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ドキドキ!!女王さまとの謁見タイム!!

遅くなりました。すみません!!

「シンイ・モクレンよ。久しいな。」


 私の前には焔のように真っ赤な髪を長くのばし、黄色い瞳を鋭く光らせ玉座に座るのは、シラユリになんとなく似た美しい女性・・・・・この国の王女様だ。


「は、はいっ!!お、お久しゅにゅ・・・・・・。お久しゅうごさいます・・・・。」

「ブフォッwwww」


 ミオソティス、うるさいっ!!!噛んじゃったのは仕方がないでしょ!!


「ミオソティスも相変わらずか。」

「はい!!」


 ミオソティスが嬉しそうに首を縦に振る。もしかして、ミオソティスって年上好き・・・・!?


「そうか。それで・・・そこの・・・白い髪の者は誰だ?」

「えっと・・・・・その人は私のお守り役をやってくれているスノウさまです。」

「お初目にかかります。どうか、スノウとお呼びください。」

「ふむ・・・・・。」


 王女さまはこちらを・・・・・というよりスノウさまをじっと見つめている。


「なにか?」

「お前・・・・・・・。いや、なんでもない。すまないが、しばしの間シンイと私で二人きりにして貰えないだろうか。」


 えっ!?なにそれ!?怒られるのっ!?やだよ!!怖い!!置いていかないで!!


「は~い!!!」

「えっ!?いやっ!!」

「なんだ?私と二人きりが嫌か?」

「滅相もございません!!!!」


 私の二人っきりにしないでオーラを完璧に無視して、警護の者たちはおろか、ミオソティスやシラユリも部屋から出て行く。いや!!ちょっと!!待ってよ!あ、スノウさまは気づいてくれるよね!?


「クククッ・・・・・それでは。」


 え、あ・・・・・。あれ、絶対気づいてたよね・・・・?わざと置いていったよね・・・・?


「シンイ。」


 酷いよっ!!スノウさま!!あとで着物のなかにカエル入れてやるっ!!カエル触れないから玩具になるけど。潰しちゃったら可哀想だし玩具がいいよね!!


「シンイ。」


 えっ、あっ、シンイって私の名前か。


「はっ、はい!!!なんでしょうか!!!」

「ふふっ、そう強張るな・・・。お前と私の仲だろう。」

「で、でも、ユリとモクレンじゃ力が・・・・・・。」

「そんなことはどうでもいい。王と王。母を亡くした者、友を亡くした者。置いてかれた者として語りあおうではないか。」


 ・・・・・・・・。


「ハクレン・・・・あの者は私の良き競争相手であるとともに良き友であった・・・・。」


 ・・・・・・・・。


「シンイ、私には子がないが、そなたの事は真の娘のように思っている。どうか、一人で抱え込まず、私に・・・・・いや、他の者でもいい、相談してくれ。私は必ずそなたの助けになると誓おう。」


 ・・・・・この王女さま・・・・・カサブランカさまはママに似すぎている・・・・。カサブランカさまに会うたび私はママを思い出す。


「シンイ・・・・・。」


 カサブランカさまが遠慮がちにこちらへ腕を広げる。


「うぅ・・・うわぁああああああん!!!!!!」


 もうダメだった。私は大泣きしながら、カサブランカさまの胸に飛び込んでいった。ママが死んでしまってから、こちらに来たとしてもシラユリに会うだけでカサブランカさまにはめっきり会わなくなってしまっていたけど、それでも、小さい頃からの感情とは案外消えないものみたいだ。


「シンイ、シンイ・・・・・・辛かったな。大丈夫。これからは私がそなたの母の代わりとなろう。」

「ひっぐ、ひっぐ、カサブランカざばぁ・・・・!!!」

「いつでも私の胸をかそう。そして存分に泣き、悲しみを少しでも忘れるのだ。泣けば・・・きっと・・・きっと・・・・。」

「づらくて、づらくて、ちょっとしたことでママを思い出じでば絶望して、誰かがママの名前をだすたびに・・・ひっく・・・。」

「そうか・・・そうか・・・。よく頑張ったな・・・。」

「ママと比較されで傷ついで・・・・・。わたじだっでお仕事苦手だげどちゃんと頑張ってる・・・・。」

「そうかそうか・・・。」


 その後も十分間ほど言いたいことを言って、泣きたいだけ泣いて、カサブランカさまに頭を撫でられていたら、少しずつだが落ち着いてきた。そして恥ずかしくなってきた。


「・・・ううっ、ぐず、えっと、膝からおろじて下ざい・・・・・・。」

「ああ。わかった。」


 案外すんなりと膝からおろしてくれた。


「ああっ!!ドレスが・・・!!」


 カサブランカさまの着ていた綺麗なドレスの胸元が私の涙と鼻水でぐちゃぐちゃに・・・!!!


「ん・・・・?ああ、別に良い。こういうデザインだということにしておこう。」


 そんな適当でいいの!?


「ところで・・・・・。」


 はい?


「シンイ、我が国の者と結婚する気はないか?」


 え!?いや、私の年齢じゃ早い・・・・あ、もう十六歳だから結婚できるのか!!


「え、えっと、なんで・・・・?」

「それは、シンイが明るい思い出を作っていけるように・・・・と言いたいところだが、この国がモクレンを支援するのに正式な理由が必要なのだ。このまま正式な理由もないまま、支援し続けるのは難しい。これまでは理不尽な戦争に敗北し、王を亡くしたばかりの同盟国への支援と言えたが、ハクレンを亡くしてから四年だ。もう立ち直ったのではないか?との声も少なくないのだ。」


 ・・・・・・・・。


「だ、誰と・・・・?」

「私は、今この国で勢力の強い貴族であり、今シンイと同い年ぐらいのミスルトゥ・ヤドリギ、フィアーノ・ルレザン、ロゼ・ロードン、が良いのではないかと思った。」


 うわぁ・・・・。私の苦手な人が揃いも揃ってる・・・・。


「だが、ここでそなたの婚約者になりたいと名乗りあげる者が出た。さて、誰だと思う?」


 ニヤリ、と笑いながらカサブランカさまがこちらを見つめる。え、誰?フレップちゃんとかだと嬉しいんだけど。あ、フレップちゃん貴族じゃないわ。


「えっと・・・・ディアポロ・・・?」


 ここは少し遠慮して、色々中途半端な幼馴染の名前を挙げてみる。


「違うな。名乗りを挙げた人物、それは・・・・・


 それは!?


「わ・た・し♪」


 一瞬カサブランカさまが言ったのかと滅茶苦茶ビビったが、声は違う方から聞こえて来た。


「そう、この私、シラユリ・ユリがシンイの婚約者さま(仮)だよ!!」


 え!?


「ど、どういうこと!?」

「いやー、今回さ、シンイの婚約者を決めるっていう話だからユリが是非、シンイの特別になりたいなー、と。」


 そんな簡単に決めたの!?


「シラユリは次のユリの王さまでしょ!?」

「ああ、それについては問題ないよ。クロユリにやらせるし。」


 いや、クロユリが王さまはまずいって!!あれだよ!?


「なに?シンイはユリが婚約者じゃなんか不満?」

「そ、そんなことはないけどさぁ・・・・・。」


 ギロッと睨み付けられる。ううっ・・・・。


「で、でもさ、モクレンの王はどうすれば・・・・・?」


 私とシラユリが結婚しても女の子同士だから子供できないよ!!そうしたら次の王様消えるよ!!


「当たり前でしょ。魔法でどうにかする。」


 あ、そういえば同性結婚の人たちがそうしてたね!!じゃないよ!!


「まぁ、考えるだけでもしておいてくれ。だが、猶予はあまりないぞ。」


 はい・・・・・・。


「ぶー!!!」


 シラユリがなんか不満そうだけどスルーが一番だよね!!


「さ、この話は終わりにして。次は舞踏会だ。シンイもぜひ参加していけ。」


 あ、舞踏会か!!華やかな催しは苦手だけど・・・・・・ま、せっかくだし参加しよ!!というか参加しろって言われてたから参加しなきゃダメだし。


 

あっれぇ~!?おかしいなぁー!!スノウさまが一切出てこない!!

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