第十一話『破壊の名を持つ敵』
皆様明新年けましておめでとうございます!
今年はじめの投稿です!
「なんだ?」
「やっと、見つけた。面白い奴」
光線を撃ってきたと思われる魔人族は大きな銃と、大剣を担いでいる。
また、その武装の大きさに似合った体格をしている。
「‥‥‥黒い、大剣?」
その魔人族が担いでいる大剣は俺の黒い鎌と同じような色、いや、同じ黒色をしている。
「どぅおりゃぁぁぁ!」
魔人族は大剣をまるで玩具のように振り回す。
「ちぃっ!」
白い剣で受けるが、大剣の斬撃を受ける時の衝撃で吹き飛ばされる。
「なんて、馬鹿力だよ」
「我が名は破壊。力を持ち能天使よ、私と全力で戦え!」
こいつ、何で俺が能天使の加護を受けていることを知ってるんだ?
自らの名前をデストラクションと名乗った魔人族は大剣を振りかぶる。
俺はそれを避けるが、俺のいたところの地面には黒い大剣が刺さっている状態になっていた。
こんなもの生身で受けたら、絶対死ぬ!
「どうした能天使! 逃げないで戦え!」
「こ‥‥‥のっ!!」
剣で斬ろうとするも、大剣で防がれる。
「ははははは、そうでなくてはな!」
デストラクションは盛大に笑いながらも大剣を振り回す。
俺はそれを躱しながら、剣を突き入れる。
「我の攻撃がこれだけだと思うな!」
いちいち大きな声でそう言うと、デストラクションは地面を殴りつけた。
なんだ? と警戒していると、足元の地面が盛り上がり、凄まじい衝撃波が体を襲った。
「なっ!?」
衝撃波を受け、遠くに吹き飛ばされる。
「どうだ、我の力は!」
気付くとデストラクションは目の前にいて、大剣を振りかぶっていた。
「我が身を守れ!」
障壁が大剣を受けるが、衝撃が体に伝わってくる。
先程の力を使っているのだろう。
デストラクションは何度も何度も大剣を障壁に叩きつける。
「どうしたどうした!? 守ってばかりではどうにもならんぞ!!」
デストラクションの連撃の隙を突き、その場から逃げる。
デストラクションはすぐに斬りかかってくる。
デストラクションの斬撃を白い剣で受け、隙を突いては斬りかかるが、黒い大剣で防がれる。
「どぅおりゃぁぁぁ!」
「なぁっ!?」
大剣を受けた瞬間、剣が弾かれてしまう。
剣は遠くに投げ出され、地面に刺さる。
「能天使、本気で来い!」
デストラクションが迫る。
武器を無くしては戦えない。
いや、まだあるじゃないか!
「ここで死んでたまるか!」
俺は黒い鎌を手にデストラクションに斬りかかる。
「何っ!?」
デストラクションは驚きながらも鎌の斬撃を受ける。
そこでようやくデストラクションが顔を歪める。
「‥‥‥黒い鎖鎌か。やはり面白い」
「えぇぇぇぇぇい!」
歪めた顔もすぐに笑った顔になる。
俺は鎌で牽制し、剣を拾う。
「白い剣と黒い鎖鎌、あの方にソックリだ」
あの方? 誰の事を言っているのだろう。
「なるほど、コイツが力の片方か」
「一人で納得してんじゃねぇよ!」
一人で納得しているデストラクションに剣で斬りかかる。
しかし、防がれても終わらず、鎌で斬りかかる。
剣は防がれたが、まだ鎌がある。
鎌で斬りかかると、デストラクションの大剣が意図も簡単に折れた。
「何っ!?」
「何、一人で納得してんだよっ!」
「貴殿にはまだ早いことだっ」
「この野郎っ!」
腹を立てた俺は連続で斬りかかる。
それに対し、デストラクションは衝撃波で迎え撃つ。
距離を離したら、デストラクションが持っている銃が厄介だな。
そんな事を考えていると、
「貰ったぁっ!」
デストラクションは力一杯の拳で殴りつける。
当たる瞬間後ろに跳んだが、衝撃波に飛ばされる。
「はははははは!」
デストラクションはここぞとばかりに銃を撃ってくる。
俺はそれを躱して、走り出した。
デストラクションはそれを追って、銃を乱射。
「‥‥‥ちぃ!」
俺は走って躱し続けていると、魔人族が持っていた銃を見つけた。
俺はそれを拾ってデストラクションに向かって撃つ。
「このっ!」
デストラクションはそれを躱し、大きな銃を撃ってくる。
互いに、撃っては躱すの繰り返しだった。
「はははははは‥‥‥ん?」
突然、デストラクションの連射が止む。
弾切れだな。
同時に俺の銃も弾が切れる。
俺もデストラクションも銃を投げ捨てると互いに突っ込んでいく。
「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」
俺は剣を振りかぶり、デストラクションは衝撃波を乗せた拳を振るう。
「デストラクショョョョン!!」
「能天使ぃぃぃ!!」
すれ違い様に振り抜く。
デストラクションの拳に乗った衝撃波に体が軋むが、確かにデストラクションを斬ることができた。
「ぐぅぅぅ!」
だが、まだ浅いようだ。
すぐに俺は鎌を手に出し、デストラクションの胸に突き立てる。
だが、デストラクションも拳を振るい、俺の体に衝撃波を与えた。
「がはっ!」
血を吐くが、構わず鎌を持つ手に力を込める。
鎌は深く突き刺さり、やがてデストラクションが動かなくなる。
口元は笑ったままで。
「はぁ、はぁ‥‥‥いつっ」
肋骨が何本かいってるなこりゃ。
エンジェルズの皆が俺の仮の名前を呼びながら駆け寄ってくる。
戦いが終わったのだろう。
そうか、終わったのか‥‥‥
目の前が白くなる。
意識が‥‥‥。