第8話
驚く大門寺さん。昆虫人間が学校におり、人の言葉を話しているものなら誰だって驚く。一連の流れを彼女に説明し、音無は人間態に戻った。
「えっ! 今までのこと見られてたってこと!?」
「そういうことになるね。君たちを知ったのは、バスケ部のあの子が事件に巻き込まれたときくらいかな」
「そのくらいから監視させてもらっていた」
バスケ部か。俺らと超獣の最初の戦い。嫌な事件を思い出す。
「結構最近だな。今までなんで俺たちを助けなかった」
怒りを抑えるように蒼助は発言した。
「君たちが味方がどうか判断したかった。すまない」
顔色を変えずに頭を下げる音無。一つ間違えれば超獣である彼自身も命の危機に晒される状況で生きている。彼の判断も少し理解できる。
「音無君、顔を上げて欲しい。謝罪なんかされる義理はないから」
「そーだな。で話の続きを教えて欲しい」
「ありがとう。で、エデンナイツって言うのはね。グリムドーワの...」
大門寺さんが握りしめていたスマートフォンが鳴った。彼女は画面に眼を向け大声をだした。
「これ見てよ!!」
スマートフォンの画面にはライブ映像が映っており、超獣が街中で人を襲っていた。急いでデバイスを右前腕に装着し席を立つ。
「なんだよこれ! 早く行かないと!」
「待て、今場所を特定する。」
蒼助はそう言いパソコンを使い探査システムを起動させていた。
「僕も行くよ。狙いは僕かもしれない。被害が広がるなら行かないと」
「音無君大丈夫なの?」
「最悪の場合はどうなるか分からない。けど、君たちとなら。それに今までも戦ってきたから」
蒼助はパソコンの操作が終了し、眉をひそめた。
「北区の主要地区か。ちょっとまじーな」
北区は橋一本で繋がっている陸の孤島。主にショッピングエリアと高級住宅街で構成されている。人口密度が高く、超獣が暴れたら多くの被害が出る。俺達の住む場所からなら車で数十分くらいで着くだろう。
「急ごう!」
科学研究部のドアに手を当て外に出る。
「潤、デバイスから専用のバイクを出せるようにアップデートしてある。先に行け!」
「ありがとう!」
学校を出て人影の少ない所で、パワードスーツを纏う。デバイスの画面に追加されたバイクのアイコンを指で押すとパワードスーツと同じく、バイクのホログラムが出現し実体化した。合体機能もあるらしいが。
「こりゃ、すごいな」
改めて感心する。
「よし!」
バイクに跨がりアクセルグリップを握り、北区へ向かった。




