EPA-2 アヴィリア・アコード〈Aviria Accord〉
アヴィリア・アコード(以下AA)は大析出前に構築されていた事実上の世界政府であるエルティア国家連合体(以下エルティア)と人工島群〈エリュシオン〉並びに軌道エレベータ〈ユグドラシル〉建造時の協力体制を元とし、黎明歴十三年、北方皇国の侵攻によって勃発した統一戦争を期に発足した相互防衛条約である。
大析出直後、エルティアは連合内のリソースを活用して早期の復興を狙ったが、リーダー国であるウルティア連皇国連邦(ウ皇連)で勃発した内戦による解体・消滅、エルティア内の待遇の違いや、民族的・歴史的な問題による対立が浮き彫りとなったことで足並みの乱れが顕著となり、結果的にエルティアは消滅することになった。
しかし、その直後にウ皇連から分離した北方皇国が周辺国に対して宣戦を布告。不可製結晶体を用いた新兵器並びに、世界初の人型機動兵器VAFを活用した侵攻を開始。
ウ皇連由来の高度な科学力と結晶技術を振るい、次々と侵攻していく北方皇国に対抗するため、旧エルティア加盟国たちはこれまでの対立を(一時的ながら)水に流し、新たにアヴィリア・アコードを設立するに至った。
AA設立後も北方皇国が本格的に投入したVAFとそれに最適化された戦術・戦略により大打撃を被るも、エリュシオンの技術支援によりVAFの量産と対抗手段を確立。奪われていた領土の3分の2を奪回、休戦に持ち込むことに成功した。
エリュシオンの技術支援を受けたものの、北方皇国との技術レベルの差を埋めるには至っておらず、また統一戦争のダメージも癒えていないこともあり、民間軍事企業に戦力の代行を委託しているのが現状である。
また、設立の経緯からわかる通り、AA加盟国の足並みは揃っているとはとても言えない状況であり、統一戦争におけるエリュシオンの技術提供に伴うナショナリズムの高潮がその状況に拍車をかけている。
なお今現在、エリュシオンと友好関係にあるが、北方皇国と並ぶ高度な技術力と、エネルギーの根幹を担う事による発言力の高さなどもあり、エリュシオンに対する警戒心は決して小さくはなく、情勢によってはエリュシオンを占領するのではないかと噂されている。