第7話
視点は白鋼潤に戻ります
「白鷺蓮の悪事を止めたのは君達だろ?」
蒼助が所属する科学研究部にて情報をまとめていると一人の男がやってきた。眼鏡を掛け、栗色で癖がかった髪。突然の訪問者はミステリー研究部の音無零治。彼もこのモンスター事件を追っているらしい。
「悪事? 何のことだ?」
音無を睨む蒼助。
「シラをきっても無駄だよ。ほら、この写真」
差し出した写真は、パワードスーツを纏う瞬間と白鷺会長との戦いを撮った写真だった。
「マジかよ。何が目的だ?」
「怖い顔をしないでくれよ。僕たちは協力できる」
そう言って音無は自らを昆虫人間とも形容すべき姿に変身した。緑色の肉体、頭部の長い触覚、四肢にある爪は虫そのものだ。
「おいおい、いきなり過ぎんだろ」
「あなたは一体?」
敵か味方かわからない以上、反射的にデバイスを構える。
「戦うつもりはないよ。僕だけが秘密を知っているのはフェアじゃないからね」
殺気を感じない。本当に戦うつもりはないらしい。
「お前は白鷺と同じか? 薬もないに何故変身できる?」
蒼助は無表情だが額に汗をたらしている。
「質問が多いね。まぁ当たり前か。僕と同盟を結んでくれるなら僕が知っている情報を全て話すよ」
かなりのリスクだが、もし音無の発言が本当なら情報という大きなリターンが手に入る。俺は汗ばむ手を握りしめ答えた。
「蒼助、俺は音無と交渉する価値はあると思う」
自分がモンスターであることを晒すことはリスクでしかない。戦闘になる可能性がある。それを承知で行ったということはそれ相応の覚悟があるということだ。
「そうだな。俺達は情報が欲しい」
「音無君。君の目的は?」
「単刀直入に言う。僕を守って欲しい」
意外な返答に俺達は目を丸くする。
「ごめん、ごめん、いちから説明するね」
「まず君たちが言うモンスターは超獣と言ってね...」
音無の説明によると、俺達が戦ってきたモンスターは超獣と呼ばれる実験体。音無もその一人であり施設から脱出し追われているらしい。バックには有名な製薬会社グリムドーワが関わっているらしいが。
「信じる信じないかは君達に任せるよ」
「全部は信じきれねぇな」
「だよね、他に聞きたいことは?」
そういえば白鷺が最後に気になることを言っていたな。
「白鷺が言っていたエデンナイツって何のことかな?」
「それはね...」
話に集中して気がつかなかった。
「えーっと、どういう状況?」
大門寺さんが扉を開けていた。




