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『SWORD OR SCYTHE』  作者: 稲木グラフィアス
第一章『エンジェルズ』
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第十話『出撃』

時間かかった上に短くてすいません。

学生の身として、宿題はやらなくてはいけないんです。

 エンジェルズに入って一週間がたった。  エンジェルズに入る事をクラスで打ち明けると、それは 驚かれた。

 しかし、モニカだけは何故か暗い表情をしていた。

 聞いてみても『そんな顔してた?』と言って、教えてくれなかった。


「失礼しまーす」


俺のはいるクラスは変わりエンジェルズのクラスに入る事になった。

 入ると生徒は俺を除いてたったの八人。 俺と同じ天使の加護を受け持つ者達。

 元のクラスは30人位いたのに。


「おはよう、エクシア君」


俺は未だにエクシア・グレイスとしてAIGISに所属している。

 AEGISは寮暮らしなのだが、エンジェルズ専用寮などという物があってビックリした。

 どんだけ優遇されてるんだよエンジェルズ。


「教官はまだ来てないんですね」


エンジェルズの教官、アイナス・カルティエ教官。

 エドワードさんとは戦友らしく、とても厳しい人だ。

 自分の席に座るとエミリーの視線がきになる。

 初めに会った時も恐がっているようだったが。


「何かな?」


「ひっ。いえ、なんでも‥‥‥」


やはり恐がっている。

 うーん、何故だ。


「駄目よ、エクシア君。エミリーちゃん恐がらしちゃ」


 アリスさんが話かけてくる。


「なんで、恐がられるのかがわからないんですが?」


「初め、エクシア君に暗い闇の様なものを感じるって言っ てたけど。何か心当たりは?」


 心当たり、‥‥‥心当たりか。

 闇の様なもの?

  確かに俺の黒い鎌は真っ黒だが‥‥‥


「いえ、ありません」


「そう?」


鎌がただ黒いってだけで、悪い物とは言い切れない。

 黒くたっていいじゃないか。

 それにしても教官は遅いな。

 一週間だが、教室に入ると『遅いぞ、エクシアっ!』と 怒鳴っているのに。

 まだ不慣れな所で、戸惑っていただけなのにな。


「ふわぁ」


「寝不足かい?」


座天使の加護を受け持つ者、アデル先輩が欠伸をした俺 に近づいてきた。

 アデル先輩は、言っちゃなんだが、ふわ ふわしている人だとこの一週間で思った。


「はい、一週間がたってもまだ慣れないので‥‥‥」


俺は教官が来るまで寝てしまうことにした。

 すると、クラスの扉がバーンと開け放たれる。

 扉の音で飛び起き、見回すと教官が入ってきていた。


「先程、EXCALIBURから入電があった。エンジェルズの力 を借りたいとの事だ。これより、ミーティングを始めるぞ !」


 EXCALIBURからの入電ってなんだ?

 エンジェルズの力を借りたい。て、もしかして!?


「現在、エリア59-Cで強力な魔人族と交戦状態にあるらしい。我らはエリア59-Dに展開中の部隊と応援に向かう。いいか? いつも言っているがこれは訓練ではない、実戦だ 」


まさか、AEGISに来て一週間で実戦に借り出されるとは 。

 エンジェルズに入るとこういうことがある、って教官から聞いてはいたが。

 いざとなるとこうも緊張するものなのか?


「教官」


「なんだ、アリス」


少し焦り気味の教官にアリス先輩が問う。


「エクシアはまだ実戦に慣れていませんが‥‥‥」


「大丈夫です。行けます」


初めての実戦で後れをとるわけにはいかない。

 俺は強くならなくてはならない。

 それが約束だから。


「もちろん、そうしてもらわなくてはならない」


 そうしてもらわなくてはならない?

 いや、そうするんだよ。

 絶対にな。


「それでは、AEGIS精鋭部隊『エンジェルズ』。出撃せよ !」






 俺達は教官から指示を受け、エリア59-Cに着いた。

 合流した部隊はすぐに配置につき、交戦を開始する。

 到着してすぐにアリス先輩からの指示が出される。 


「私達の任務は前線に出て、魔人族を殲滅すること。EXCALIBURの部隊はこれ以上の魔人族の進行を防ぐための防衛線でしかないから援護は期待しない方がいいわ。‥‥‥それと、エクシア君?」


「は、はい!」


「貴方も前線よ」


 その瞬間、アリス先輩と俺以外の全員が驚いた。


「アリス様、でもエクシアは‥‥‥」


 教官の命令で俺も戦闘に加わるんだから甘えは許されないな。


「わかってるわ。でも、エクシア君の力は接近戦用だから前に出てもらわないと困るの」


 アリス先輩は、分かってるわね? という目で俺を見る。

 それに対して俺は頷いて見せた。


「なら、前線に出るのはエクシア君、リリー、力丸、エリザベスの四人でいってちょうだい。残りは後方から支援をして」


『了解っ!』






 俺は前線に出て魔人族の部隊が来るのを待っていた。


「怖いか?」


「えっ?」


 魔人族がいる方向をじっと見ている俺に、金剛先輩が話かけてくる。


「初めての戦闘の時、俺もそうだった。迫ってくる魔人族を見て体が震えたものだ」


「金剛先輩‥‥‥」


「来るぞっ!」


 リリーがいい放つと同時に魔人族が向かって来るのが見えた。

 魔人族は召喚獣を盾にして進行している。

 俺達は身構えた。


「全員、構えろ!」


 全員共銃を構え、俺は白い剣を、リリーは炎の剣、金剛先輩は白いガンドレット、エリザベスは白い槍を装備する。


「全員、散開!」


 リリーの合図に合わせて散らばる。


「うおぉぉぉぉぉぉ!!」


 俺は身体強化(コンバリス・コルプス)を使い、跳躍せよ(シ・サルトム)で、空中から敵に襲いかかる。


「何だ、コイツは!?」


 魔人族は驚きを見せている。


「エンジェルズ第六位エクシアっ! 真打ち登場って‥‥‥ね!」


「エンジェルズ第六位!? 馬鹿な、エンジェルズは八人しかいないはず」


「新メンバーだよっ!」


 襲ってくる召喚獣を撃ち、新メンバーに驚く魔人族を斬る。

 身体強化(コンバリス・コルプス)で体が強化されているので、難なく敵の数を減らしていった。






「このっ!!」


 倒せども倒せども、召喚獣ばっかでらちが明かない。


「エクシアっ!」


 エリザベスが叫んだと同時に、光線が迫る。

 反射でそれを躱したが、銃に掠ってしまい、使い物にならなくなってしまった。


「なんだ?」


 光線が飛んできた方を見ると、そこには大きな銃と大剣を担いでいる魔人族がいた。


「やっと、見つけたぜ。面白い奴」

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