特徴。遭遇。門番。
程なくして街の灯りが見えてきた。
(しっかし、ルルをどーやって街に入れよう…)
グリはいつの間にかいなくなってるし…)
歩きながら自問自答する。
(この耳に尻尾、それに裸同然で…)
「それに胸も大きくて、髪も綺麗で…」
「どーした?…カイ。」
「あっ!ちょっちょ!今のなし!…」
顔を真っ赤にする僕を見て、顔を背けるルル。
後ろを向いたときに見える尻尾は揺れてる。
恥ずかしいってゆうより褒められ慣れてない
感じに見える。
「あっ!あと…それなにかな?その手に巻いてるの
は…ケガ?」
ルルの手足に長い草葉がぐるぐる巻きされている。
「大丈夫?ケガしてるなら、包帯と傷薬が
あるけど?」
「いや、大丈夫、ありがとう、カイ。」
僕が革袋に手を掛けると手を後ろに隠された。
正直な耳と尻尾は揺れておらず、少しショック
だった。
「ま、まぁ早く行こうよ」
(気がかりだったけど、一番の問題はどうやって
街に入るかだ。入口には門番がいるし、出入り
口は一つしかない。)
「どーしたの?カイ?」
(この子の耳と尻尾と格好をどうにかしないと。)
「おーい。カイ…」
(でも任務の件もあるからなぁ、隠れて行くと
後々面倒…)
「カイ!」
「うわぁ!」
近くにルルの顔があった。すごく近くに
でも、そのかわいい顔はなんだか怒っている
ようだった。
「なんで無視するの?私はカイくんに話し掛け
てるんだよ?」
「あっ…ごめん…ちょっと考え事してて…。」
街の入口で言い争っていると、ローブに荷物を
抱えた人物がこっちに来た。
声ですぐわかる。レヴィだ。
「なんで隠れてんの?誰?その人?それに…耳?」
(仕方ないか…)
僕はレヴィに全部話した。任務の事ルルの事。
街に入れない事も。レヴィには隠し事を
しても無駄なのだ。
「つまり、依頼主は違法注文で行方不明。
貨物はルルさん。さらにお家にも帰れない。」
「はっはい…」
「言っとくけどカイくんにも書類の不手際を
報告しなかった責任があるかんね。」
「面目ないです…。」
僕とルルはその場に正座させられて
動けなかった。レヴィの言うことが正論すぎて。
「まっ、女の子を置いてこないで、悪人から
守ったって見方もできるから良しとします。」
「勿体なきお言葉です。」
「それと、街に入るのは手伝ったげるから、
準備して!」
「え?」
僕はルルと共に目を丸くしてレヴィを見た。
大体この顔は、僕がろくな目に遭わない。