表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

社畜は生まれ変わったぐらいじゃ変わらない

うん。ひどいなこれ。

生活水準同じってブラック環境が同じってだけじゃないかぁぁぁぁぁ。


8歳になり記憶がつながったところで絶望した。


大人たちは毎日魔物対策と食料の確保で働き続けその日暮らし。

魔法がもまともに使える人は大きな街に連れて行かれて

ここでは手持ちの武器でひたすら殴るスタイルだけに

戦闘で生き残る人数はとても少ない。


10歳になると魔物との戦闘に参加することになり

戦えなくなった男は最下級国民に落ちる。

そんな状況だからこの村では子供に名前がない。


両親は一端の戦士だったがこんな生活なので母は鬼籍。

この世界ではよくあることだが先が全く見えなくて辛い。

スローどころかスーパークイックで人生終了に向かってるよ。


すぐにでも生きるために戦える力と可能なら魔法を覚えたい。

武器を使っての戦闘は父や周りに習おうとしても魔法ってどうすんだろ?


一人で考えてみたり厨二みたいなことをしたけど全然だめっぽい。

そんな簡単に身についたらもっとマシな世の中だよねそりゃ。

というわけで村で唯一少しだけ魔法が使えるノーレン婆さんのところで

教えを乞うことにした。


ノーレン婆さんは既に戦えない男だけど若いときに一生懸命働いて

多額の納税をしたことで最下級国民には落ちなかったらしい。

とはいえ食べていくためには稼がなくちゃいけないのは同じなので

若い男たちの後方支援をして生活をつないでいる。


ちょっと偏屈だけど村の状況は憂いていて

望む人には自分の知識を惜しみなく共有してくれるのだけど

この村で魔法の才能が開花する人間は少ないみたい。


「ノーレンさん、こんにちわ」

なるべく好印象になるようににこやかに声をかけた


「あぁ、グレイスのとこの子かぃ。親父さんの調子はどうだい?」


なんの約束もなく訪問しても優しく扱ってくれる。いい人だなぁと思いつつ

「いつもとおんなじ。朝から夜までずっと働いてるよ。」

と返す。


「そうかぃそうかぃ。元気そうで何よりだよ。なにか頼まれごとかぃ?」


「いえ、僕に魔法を教えてほしくて」

そう聞いたノーレンさんは一瞬だけ厳しい表情になって


「そうかぃ。もし才能がなくっても腐ることなく

頑張って生きると約束してくれるなら教えてあげるよ」


と言われたので秒で「頑張る!」と返した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ