夢?目の前に俺?
ある同級生の、突然の死から、人生について深く考え始める。
浮いている?
なんだ?どうなっている?
「やあ」
えっ、誰?
「おいらは、君が生まれる前からいつも一緒にいたんだよ」
声が聞こえた。耳から?いや頭の中に
意識してみると、誰かがいる。
まだぼやけている。
「そっか、まだ、覚醒できてないんだね。いわば、君の認識によりそって言えば、守護霊という者だよ
今の君が危なっかしくて、伝える方法がないかと思ったら、うまく幽体離脱してくれたから」
そうだった!
昨日友達から、中学2年生で同じクラスだった女の子、上村ヨリ子が亡くなったって聞いて
ショックで悲しくて、卒業アルバムを見ながらその子の似顔絵を一生懸命書いていたんだった。
優しくて美人で、尊敬できるいい子だった。
そんな良い子がなぜ?
死ぬってどういうこと?
そんな事を考えながら、鉛筆でその女の子の顔を書きながら、悲しくなり、また怖くもあった。
深い思いを抱いたまま、布団に入ったけど、なかなか寝付けなくて
町の中の中学校で、その2年生のクラスでは、一人の太った女子生徒がいつも虐められていた。
まわりの生徒は、いやな気持を抱いたまま、何も言えなかったが、
一人だけ、上村さんが「やめなさいよ!」って言ってた姿を思い浮かべていた。
そんな事をイメージしはじめたら、どんどん考え始めて、今、その上村さんは、どんな思いかな?
それとも完全に消滅してるのかな?
この意識って、自我って、そういえば、生まれる前って、どんな感じ?死んだらどんな感じ?
痛いとか苦しいとか嫌だなあ、死ぬなら即死がいいなあ
そんな事を考えているうちに何時しか眠り、そして、今、その寝ている自分の姿を、
自分で、天井の高い位置から見ている。
声のするほうを見るが姿が見えない。
頭の中で響いている
「まだ、姿を見せるわけにはいかないんだ。僕には、まだ君に干渉できるスキルがない。
それは、君自身にも、霊的感性のレベルが低いという事にも関係している。」
「じゃあなぜ、幽体離脱できて、そして、何を僕に伝えたいんだ?」
考えていることがそのまま言葉になっていた。
「君は幽体離脱してるけど、霊界にはまだ連れていけないよ。
その資格がお互いにない。
ただ、今のままだと、君の意志が死にたいしてのハードルが低いので、
いつでも自分で死を選択する可能性があると思ったから、こうして話している。」
「そうか、そうだよな、家庭環境も、学校の環境も嫌な事ばかりだし、我慢しないで自分を
消滅させたいなんて、考えたことがなんどもあるもんなあ」
「肉体は消滅しても魂は消滅できないよ。それに、君が肉体で魂を進化させれば、おいらも進化できるけど、今のままで、自殺なんてされたら、お互いが苦しい所に行くようになる。」
「どういう事?」
「それは、これからの人、物、情報との出会いの中で君が学ぶことなんだ。」
「今の、状況で、学べることなんて・・・」
「じゃあな」
「!え!なんで?」
そして目が覚めた。