2話 ここはファンタジーの世界だった
よろしくお願いします。
頭の中に声が響いて『転生して人生を後悔無きように生きよ』と言われてから月日は流れた。
転生してすぐは意味が解らず、頭の中が混乱していたが、パパとママに貧しいながらも沢山の愛情を注いでもらい心は幸せだった。
本当に、パパママの子供に生まれて良かったと思う出来事が沢山あった。
パパはアレクサンドロスという名前で、今年で30歳になり髪は濃紫色、瞳は琥珀色、美丈夫で身長が180㎝以上あった。
仕事は、狩りと薬草摘み、大工をして一家の生計を守ってくれていた。
ママはエイレーネという名前で現在27歳で髪は銀色、瞳は緑色、きつめの美人で身長が170㎝以上ある。
仕事は、畑と薬草摘み、裁縫をして家計を守っている。
僕の名前がアレクサンドライト。もうすぐ12歳だ。
髪は濃紫で、まるでメッシュが入ってる様に前髪の一部が銀色、瞳は玉虫色。
パパの琥珀色の瞳にママの瞳の緑色が混ざった色だ。
両親の特徴がこれでもかと遺伝してる。
・・・ある一部を除いて・・・
両親が美丈夫ときつめの美人なので、僕の見た目は前世より遥かに良いけど、身長は相変わらず低かった(涙)
前世では痩せ型で身長は160㎝なかった。
現在はまだ子供だが身長は140㎝位(涙) 同じ年位の子たちは150㎝以上ある(涙)
街の人、行商人、騎士、貴族達の髪の色は、金髪、茶色、黒色のどれかで瞳はブラウンかブルー系だ。
僕たち家族の髪の色、瞳の色はこの地域では見た事の無い色だそうだ。
この世界は僕の生前のイメージだと中世のヨーロッパに近い感じだ。
地球の自転と同じらしく1日が24時間でこの街では広場の真ん中に水時計が有り、1時間ごとに鐘で時を教えてくれる。
朝5時から鐘がなり、19時を知らせて鐘は鳴りやむ。
1年は365日で、4年に一度うるう年があったのは驚いた。
この世界には今のところ5つの大陸が発見されてあるらしい。
この世界が凄いのは、ドラゴン、魔獣、魔物、獣人が居て、魔法も使えるんだ。
僕は魔獣以外はまだ見たことが無い。
転生して状況が分かった時は凄い驚いたけど、元々、胴が長い白いダックスフンド形のドラゴンが出てくる、ネバーエンディン〇ストーリーやロードオブ〇リングとか好きだったためワクワクが止まらなかった。
しかし魔法を使える人は珍しく貴重だそうだ。
主に魔法を使えるのは貴族が多い。
もともと貴族の初代は戦争などで武勲を上げたものが多く当然凄い魔力量があったりとんでもない上級魔法を使えるものも多かったからだ。
当然その血を濃く引き継ぐ子孫に能力が遺伝されやすい。
ただその貴族も、現在では上級魔法を使えるものが本当に少なく、生活魔法と言われる初級レベルの魔法しか使えないものが多いらしい。
ママの話だと、魔法はそれぞれランクがあり、例えば治癒魔法だと、ヒール、ハイヒール、メガヒール、ギガヒール、テラヒール、ペタヒール、エクサヒール、ゼタヒールとなっているけど、ペタは身体の欠損、エクサは全ての病気、ゼタは死んでさえいなければ全てを治癒できるレベルで伝説やおとぎ話のレベルらしい。
現在では基本魔法、ハイ、メガ、ギガ、テラの順になっていて、ギガ、テラの上級レベルを使えると直ぐに貴族取り立ての話になるレベルらしい。
そのため、僕が住んでる街には魔法が使える人が貴族以外殆どいない。
街の教会には治癒魔法を使える聖者様がいるらしいが平民は治療して欲しくても、寄付金が高く平民が払える額でないため、薬草などの需要が沢山ある。
お陰で、パパママは薬草摘みの仕事があって、人のためになってお金にもなるから助かっていると言っていた。
もちろん、平民でもまれに豊富な魔力量、上級魔法を使えるものもいる。
が大抵の場合は、最終的に貴族称号が与えられ、他の貴族の子孫と結婚し魔法の使える子が生まれやすい状況になってるらしい。
結果、貴族と平民の格差は酷い事になってると、ママは悲しげな表情で話してくれたのが印象に残ってる。
僕は初めてその話を聞いた時は、奈落の底に落とされた気持ちになった。転生して魔法が使えないなんて!と。