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蒼鋼のブレイバー  作者: Sangomiya
第3章 Fierce fight
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第X話 Expiation

「始め!」


 部活動終了間際まで練習を続けていた。竹刀と竹刀がぶつかり合う。気を抜けば一瞬で取られてしまう。相手に押されず、集中する。互いに牽制が続くなか、相手が踏み込み先に仕掛けてきた。その刹那、面の打突を捌き胴を取った。


「勝負あり!」


「白鋼やるな!」


「ありがとうございます」


 初めての剣道部の練習試合にて勝利を納めた。中学時代は柔道部に所属していたが、色々な技を身に付けたいと思い高校生になり剣道部へ入部した。元々スポーツは好きであり、武術にも興味があった。けど武術を習うことには他にも理由がある。


 遡ること十年前ほどになる。


 とある仲の良い友人と家族とでバーベキューのため、買い物に行くこととなりスーパーへ買い物に行ったときのこと。


「2人ともはしゃがないの!」


「あっち見に行こうぜ」


「ちょっと待ってよ」


 毎年恒例行事のように近所のスーパーへ行きその後公園でバーベキューをする。貴重な機会であり、小さい頃の楽しみだった。二人で店を回っていると、浮浪者のような人物がふらふらと歩いていた。子供ながら珍しい光景だったのかまじまじと見ていた。その人物は買い物客の女性に付きまとうように歩いており、友人もそれに気づいた。


「なんか変じゃないか?」


 注意したほうが良いくらい不審であり、手を伸ばし触ろうとしていた。


「おい、止めろ!」


友人が声を出し止めた。状況が分からず驚く女性。


「えっ! 何!?」


 逆恨みの様に浮浪者は友人に向かって走っていき、友人を突き飛ばした。俺は怖くてその場を動けなかった。誰かが連絡してくれたようで、すぐに警備員に取り押さえられた。薬物乱用によって錯乱していたと後で聞かされた。


 友人は打ち所が悪く頭部にダメージを受け、目を覚ますに時間がかかった。大掛かりな手術を行ったようで目立つ後遺症はないと聞いた。けど、それ以降友人はどこか別人になったような雰囲気だった。話し掛けても反応が薄く、何かを悟った様な感じであり、周りから距離を置かれていた。それでも俺は何度も話しかけ、徐々に心を開き始めた。


 そして10年が経ち。


「よっ! 部活に入ることにしたのか?」


「まぁな、色々と都合が良くてな」


 都合が良い。俺は敢えて詮索はしなかった。部活には興味がなかった友人が何かを仕切りに科学研究部に途中入部した。何か大切なことをしているとなんとなくわかった。あの事件から友人は変わった。どんなに頑張ったとしても変えることができない事故だったかも知れない。けど、ずっと悔いてきた。なにもできなかったことを。


 別にスポーツや武術を習うことが好きなわけじゃない。誰かを守りたいから。

そのために力が欲しかった。

もしあの時、俺に力があれば勇気があればお前は大怪我をせずに済んだかも知れない。


 練習試合が終わり日も暮れ、部活動が終了する時間となった。友人を帰りに誘おうと科学研究部に向かう途中、体育館から悲鳴が聞こえた。急いで駆けつけると怪物を前に友人が腕に着いた機械を使い鎧に身を包んだ。しかし、怪物の攻撃にて友人は吹き飛ばされ元の姿に戻った。横たわる友人から機械を受け取り装着する。


「頼む!」


 友人の願いを聞き、謎の怪物と対峙しているも不思議と恐怖心はなかった。


 友のために戦うこと。これが俺ができる贖罪だから。

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