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『SWORD OR SCYTHE』  作者: 稲木グラフィアス
第一章『エンジェルズ』
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第七話『所属決定』

「「ふぁ・・・・・・」」


 フェンリルを倒した翌日、エドワードさんが話があると言う事で、俺達はリビングに集合していた。


「昨日のフェンリルについてだが、上の方に報告したところ・・・・・・」


 モニカは朝が弱いらしく、目が半開きだ。


「二人には、すぐに軍の特殊育成機関に所属してもらう事になった」


「「はっ!?」」


 これにはモニカも驚いたようで、目が半開きから全開になった。

 それはそうと話の方だが、今何と言った?


「お父さん、どういう事!?」


「そうです。エドワードさん、説明してください」


 俺達が詰め寄ると、エドワードさんは「まあ聞け」となだめる。


「この街の近くには沼があるのは二人共知っているね」


「あの、フェンリルが昔いたって言う?」


「そうだ」


 すると、エドワードさんの顔が険しくなる。


「今はもうフェンリルはいない、だが、昨日のフェンリルは間違いなくフェンリルだ。では、いなくなったフェンリルが出現したのは何故か」


「魔人族の召喚獣って可能性は?」


 モニカが割り込む。


 だが、エドワードさんは


「それはないな。召喚獣なら、殺したらすぐに消えて無くなってしまう」


 でも、昨日のフェンリルは殺しても消えないでそのままだった。

 ちなみに死体はエドワードさんが軍の方に報告する時に持っていったらしい。


「なら、魔人族が放したってことですか?」


「まあ、ここらへんにフェンリルが来るにはそれしかないと思う。沼にはもうフェンリルはいないからな。で、その事を報告したら、街の守りを強化してもらう事になったから、心配ない」


 サニーさんが何か心配そうにしている。

 フェンリルのようなものがまた来るかも知れないとなると、心配になる。


「二人が軍で強くなってくれれば、魔人族に対抗する戦力になるんだ。魔人族を全滅させることができれば、この戦争もおわる」


 本当なら残ってこの家を守っていたいが、


 『じゃあ、さやちゃんが大きくなったら、強くなって私を助けてね』


「・・・・・・」


 そうだ。俺は強くならなければならないんだ。


 軍の特殊育成機関に入って戦闘技術を身に付ける事で強くなる事ができるはず。


「分かりました」


「久也?」


「ありがとう、モニカは?」


「・・・・・・分かった」


 モニカはサニーさんを見て心配そうにする。

 街の中が絶対安全じゃないとなれば、家族が心配なのだろう。


「二人共、ありがとう。急で悪いが、明後日から機関の方に行ってもらう。荷物をまとめておいてくれ」


「「はい」」






「・・・・・・ふぅ」


 数分で荷物をまとめる。

 まあ、荷物が少ないだけなのだが。


「久也、終わった?」


「お前も結構早いな」


 女の子って準備に時間がかかるもんじゃないだろうか。


「どうした?」


「久也はさ、心配じゃないの? この家の事」


 そりゃ心配に決まってる。

 でも、


「約束が・・・・・・あるからさ」


「約束? 誰との?」


 そう言えば話して無いんだよな研究所の事以外。


「・・・・・・いや」


「え、教えてくんないの?」


 あんまり、言いたくはないな。少し恥ずかしい気がするし。


「教えてよー」


「誰にも言うなよ?」


「分かってるって」


 話しても大丈夫だろう。


「俺に能力を植え付けた研究所の事は話したよな」


「うん」


「ほのかちゃんっていってな、研究所に行く前にいた孤児院で、よく一緒に遊んでいた女の子なんだ」


 モニカは「女の子?」と少し眉を寄せる。


「俺って小さい頃泣き虫でな、その子によく慰めてもらってた。だからほのかちゃんと約束したんだ。強くなってほのかちゃんを守るって」


「ねぇ」


 モニカが話に割り込む。


「ほのかちゃんって、今は何してるの? 孤児院にまだいるの?」


「死んだ・・・・・・多分」


 そう言った瞬間、モニカの表情が固まる。


「研究の負荷に耐えられなくなって・・・・・・死んだ」


「・・・・・・久也はどこまで強くなるつもりなの?」


 どこまで?


「どこまでって、・・・・・・まあ、最強、かな?」


 しかし、どこまで強くなったら最強になれるのだろう。

 軍の特殊育成機関に入って、何か分かるだろうか。


「最強・・・・・・ねぇ」


 モニカもあまりピンとこないようだ。

 まあ、まずは機関の方に行って、他の人達の事を見れば基準は分かるだろう。


「でも、最強になって何をするの?」


「えっ?」


 その後の事を考えた事がない俺はすぐに答えられなかった。

 最強になってから・・・・・・。


「・・・・・・」


「久也?」


 強くなってほのかちゃんを守る。

 そう約束したはず。

 でも、今となっては、ほのかちゃんは生きていない。

 俺は強くなって何をするのか?

 守る人はもういないというのに。


「・・・・・・どうするのか、分かんなくなってきた」


 いっそモニカに課題でも出してもらうか?


「は?」


 最強になったとき何も目標が無いなら探せばいい。


「もし俺が最強になった時、何か相談があったら言えよ。乗ってやるから」


「・・・・・・え」


 ほのかちゃんはもういないけど、約束は果たすつもりだ。


 ただ今は、最強を目指すだけだ。

やっとテストが終わったーーーーー!!

と言うことで投稿しました、第七話!

テストが今日終わったばっかりなんですけどね~。

いつもどうり更新が遅いですが、読んでくれると嬉しいです。

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