42話 ドラゴン討伐依頼
ギルド受付で、手続きを済ましクエストが書かれてる、木簡がぶら下がってる掲示板に向かった。
冒険者は盲目率が高く、基本はギルド受付で現在有るクエストの概要を聞き冒険者の要望に近いクエストをギルド職員に読んで貰い決める。
サンドライトは字が読めるのでそのまま木簡をぶら下げてる掲示板に向かった。
「君達、クエストを探してるのか?」
「はい、A級ランク以上のクエストが有るなら是非受けたいと思って」
サンドライトが答えると、サガンギルド長ゲイルが話を続けた。
「君達SSS級冒険者に是非受けてもらいたいクエストがあるんだが聞いて貰えるかな」
「此処から馬車で北東に進んで4日位の場所にザイード鉱山が有るのだが、その鉱山にアースドラゴンが住み着き鉱山が操業出来なくなり困っている」
「サガン国は銀、銅、金が取れるザイード鉱山が有り、この鉱山の銀の産出量はグルバリア連邦王国内1位で国の財政の要だ」
「3ヶ月前からアースドラゴンが住み着き、2度討伐隊が向かったが失敗に終わってる」
「2度目は衛兵とA級、B級冒険者の混合編成で、1000人規模でのアースドラゴンを鉱山から追い出しての討伐も全く駄目だった」
「現在3度目の討伐を計画しており、ギルド本部、他のギルド支部にも応援依頼を出している所だ」
「まだ討伐日時は決まってないが、サガン国からは急いで欲しいと催促されていて、1〜2ヶ月以内には討伐が行われると思うから、君達にも是非参加して欲しい」
ゲイルは現状を説明してサンドライトへ討伐参加を願い出た。
ゲイルの話を聞いていたサンドライトは仲間達と軽く話した。
「主、アースドラゴンはでかいだけで知性も知能も無い、光るものが大好きなだけのトカゲであるぞ」
「主殿、アースドラゴンなんてうち1人でも簡単に倒せるなの」
ブラーセルとキュウレリーの会話に、セシリアとランゼムがぽかんとした表情をして聞いていた。
「ギルド長、お急ぎのようなので、今からザイード鉱山に向かいますね」
「詳しい地理が分からないので何方か道案内を頼める方を紹介してください」
ゲイルは驚いていた。
先程の討伐失敗の話を聞いていたはずなのに、5人で直ぐに討伐に向かうと言い出したからだ。
伊達にSSS級冒険者ギルドカードを所持してるわけではないな。
だが、現実問題5人で本当にアースドラゴンを討伐可能なのか?
アースドラゴンを討伐したという話を数度聞いたことが有るが、どれも1000〜2000人規模での話だ。
しかし、先程の気の持ち主ならあるいは・・・
あの慎重なギルド本部が認めた史上初めてのSSS級認定冒険者なら・・・。
「話が聞こえたが、俺達 A級パーティー、ホワイトローズに道案内させて貰えないかい」
「前回の討伐には俺達も参加したが、悔しいが奴には全然刃が立たなかった」
「俺はこのギルドで一番強いと思っていたが、先程のアレク君の気は俺の自信を砕く位凄かった」
「1000人以上での討伐でも無理だったアースドラゴンを、5人のパーティーで挑むアレク君の戦いを、いやSSS級冒険者の実力をこの目で拝見させて欲しい」
サンドライトがゲイルと話していると、A級冒険者ラルフが名乗りを上げた。
2時間程、遠征準備をしてから、サンドライト達の馬車に、ホワイトローズのメンバーを乗せザイード鉱山に向かうことになった。
「俺がホワイトローズのリーダー、ラルフ、こっちに居るのが、グレン、そしてシルフィーだ、よろしく頼む」
ラルフ 29歳 身長184cm 男性 A級冒険者の風格と雰囲気を持ってる美丈夫だ。剣の腕前はサガンで1番と言われてる。
グレン 28歳 身長168cm 男性 A級冒険者 全体的に華奢に見えるが 弓の腕前は目に見張るものが有る。
シルフィー 26歳 身長164cm 女性 A級冒険者 ぽっちゃりしていて綺麗な女性 上級魔法士火と氷属性を持っていて、両方共ギガを使える。
サンドライト達は早速ギルドでアースドラゴン討伐手続きをした。
ギルドを後にして数百メートル進んだ時、物陰から先ほどギルドで絡んできたガルボと仲間3人がサンドライト達の前を塞いだ。
「さっきはギルド内で喧嘩ご法度だったが、もう容赦しねーぜ」
「・・・・・・zzzzZZZ」
ガルボ達が、サンドライトをおそうと動いた瞬間、サンドライトが向かって来た4人にスリープを唱えた。
4人はいきなり眠り、サンドライト達が、道の端に4人を寄せて街に向かった。
「流石SSS級冒険者はC級相手でも戦わずして一瞬で勝利するんだな、ははははは」
ラルフ達は腹を抱えて一瞬で寝かされたガルボ達の姿を見て笑っていた。
遠征準備のため。街に向かい、鉱山から戻って来るまで日数が有るので、今はランゼムの服を借りているブラーセルと、サンドライトの服を借りてるキュウレリーの服を購入することにした。服屋で各3着程オーダーメイドで作成依頼して前金を支払い、直ぐに着れる服も必要だったので古着屋で数着購入した。
服が出来るまで、5日ほど掛かるということだった。
その後、サンドライトは馬車の中で故郷リーゼのエイレーネの元に転移して、オリーブオイル20樽とパーム油1樽を渡し、エイレーネから石鹸10個を受け取りサガンに戻った。
転移のことは、ホワイトローズのメンバーには秘密だった。
食料を買い込み準備は整い、サンドライト達を乗せた馬車がザイード鉱山に向かった。