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黒界異人伝・異世界英雄譚 -ようこそ、造られた異世界へ-  作者: 明鏡止水
6章・ロロッカの深み

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第381話 知りすぎた者

イリーナから村人たちの失踪について聞いたが、まあバドンから聞いていたのと大して変わりない情報だった。


ただ、「失踪者たちの身の回りの者について」という新しい情報を持ってきてくれた。


それによると、実は人々の失踪に関して、当時現場を目撃したと思われる人は2人ほどいるというのだ。


「でも、その2人はどちらも口を硬く閉ざしていて・・・どういうわけか、一言も話そうとしないんです。

目も合わせず、話しかけても反応せず、ずっと無表情で立っているだけで・・・こう言ってはなんですが、なんだか不気味なんです」


 確かに目を合わせない、話しかけても反応しないとなるとなんか気味が悪い。


まさか元々そういう奴だったというわけではないだろうから、「何か」が原因でそうなったのだろうが・・・。


「その人達はどこにいる?」


「それぞれのご自宅にいるかと。片方の・・・ロウという方は、ここを出てすぐ右下の家に。ラフという方は、裏手に回ってすぐのところの家にいたと思います」


「尋ねてみることはできるか?」


「出来なくはないでしょうが・・・出てくれるかはわかりません。ロウさんはともかく、ラフさんは今は一人暮らしなので」


 今は、という言葉の意味はというと、かつて妻がいたが、その妻が今回失踪してしまったため今は実質一人暮らしをしている、ということなのだそうだ。


「私も昨日、彼に会ってきました。といっても、窓から家の中を覗きこんで目を合わせたのですが。

本当に不気味でした。虚ろな目をして、私を睨んできたんです・・・何しにきたとばかりに。

そして、いくら話しかけても無反応だったので、怖くなって帰ってきました」


「気になるな・・・俺たちも行ってみようか?」

 すると、キョウラが反応した。


「その方がいいと思います。その方、もしかしたら何かの魔法にかかっているかもしれません」


「魔法・・・?でもあの方からは、魔力は感じませんでしたが」


「とにかく、そいつを尋ねてみよう。今現在どうなってるのか、見てくるだけ見てこよう」


「わかりました。くれぐれもお気をつけて」





 そうして家を出て、後ろにある大岩の裏手に回り込むとすぐにそれらしき家が見えた。

「あれだな」


バドンがドアを叩き、呼びかけたが反応はない。

ここはイリーナのやった通り、窓から覗き込むか?と思ったが、その必要はなかった。


「わっ!?」

 なんと、後ろから本人が現れたのだ。

イリーナの言った通り虚ろな目をしており、こちらから声をかけても反応を見せることもせず、のそーっと歩いて家のドアを開け、中に入った。


それで、なんとなくイリーナの言っていた意味がわかった。


「こりゃ確かに不気味だな。雰囲気がもう、明らかにまともなやつじゃないぜ」

 樹がそう言った。


「・・・」

黙っているキョウラに、俺は声をかけた。


「キョウラ?どうした?」


「あの方、確かに魔力は感じられませんでした。でもそれ以上に、何か・・・嫌な力にとりつかれています」


「嫌な力?」


「ええ。一種の、呪いのようなものかと。

ただ、直接かけられたものではありません。おそらく、ある経験をしたことで、あのような状態になったのかと」


 ある経験、とは恐らく妻の失踪、その瞬間だろう。

その現場を直接見てしまったら、呪われてああいう風になるのか。


「口封じのために、現場の目撃者に呪いをかけるとかそういう感じか・・・

そんなことが出来るのなら、それなりの力を持った者が犯人なのは間違いないな」


 そんな会話をしていると、突如1人の村人が駆け込んできた。


「バドンさん!あぁ・・・ここにいたか!」


「どうした?何かあったか?」


「南口と北口から、サードル旅団の連中が襲ってきたんだ!もう何人か、けがをした奴も出てる!」


サードル旅団、と聞いて俺たちも神経を張り詰めた。


「旅団が・・・!?敵は何人だ!」


「わからねえ!ただ、少なくみても10人はいる。みんな、強そうな奴らだ。おれたちじゃかないっこない・・・何とかしてくれ!」


 そう言えば、このバドンとイリーナはこの村の守り手、つまりガーディアンなのだった。


「わかった。・・・お前たちも手伝ってくれるか?」


「無論だ!」


「もちろん!」


「はい!」

俺の他、樹とキョウラは答えた。


「・・・感謝する。それじゃ、先に言っていてくれ。村の南口だから、そこの一番長い吊り橋を渡った所だ。

俺とイリーナは、北口の敵を片付けてから行く!」


「わかった。一番長い吊り橋を渡るんだな!」


「頼むぞ・・・もし吊り橋を落とされでもしたら、村が機能しなくなる!」


 確かにここから見たところ、この村はあちこちに色々な長さの吊り橋がある。

もしもあれらを落とされたらどうなるかは、容易に想像がつく。


そうされないようにする方法は、吊り橋に奴らを近づけさせないこと。

そして、迅速に倒すことだろう。


 俺たちはバドンに言われた通り、見える中で最長の吊り橋を進む。

まあ正面にあったので、間違えようがないが。


幸い、まだ向こうには旅団の姿はない。

出てこられる前に、渡りきってしまいたい。

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