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3話 突然のカミングアウト


パパとママはこんな田舎の街に不釣り合いな品、教養、知識が有り、たまに商人、衛兵、騎士団、ギルド、町長等に頼まれ、読み書き、計算などの手伝いもしている。


僕も3歳頃から、この大陸で使われてる文字、他の大陸の文字も、パパもママも何故か知っていて教えてくれた。


昔は羊の皮を使った羊皮紙が使われていたけど、今は犢皮紙(とくひし)(子羊、子山羊、子牛他、様々な動物の皮で作られた紙)の方が高品質で人気があるらしいけど、値段も高価なので、板に墨で書いて文字を教えてもらった。パパが大工なので殆どただで入手できるけど、手が墨で黒くなるのと、文字を書くたび、板を削って文字を消さないといけないのが欠点だ。


僕は日本語と英語しか話せないが、この世界では普通に話せている。

産まれたときからパパママの会話を理解できた。

しかも、鳥や兎などの言葉も理解出来ている。


家にはこの世界では貴重な本が何冊か有り小さい頃は何度もこの本を読んだ。

何度も同じ本をむさぼるように読んでいたので、両親が町長やギルド等に仕事を頼まれた時、お願いして僕のために本を借りてきてくれた。


僕はこの世界の常識、政治、生活、文化、宗教状況が知りたかったので、ジャンルは無関係に読み漁った。

元々知識欲、読書が大好きだったせいもあるけど。


・・・


ある日僕は見てしまった。

パパが指先から炎を出して暖炉に火をつけていたのを。

パパが手のひらから水を出して桶に貯めたり、畑に水やりをしてるのを。


ママが畑の土を手を広げて天地替えしてる様子を。

ママが強風で家がミシミシ言ってた時、手を広げたら音がやんだのを目撃した。


・・・

これ魔法じゃないの?

あれ?パパもママも魔法が使えるのに、何故貴族にならないの?

僕はこの疑問を両親に話した。


「あら、バレたのね。ママもパパも魔法を使えるのよ」

あっけらかんにママは答えてくれた。


「ははは!家にいるときは人目につかなければ魔法は便利だからちょくちょく使っていたからな」

パパもあっけらかんにカミングアウトした。


そして二人で声をそろえて

「パパママが魔法が使える事を家族以外に話したらだめだぞ(だめよ)


「なんでパパもママも貴族じゃないのに魔法が使えるの?」

「今は言えないが、サンドライトが成人した時、すべて教えるよ」

と僕の素朴な質問にパパが答えた。


その会話の後はもう、パパもママも僕に隠さなくていいと魔法を家の中や人の気配がないときは庭や畑、、狩りでも魔法を使いまくっていた。


今までなんでばれなかったのかママに聞いたら、

【索偵】で生物の気配を調べてから、魔法を使用していたと話してくれた。

パパは火水属性で ママは土風の自然属性を持っていて、パパはメガ空間収納というスキルも持っていると教えてくれた。


色々カミングアウトされて頭の中がパニックになったが、小さいときから、パパが狩りに行ってもいつも手ぶらで帰ってきたのに、なぜか家の外の解体小屋の中にはいつの間にか獣の遺体があったのが不思議だった疑問が解決した。




僕が6歳になると、パパもママも僕に魔法の才能があるか調べてくれた。


パパもママもボー然としたままだった。


詳しくは教えてくれなかったが、僕も魔法の才能が有ったらしい。

「ビバ!ファンタジー!」


魔法は基本、へそのあたりに魔力をためて発動するらしい。

発動するときは魔法をイメージして、魔法名を唱える。

場合によってはごく少数だけど、魔眼と言って目に魔力をためて発動できる魔法使いもいたらしい。


「サンドライト!試しに炎をイメージして【ファィヤー】を唱えてみてごらん」


僕は初めて【ファイヤー】を唱えたら、家の裏山が燃えた・・・

【エアー】を唱え風の壁を作り延焼を止めて、

慌てて【ウォーター】を唱えたら、山が大洪水で大変なことになった。

【エアー】のおかげで洪水は風の壁に閉じ込められたけど・・・

森に棲んでた獣たちごめんなさい。

慌てて【クレイ】を唱え山を再生した。

補助魔法の【クイック】で植物の育成スピードを上げてとりあえず元の裏山に戻した。

火傷や怪我をした獣の事を考えて裏山に【ヒール】を山全体に降り注ぐ雨をイメージして唱えた。


その後は見事にパパとママの大説教大会が開始された。

「ごめんなさい」

2時間位説教は続いた。

でも、パパもママも僕を心配して怒ってるのが分かったので、それが嬉しくて思わず顔がほころんでいたみたいだ。

「サンドライト!」

・・・説教大会が1時間延長戦に突入しました。



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