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ガチムチスマイル

5分もしない内に30人程のエルフが集まった。

ただこのエルフ達ガチムチかヒョロいのしか居ない。


程よい体型のエルフが居ない。


なんか俺が想像してたエルフとは程遠いんだが……

それでも全員がイケメン揃いだった。


「……なぁガチムチ……」


「誰がガチムチだ!私はローエンという名前がちゃんとある!」


ガチムチBはローエンと言うらしい。

心の中ではガチムチと呼ぼう。


「……なぁローエン。エルフって半分くらい脳筋なのか?」


「のうきん?なんだそれは」


「えっと、筋肉馬鹿なのか?ってことだ」


「そんなに褒めるな……照れるだろ」


褒めてねぇよ!


わかってしまった。こいつら筋肉に興味あるか、極端に興味の無いやつしか居ないんだ……

俺の理想を返して欲しい……


「まぁいい。貴様、名前は」


(つなし)だ。神谷十(かみや つなし)


「ツナシ?変わった名前だな」


まぁそうだろうな。世界が違うのだから名前の系統が違うのは当たり前だ。


「我ら25人とツナシ合わせて26人でシーラ様をお助けする」


30人も居なかったわ。


「我らは死ぬつもりで行く。誰か一人でもいいからシーラ様を先に逃げたもの達に届ける。ツナシお前も死ぬかもしれないぞ?」


「あぁわかってる。大丈夫だ」


「よしわかった。今頃、殿(しんがり)として残ってる仲間は全滅してる頃だろう。なので3人ほどで1度奴らに奇襲をかける。その隙にシーラ様の元に残りのもの達で駆けつけるのだ」


なるほど。奇襲をかけるやつは確実に死ぬのか……


「お前ら死ぬのが怖くないのか?」


「ん?当たり前だろ?耳長種エルフは死んでも精霊の元に還り生まれ変わる。だが如何なる理由があろうとも他種族と交わったものは精霊の元にには還れない」


てことは1種の不死身ってことか。

だからすぐに死ぬ作戦を立てれるのか。


「だから人間種(ヒューマン)であるツナシは死ぬな。なるべく護ってはやるが限度がある」


「助かる。お前ら生まれ変わるとはいえ死ぬなよ」


「ふっ……当たり前だ。生まれ変わったらこの筋肉が失われてしまう。それは惜しいからな」


ほんとにこいつらエルフなのか?ドワーフの間違いじゃねーのか?


馬鹿な会話をしつつ俺は爆発しそうな心臓を鎮めようとしてた



──────・──────・──────・



3人が先行した後俺たちはガチムチチームとヒョロヒョロチームに分かれて森を進んでいた。


俺はガチムチチームに付いてきてる。


甲冑達の一時拠点の場所は大方見当はついてるようだった。


こいつらガチムチで脳筋のくせして森での動きに精通しすぎだろ。

腐ってもエルフか。


「ハァハァ……ローエン……済まない、少しペースを落としてくれ、速すぎる……」


「む?そうか人間種(ヒューマン)にはキツいか、わかった」


「おい、今速度を落としたらアブザン達に先越されるぜ?」


俺がローエンに頼むと、ローエンの隣を進んでいたガチムチCが異議を唱えてきた。



「そう言うなマルク人間種ヒューマンにはこの森は少々キツい。それにシーラ様を助けられるなら戦力は少しでも多い方がいい」


「なら、先に俺たちが先行してあとからこの変態がシーラ様を連れていけばいいだろ」


「ちょっと待て!誰が変態だって!?」


初めて会った奴に変態扱いされるなんて耐え難い。

撤回してもらわなければ。


「シーラ様に小便かけたやつが変態じゃないならなんだってんだ!?あぁ?」


「あ」


忘れてた。いや、忘れてた訳じゃないが、俺もかけたくてかけた訳じゃない。


「そんだけ元気なら大丈夫そうだな先を急ごう」


ガチムチCに────マルクと言ったか────に言いくるめられて俺は渋々着いていく。


それから3分ほど進んだところでローエンが制止してきた。


「止まれ、そろそろ奴らの一時拠点に着く。各位戦闘準備をしておけ」


静かにローエンが指示を出す。

全員で静かに頷く。


やっと着いたか。

シーラもう少しだ待っててくれ。


全員で静かに森を進んでいくと少し先に明かりが見えた。

草陰から除くと白い陣幕が6つ程等間隔で並んでいた。


その周りには40人ほど甲冑を来た奴らが周回している。


「敵の人数は55人か……我らの倍は居るな……だが奇襲ならなんとかなる」


55人でした。

さっきは多く見積もったから今度は少なくしたら全然違った。


もう俺数えない!


「アブザン達も着いているみたいだ。向こうと合わせて仕掛けるぞ」


静かに機会を待つ


「我らには自慢の筋肉がある必ず成し遂げるぞ!精霊と筋肉の加護あれ!」


「「「精霊と筋肉の加護あれ!」」」


こいつら本当に筋肉馬鹿だな


俺たちは奇襲をかけようと地面を蹴る



──────ヒュンッヒュンッ──────



しかし俺たちが行こうとした瞬間


「ぐぁ!」


「がぁ!」


「あがぁ!」


な、なんだ!周りのガチムチ達が次々に矢が生えていく。


「クソ!バレていた!仕方ない突撃しろ!倒れた同胞は見捨てろ!」


ローエンの切羽詰まった声が響く。無事なガチムチ達はローエンに続いて地を駆ける。

甲冑達も負けじとこちらに迫ってくる。


すぐさま戦闘が始まった。


ヒョロヒョロチームも離れたところで戦闘を始めていた。向こうは魔法を主体として戦っている。


クソ!俺も行かなくては!


そう思いすぐに走ろうとするが、ローエンが俺に向かって叫んできた。


「ツナシ!真ん中奥の陣幕にシーラ様の気配を感じる!我らが道を開く!行ってくれ!」


「あぁ!わかった!」


ローエンの示した陣幕に駆け出す。

ガチムチ達が必死に甲冑達を押し込め陣幕への道を開いてくれた。


恩に着る!

これが終わったら質のいいプロテインをご馳走しよう。


…………この世界にプロテインなんてねぇや。

ササミにしとこう。


ローエン達の後ろを全力で駆ける。だが甲冑達も簡単には通してくれない。

俺に向かって弓矢が放たれた。


必死に軌道を読みながら躱していく。だがやはり走りながらと矢の量が多いので躱しきれなくなってきた。


そのうち2本の矢が避けれない軌道で俺目掛けて飛んできた。

世界がスローモーションになる。


やばい、これは当たると首に当たる……!だが避けれない!

どうする!これじゃあシーラを救えない…!それはダメだ。まだ恩を返せてない。


さらに矢が迫ってくる。


ちきしょう!


目をキツく瞑り(つむり)衝撃に備える。


「ぐぅ!」


矢が…………刺さらなかった?

目を開けると目の前にマルクが立っていた。


「ガフッ……」


マルクの首と腹に弓矢が刺さっていた。


「マルク!なんで!?」


おばえは(お前は)……うま゛れがわれない゛(生まれ変われない)だろぅ?」


俺にガチムチスマイルを送ってくる。

生まれ変われるからって死ぬのが怖くないわけないだろ。


ジーラざま(シーラ様)を………………だのむ(たのむ)!」


「任せろ!」


身を呈して護ってくれたマルクに感謝をしながら俺はシーラが居るであろう陣幕へ突撃した。

基本的には毎日更新していこうと思います。


ただ何話更新するかは決めてません。書き溜めはしてないので書けた分だけ投稿します。



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