お便り 〜苦笑い〜
前回の別視点です。
相変わらず短いですね(^^;;
どちらから読んでも大丈夫です!
毎年、ある少女に手紙を書く。
「千夏」という、今は17歳になる少女だ。
もう忘れられているかもしれない。それでも送り続けた。
奏は魔法使いであり、絵師である。
彼女との思い出を絵に描いては、自分の事は明かさずに手紙を届けた。
我ながらいじましい気もする。
それでも彼女の記憶が戻る僅かな可能性に賭け、毎年送った。
そんな中のある年。
彼女から返事のような、メッセージが届くようになった。手紙が返ってきた訳ではない。ただ頭の中に直接語りかけるように。返事が聞こえるのだ。
最初は何かあったのかと心配になったが、今では嬉しく思いながら、たった一言の返事を聞いている。
なにがどうなったのか、それは分からないし、分かろうとも思わない。
奏は今年も返事を聞き、思わず苦笑した。
『一言余計です』
それだけで不思議と心が満たされる。
奏は来年送る絵を早速、考え始めた。彼女の返信を楽しみにしながら。
いかがだったでしょうか。
お便りは終了です。
次回の作品でお会いできますように♪( ´▽`)