第10話
「お前ら、何をした......」
「薬を打ち込んだ。お前は人間に戻る」
「なん.....だと......」
身体からは湯気が出てきており、一部生身の肉体が見え始めている。
「もう終わりだ」
「ゆっくり僕たちとお話しをさせてもらうよ」
二人で近くと上空から光の弾が降り注いだ。
「クッ!」
「なんだ!」
「やはり来たか、一号。横にいる機械の鎧、お前が強きニンゲンか」
女性の声。白を基調とした鎧、氷の騎士を連想させるような姿をした存在が現れた。一号とは音無のことか?
「一号、我らと共に来い」
彼女が発言すると音無は戦闘態勢をとり警戒している。
「この惨状を引き起こしたのは君か!」
氷の騎士は凍りつような生気のない口調で喋る。
「探すのが手間でな。劣等種を巻き込みたくはなかったのだが」
「僕を探しに来たんだろうけど、あなたたち側に付くことはないよ」
「ならば仕方ない」
氷の騎士は槍を出現させると地面に突き刺した。
「なんだッ!」
「まずいね」
槍からは地吹雪が発生し一瞬にして周りを凍結させ、岩鎧の男は氷のドームに包まれた。
「助かったぜェ、マジシャン」
こいつがマジシャン。エデンナイツなのか? 気が付くと足が凍りつき動かなくなっていた。音無の足も同じく凍りついている。動けない状況下で、氷の騎士は槍を空中に浮かせ、刃を向けた。
「機械の鎧、お前は目障りだ」
死を覚悟したその時だった。蒼助の声がヘルメットを通して聞こえた。
「悪い、遅れた!」
首を後ろに向けると、機関銃を撃ちながら装甲車が向かっている。装甲車にはイージスと組織のロゴが装飾されていた。
「フン」
氷の騎士は浮かせた槍を掴み回転させ、機関銃の弾を弾いた。
「劣等種どもが」
再度、地面に槍を突こうするマジシャンだが追撃が仕掛けられた。装甲車から飛び出たそれは純白の装甲を纏っており、右手には赤熱化した刃の長剣、左の前腕には小型の盾が装備されている。
「白いブレイブスーツ!?」
マジシャンに奇襲し接近戦を仕掛ける。赤熱化した刃は赤い残像を残し、空間を切り裂いているようだ。マジシャンも槍にて反撃し白銀の粒子が舞った。そして俺はあの電子音を聞いて驚愕した。
「安全装置ヲ解除シマス」
槍の攻撃を長剣で捌き小盾をマジシャンの腹部へ当てた。小盾には小さな銃身が隠れておりそこから杭の様なものが射出され、腹部を貫いた。そして声が聞こえた。
「ダミーですね」
腹部を突き刺さされたマジシャンは氷のように砕けちり、岩鎧の男と共に消えていた。長剣を鞘にしまい、マスクを開いた。
「二人とも初めまして。僕はユーリ=叢雲と言います。よろしくお願いします」
マスクの下は金髪で碧眼の男性。歳は同じくらいのように感じた。容姿と名前的にハーフだろうか。
「って、大丈夫ですか!?」
「お、おう」
安心感から腰が抜け、地面へと尻餅を着く。俺は緊張と安堵が混ざり合い声が出ないくらい疲弊していた。




