表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒界異人伝・異世界英雄譚 -ようこそ、造られた異世界へ-  作者: 明鏡止水
1章・始まり・セドラル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/693

第30話 谷底にて

みるみる谷底が迫ってくる。

めちゃくちゃ不安だ…と思ってるうちに地面についた。


「…あれ?」


気づいたら、谷底についていた。

意外なことに、即死どころか痛みすらほとんどない。

「おっ、来たな」


「やっと来たか。ほら、行こうぜ」

待ち構えていた煌汰と輝が言ってきた。

「ん?姜芽殿、聖女はどうした?」


「今来るよ。なんかゆっくり降りてきてたぜ」

ラギル達が上を見ていると、間もなくキョウラも降りてきた。

「来た来た」


「皆さん、お待たせしました。行きましょう」


「ああ」



薄暗いが、あたりの光景はわかる。

いろんな怪しげな道具がそこら中にある。

「なんだありゃ…」


「祈祷師どもの魔法道具だろう。やつらは恐らく…」

その時、ラギル目掛けて黒い球が飛んできた。

ラギルは忍者のようにそれをかわし、大剣を抜いた。

「な…何だ!?」


「奴らだ…」

ラギルは顔を上げる。

その方を見ると、白っぽいローブを着た2人の男がいた。

「町の騎士か…こんな所まで来るとは」


「お前らは…!」

その顔には、見覚えがあった。

間違いなく、町にいた2人だ。


「ん…?おお、先程ぶりだな。像を取り戻しに来たのか?」


「…やっぱり、像はお前らが持ってるんだな!」


「ああそうだ…あの像は我らが…」

言い終わる前に、グラームは光の波動を食らった。

そしてケイズも、ラギルの攻撃を受けていた。


「っ…。む…お前は…!」

グラームはキョウラに気づいたらしく、険しい顔をした。


「なるほどな…こんなに早く来られたのは妙だと思ったが、お前がいたからか!」


「私は何もしていません。ここにたどり着く事ができたのは、そちらの騎士様が情報を提供して下さったからです」


「騎士などに頼るとは…所詮は、ありもしないものにすがる貧弱な種族といったところだな」


「あなた達こそ、理性も人格も捨てて邪なものに心酔する、哀れな種族ではありませんか。

この世の脅威となる邪悪な存在を崇拝し、自分たちが絶対に正しいと思い込んで虚しく暴れ回る、卑劣で陰湿な種族でしょう」

キョウラは怒った顔で言った。

どうやら、修道士と祈祷師は仲が悪いようだ…まあ、光と闇が相容れることはない、って感じだろうか。


もう一人…ケイズの方はというと、ラギル、煌汰、輝と絶賛戦闘中だった。

ラギルは驚異的な身のこなしと共に大剣を軽々と振るい、煌汰は小ぶりな剣で迅速に斬りかかり、ケイズに襲いかかる。

そして輝は、遠方から隙を見て援護射撃。


対するケイズは、バリアみたいなものを張って攻撃を防ぎつつ、時折反撃をしていたが、基本的には防御していた。

それを見たキョウラが、

「お仲間の方は苦戦していうようですね?」

と、煽るように言った。


「ふん…ケイズならば問題はない。奴は20年来の相方だ、そんな簡単には…」

言ってる矢先にバリアが割れ、ケイズはラギルの渾身の一撃を食らった。

そして、ケイズは崩れるように倒れた。 


「なっ…!」

グラームが驚いている間に、キョウラが光で剣を生成して斬りかかる。

「ぐっ…!」


「ずいぶん呆気ないものでしたね。あとはあなただけです!」


「おのれ…私を侮るなよ!お前ごときに負けるものか!」

キョウラの剣を杖で抑えながら、グラームは唸るように言った。

しかしその直後、グラームは口を開けてうめき声をあげた。

ラギルの弟2人が、奴の足を突き、背中を切り裂いたのだ。


その隙に、キョウラがグラームの腹を貫いた。

そしてキョウラは剣を抜いた…かと思いきや、突然右に手を伸ばした。

光の柱がケイズに落とされ、ケイズは血を吐いて力尽きた。

どうやら、まだ息があったようだ。




「お…おの…れ…」

辛うじて息があるグラーム。

その首をラギルが掴み、キョウラが首筋に剣を向ける。

「言いなさい!勇人アモールの像を、どこにやったのですか!」


「そ…そこの…箱に…ある…」

俺は奴が指さす箱を見つけ、駆け寄る。

それは古びた木の箱だった―開けると、中に小さな石の像が入っていた。

魔法で縮めていたのか。


「あったぞ。これだよな?」

ラギル達に見せると、

「ああ、間違いないな」

と言ってくれた。


「で、お前達はこれをなんで盗み出した?」


「勇者の…邪魔を…するためだ…」


「勇者、だと?」


「そうだ…いずれ…防人の中から、勇者が…現れる…。だから…そいつの動きを…封じて…」

なぜそんな事がわかるのだろうか。

もしかしたら、予言か何かを受けたのか?

ならば、詳しく聞き出すに越した事はない。


ラギルもそう思ったようで、「どこでそんな事を知った?言え!」と問い詰めた。

「我らの主が、仰っていた…だから、我らは…あの…方の…命に…従って…」


「主…?」

キョウラは、一度俺とミロウ達2人以外の全員と顔を見渡した。

「その主は、どこにいるのです?」

すると、グラームは少しだけ余裕を持ったようで、

「お前も…知っているの…ではないか…?」

と、笑うように言った。


「私も…?」


「そうだ…はあ…我らの、頂点にして…偉大な…サンライトの…しは…」

ここで、グラームは事切れた。


「…サンライトの、支配者…?」

俺がそう言うと、キョウラがすぐに言った。

「そんなまさか…!サンライトの統治者は、大司祭サディ様…種族としても、立場としても最上位の修道士の方です。祈祷師に何かを吹き込むなんて、あり得ません!」


「いや、わからんぞ。もしかしたら…ということもあるからな」

ラギルの言葉を聞いて、キョウラは信じられないという顔をした。

「とにかく、真相を確かめる方法は一つだ。実際にサンライトへ行ってみればいい」


「そうだな。まあ大丈夫だとは思うけど…」


「司祭なら、祈祷師の言う事なんか真に受けたりしないだろ。そもそも、こいつが言ってたのが本当にサンライトの統治者なのか、わかんないしね。だからさ、キョウラ。軽く考えて行こうよ」


「ええ…」

キョウラの表情は晴れなかった。


「サンライト…って、今俺達がいる国だよな?」


「ああ…だが、ここから町までは少しばかり遠い。一度戻り、仲間と共に行こう」


「だな。…けど、その前に像を返さなきゃだ」

手に持った像を見ながら言うと、ミロウが口を開いた。

「返すって、まさかミフィデルの町にか?」


「そりゃあな」


「マジかよ…あんな遠くまで行くのか?今から行ったら10日はかかるぜ?」

ミロウは嫌そうな顔をしたが、イルクが諭した。

「あのな、ミロウ。この像はこの国を作ったっていうお偉いさんの像で、不思議なパワーがあるって言われてるんだぜ?返さなきゃ、それこそバチがあたるぜ」


「…そっか、そいつは困るな。よしゃ、姜芽さんよ、早いとこ像を返しに行こうぜ」


「あ、ああ…」


とりあえずは、ゼスルの町まで戻ろう。





面白い、続きが読みたい、などと思って下さった方は、星の評価やブックマーク登録をして頂けると作者のモチベーションも上がって更新頻度を維持しやすくなりますので、ぜひよろしくお願いします。

またコメントやいいねもお待ちしています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ