第11話
「おーい、潤君!」
装甲車から、蒼助と大門寺さんが降りてきた。後ろには日本人離れした筋肉隆々で体躯の良い男性も一緒に居る。
「二人から聞いているよ、君が白鋼君だね。初めまして。私は光上。イージスの隊長だ」
近くで見ると身長は俺と同じ位、百八十cm位だろうか。特殊部隊のような戦闘服を来ており、年齢は四十代位に見える。右頬には歴戦の傷跡が十字に刻まれていた。
「こちらこそよろしくお願いします。イージスとは一体?」
そういえば、装甲車にもイージスと書いてあったな。挨拶を交わしていると他の装甲車からガスマスクを着けた他の隊員も降りてきた。銃を持ち辺りを警戒しながら、瓦礫だらけの街へ捜索に向かっている。
「ああ、すまない。説明する」
光上隊長の話を聞くとイージスは超獣事件を追う部隊。政府公認の部隊ではなく、協力者達の支援を受け活動している。日本では十年前以上から事件は起きており、徐々に表社会へ侵食を始めているとのこと。今回、北区への被害連絡を受け超獣の討伐、被害者の救助を目的として駆けつけた。
「単刀直入に言う。先ほどの戦いを見て、君達に協力を頼みたい」
蒼助の返事には迷いがなかった。
「俺は協力する。光上さんは親父の知り合いらしい」
蒼助の父親さんは海外に赴任している。数年間連絡できていないらしく何より親父さんが残したパワードスーツについて知りたいことがあるだろう。
「じゃあ、俺も協力するぜ。パワードスーツは俺じゃないとな」
「助かる、潤」
「二人が協力するなら私も!」
「皆、感謝する」
「音無はどうする?」
人間態になっている音無が眼鏡のブリッジを指で押し上げた。
「僕は他にやることがあるから。みんなとは一緒には行けない」
「人助けをする超獣の情報は昔聞いたことがあったが。君が噂の......昆虫の戦士か」
少し驚いた表情で音無を見る光上隊長。特に警戒する様子もなく、理解のある人なのだろうか。
「はい。皆さんと一緒に行動したいですが、新しい目的ができました」
光上隊長は顎に手を当て悩んでいる。
「君と一緒なら大きな戦力増強になると考えたが。ふむ、仕方ないな。あくまでも君は表向きは民間人だ。強要はできない」
「すみません、ありがとうございます」
「寂しくなるね」
名残惜しそうに大門寺が呟く。
「ありがとう。君たちとはまた会う日が来ると思う。死なないでくれよ」
「大丈夫なのかよ。エデンナイツにまた狙われねーのか」
「なんとかするよ。僕と一緒だと、君達も動き難いだろ。」
音無には音無の考えがあるのだろう。あの戦闘力なら大丈夫なはずだ。
「ミス研のみんなにもよろしく言っといてほしい」
「ああ。絶対また会おう」
握手をし、音無はその場を後にした。俺達は装甲車に乗りイージスの本部へ向かった。




