第16話
久しぶりに感じる授業。平和な学校生活がこんなに心地よいとは思わなかった。蒼助も戻ってきたし、詳しく話を聞こう。
「よっ! 蒼助!」
「久しぶりだな潤。色々話したいことがある」
放課後、科学研究部に集まった。俺達が戦ってるなんて誰も信じないだろうが、他の人に聞かれるのは良くないよな。
「で、イージスではあの後どうなったんだ?」
「まず、中和剤の効かない新型の超獣を調べたが、そもそも奴らは最初から死んでいた」
「死んでいた!?」
新型の超獣は生物の遺体を繋ぎ合わせて作られた存在らしい。なぜ動いているのかは調べても解らなかったと。
「あの研究所の実験体の生き残りで、山に来た人間を襲い巣である研究所で食らっていたんだろうな」
「遺体を動かす、まるでゾンビみたいだな」
「そういった類いの生物兵器を作っているのかもな」
あんな気味の悪いモンスターが大量生産されていると考えたら寒気がする。
「スーツの方はどうなんだ?」
「お前の戦闘データに合わせて順調に進んでる。機材の質は良いし、双子や霧雨のおかげでな」
「それはありがたいな」
順調とは言っていたが、蒼助はどこか悲しそうな表情をしていた。
「戦う力を得ても、激化するだけだ。武器なんか無いほうがいい」
確かに歴史を辿れば人間ってのはそういう生き物だ。相手より強い武器を作り続け、争いは終わらない。けど......
「俺が絶対、終わらせてやるから大丈夫だ」
ただのうわべだけの言葉。けど、コイツとなら出来る気がした。
「頼んだぜ潤」
「おう」
拳と拳と合わせる。
「やっぱりここに居た。男同士の熱い友情中に失礼なんだけど、文化祭の役決め今日するって言ったよね」
学級委員の高松さんだ。文化祭のこと完全にわすれてたな。
「桐谷さんは家の用事で学校に来れない日があるって聞いてるから仕方ないとして、白鋼さんは特に無いよね?」
高松さんの目が怖い。怒らせちゃいけないタイプの人だ。
「今すぐクラスに行きます! 蒼助急ぐぞ!」
「ハイハイ」
「素直でよろしい!」
急いで戻るとクラスメイトは全員席に座っていた。苦笑いで誤魔化しながら席に着く。
「えー皆さん、知ってると思うけど私達の出し物は、『不良少女の私がお姫様の裏人格になって二重人格で異世界満喫!?』です」
タイトル長いな! 本当にこれをやるのか? 主役をやりたいやつなんかいるのか?
超獣相手よりきついぜ......




