、ちがうよ?」


「レヴィ、お母さんみたい。レヴィは

カイのお母さん?」


「あっ…ええと…なりたくてもなれないし…

それに…」


「終わったよ。」


作業を終えたカイが帰ってきた。

開始して5分経っていない。


「ふにゃゃぁぁああ!!」


スパーンッ!


「ごふっ!」


思いっきりひっぱたかれた。3回ひねった。

空中で。


……………


「もういいー?」


「まだだめ!」


鋭い一喝。なんで僕が叩かれてるの?

一人で傷薬を塗ることに不満が止まらない。


「なんで僕がこんな目に遭うんだよ。だいたい…」


「もういいよ。」


愚痴を言いながら後片付けをしている手を止め

振り向くと、したり顔のレヴィと着替えた

ルルが居た。


「どう?カイくん?自分の作ったルルちゃんは?」


すごくっていうか、予想より遥かに…


「すっっっごくっ…かわいいです!」


「~~~!///」


ルルがその場にへたり込んでしまった。

よく服に着られる人や、服が金同然の貴族は

見るが、安い布なだけに、ルルの素材が

活きている。


「さぁーカイくん!この服のポイントは?」


「えっと、ルルには耳と尻尾があるので

それを隠す帽子とスカートは必須だったので、

それを解放的に見せるため胸元と肩を

女性的ラインを重視しました。」


北国の出身のような長い帽子にスカート。

それを上からベスト上にした上着に、中に着た

薄着は長袖を着れば、冷える夜にも対応できる

服装に仕上げた。


「あんまり…みないでっ…欲しい///」


説明を受ける度に小さくなっていくルル。

こちらも照れてしまう。


「あっ、あとこれは余った布で作ったんだけど…」


かぽっ


「?もこもこしてる…」


「うん、ミトンと革靴。その草を巻いた上から

でも履けるから…どうかな?」


これから街に入ると目立つし、何より

女の子には暖かくしてもらいたい。


「…うん。これきもちいい。それに

このにおい。カイのにおいもする。」


「うん、僕の革袋も使ってるから

ちょっとの間我慢してね。」


嬉しそうな顔が一瞬で悲しい顔になった。

さすがに悪いと思ったのかな?


「大丈夫だよ。ルル。家に帰ればまた作れるし、

ルルの役に立てて良かったよ。」


「そっ!そう。」


ルルは申し訳なさそうだったけど、

足首まで作ったスカートの中では、尻尾が

これでもかと暴れ回っていた。


「お楽しみのところお二人方!」


「ふぇ!?」


しゃがんでいたルルが驚いて立ち上がる。


「準備も出来たし、作戦決行よ!」


レヴィに言われるがまま、僕達は街に

向かった。

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