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あの戦いの後、俺たちはパワードスーツを着た潤に抱えられすぐに現場から脱出していた。
その後警察が到着。倒れていた生徒達を保護し命に別状はなかったが精神的に強いダメージを受けており、まともな事情聴取ができる状況ではないとのこと。上木華は行方不明となり、捜索願いが出された。学校は臨時休校となり、体育館は完全に閉鎖されている。
大門寺に呼び出され、カフェ夕暮にて。
「2人とも大丈夫なの?」
「俺は全然大丈夫だが、蒼助怪我は大丈夫か?」
深刻な表情で心配してくるニ人。あの戦いで吹っ飛ばされたりしたがパワードスーツの防御機能のおかげか目立った怪我は無かった。
「俺なら大丈夫だ、まだちょっと痛いけどな」
「2人とも病院に行ったほうがいいんじゃ......」
「病院に行っても説明しようがないだろ、モンスターに襲われました、何て言うのか?」
「それは......」
大門寺が心配するのは理解できる。しかし病院に行っても警察に相談しようが変に怪しまれるだけだ。
「とりあえず、3人とも無事みたいだし良かったんじゃないか」
「ニ人がそう言うなら」
「けど蒼助、さすがにあれの説明はしてくれ」
巻き込んでしまった以上はニ人には知る権利がある。あまりしたくはないが。苦いコーヒーを口にし説明をした。
「俺が何かを研究してるのは知っているだろ、それの行き着いた結果があれだ」
真剣な表情で聴くニ人に父親が残したデータ、手紙の件を説明をした。古くからの付き合いでも不気味がられると思っていたが意外な返事が返ってきた。
「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」
「やっぱり1人で背負ってたか」
予想外だった。幼いころ俺は事故に巻き込まれ脳の手術をして以来、脳の一部が異常に発達していた。その影響で同年代の人間と感覚が合わず馴染めないことが多かった。そんな俺とニ人は一緒に居てくれた、この関係が壊れてしまうと思ったから。
「いつもそうだな、お前は頭がいい。そんなに俺達が頼りないか?」
「そう言うわけじゃねぇよ」
「だったら、蒼助お前の代わりに俺が戦う、みんなを守る道具はお前が作れ」
別にこんな話をしに来たわけじゃない、けど少し報われた気がした。
「蒼助くん、うれしそうだね。わたしも手伝うよ!」
この時、どんな表情をしてたかは自分でも分からない。ニ人の言葉に対しうれしくないは嘘になる。ありがとう、なんてらしくない言葉がでそうになった。
「ハッ! そこまで言ったなら最後まで付き合えよ!」
ニ人はニコニコしながら頷いた。
「じゃあ、わたしからもいい? あのスーツ見た目ダサいからわたしがデザインするね」
「は?」
意味がわからない、困惑しながらも今度は間髪挟まず潤からも一言。
「蒼助、あの時頼ってくれてうれしかった」
「お、おう」
いつものカフェで飲むブレンドコーヒーはなんだか甘い気がした。




