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第2話

少し、この世界について説明しようと思う。

その世界には大きく分けて三つの世界がある。


一つ目はミズガルズと言う、普人族をはじめとした様々な種族や精霊が存在する世界。


二つ目はアースガルズと言う、聖神族である神々が住まう世界。


そして三つ目がニヴルヘイムと言い、邪神族と呼ばれる神々が統治する世界だ。


そして、この三つの世界を支えているのがユグドラシルと言う世界樹だ。



サクラ達がいる世界はミズガルズ。

この世界にいる種族は全員、『魔気』と呼ばれる、『魔法』使うために必要なものを所持している。


とは言っても一人一人が所持している魔気の量は異なる。少ない者や、多い者。人それぞれだ。


魔気の他には『精霊』というモノがいる。


精霊については追々説明しようと思うが、『精霊契約』について簡単に説明しよう。


精霊契約は読んで字の如く。精霊と契約し、精霊から魔気や力を借りることが出来るようになることだ。


誰でも、とは言えないが、契約出来るモノとして代表的な精霊は主に


【火之精霊】(イグニス)


【水之精霊】(アクエリウス)


【風之精霊】(ウェンティス)


【雷之精霊】(フルミニス)


の四つである。


上記の四つは世界各地に存在し、最も扱いがしやすいのだ。また、精霊の中には二つといない精霊も存在する。


それが……。



「……【火燐皓燕】(イフリート)。」


ぽつりと呟くサクラ。


そんなサクラを囲うように白色の炎がゴゥッ!と、唸り、燃え上がる。


何故こうなったっ!


サクラは刀を構えたままそんなことを思いつつ、数m先に剣をぶらりとぶら下げるように持って立っている自称、『勇者で化け物』らしい白髪の少女を見つめる。

もちろん、その背後に白色の双翼を羽ばたかせている、この白炎の主、【火燐皓燕】(イフリート)にも、チラッと。


サクラは周りを見渡す。


どうやら中庭に植えられている木々や茂みには燃え移らないようだ。


(明るくなったは良いものの、今度は熱量のせいで、歪んで見える。)


そうサクラが思っていると、


「ねぇ、あなたも出さないの?」


少女は何時までたっても一向に動こうとしないサクラに問いかけてきた。


「……何をだ?」


そう問い返すサクラ。


「え?何って、決まってるじゃん。

【氷雪黯狐】(フェンリル)だよ?

あなたも持ってるんでしょ?」


少女はちょっと微笑みながら言った。


少女の言うとおり、サクラは【氷雪黯狐】(フェンリル)と契約をしている。

だがおかしい。サクラが契約してることを知っている人は指で数えるほどしかいない。

それなのに何故、会ったばかりの少女がサクラが契約してると知っているのか。


「……なるほど。だから勇者な訳か。」


サクラは構えを解く。


少女は自分で確かに言った。


自分が『勇者』だと。


何故少女が自分のことを知っているのかはわかったサクラだが、もう一つ、気になることがあった。


少女が言った「私は化け物」についてだ。


「一つ、聞いてもいいか?」

「ん〜、内容によるかな?」


ひとつ、間をおいて。


「君は言ったよね?自分が『化け物』だと。それって、どうゆう意味?」


少女はぽか〜んとする。が、すぐに笑みを浮かべて、口を開いた。


「どうゆう意味って、そのまんまの意味だよ。こっちに来てから、この一ヶ月で私は勇者と言う名の『化け物』になったの。分かる?ほんの一ヶ月前はこんな力も、魔気の量も多くないどこにでもいるような高校生だったんだよ?」


笑みを浮かべていた少女の顔がどんどん泣き顔に歪んでいき、顔を伏せる。


「私はね、こんな力いらないの。欲しくなんてないのっ!こんなとこなんかに来たくなんてなかったっ!普通に友達と馬鹿みたいなことや学校に行って勉強をしたかったっ!それなのに……なのに……っ。」


ギギギ…と、剣を握り締め、顔をバッ!と上げる。


「私たちをあなた達の戯れ言に巻き込まないでよっ!」


少女がそう言い放った瞬間。


轟っ!と、さらに燃え上がり、白色の炎が一回りも二回りも燃え広がる。

そのせいか、少女が握り締めていた剣はどろりと溶解する。


少女は右手を前に突き出す。

すると先程、溶解したはずの剣だった液状の鉄が突き出された少女の右手の中で集まり、新たにその形を形成していく。


形成されたモノは一言で言うと、西洋型の長剣だ。

ただし、普通の長剣ではない。僅かにだが陽炎が起きているようだ。


パシッ!と形成された長剣を握り締め、その長剣にボゥッ!と白炎を纏わせる。


「あなた達の勝手な事情で、私たちを化け物なんかにしないでよっ!!」


そう少女は言い放つと白炎を纏わせた長剣を一閃させた瞬間。


轟っ!


と、燕の形をした白炎がまるで生きてるかのように羽ばたかせながらサクラに向かう。


そんな白炎をジッと見つめるサクラ。


そして、白炎の燕がサクラに襲いかかろうとした刹那。


「笑わせるな。」


冷たい声音。

サクラがそう言い放ったと同時に、大気が凍てついていった。



誤字などがありましたら気軽にどぞっ!

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