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ドキドキ!!お守り役さまとの恐怖の出会い!!

なんか超展開ですが許してください。こんなもんか、と何もなかったかのように読み進めて下さい。『オーマイガッデム!!乙女ゲームのライバル役に転生したけど、同室の奴(攻略対象者)が嫌すぎる件』次話投稿いたしました。

「もういやだよぉおおおおおおおお!!私、家出するうぅううううううう!!!!!! 」


 齢十四になった今日の昼、私はそんな言葉を叫びながら城を出た。


 だ、だってさぁ、私、誕生日なんだよ?それなのにさ、みんな・・・民衆・・・?の前に引っ張りだされるんだよ?耐えられないって・・・・。誕生日ぐらいダラダラのんびりゲームさせてよ・・・・・。


「ああっ!!女王さまっ!!おい、だれか!!女王様をひっ捕らえろ!!」

「怖いよおおおお!!!」


 なに!?ひっ捕らえるって!?その誰かが居ないことを願うよ!!


「女王さまはなんで逃げ足だけが速いんだ!!普段は鈍間な癖に!!」


 酷いよっ!!


「あれ?いないっ!!」


 かなり遠くから兵士の声が聞こえた。


 あれ・・・?もしかして撒けた?


「やったー!!!」


 晴れて自由の身だ!!どうしよう?これからどこに行こう?ああ・・・・ゲーム友達のフレップちゃんとかに会いに行きたい・・・・・。遠いから無理だけど・・・・・。


 そうだ京t・・・・じゃなくて、森に行こう!!あそこだったら隠れるところがいっぱいあるし!!


 

 * * * *



「うわぁああああああん!!!!迷子だぁー!!!!」


 最悪だ・・・・・。地図持ってくれば良かった・・・・・・・。


「ぐず、ぐず、ぐすん・・・・・・・・。」


 動かないのが一番だよね・・・・。私、今までの経験でわかってる・・・・。


「どれくらい待ったら迎えがくるかなぁ・・・・。」


 来ないかも・・・・・。いや、でも、さすがに私、女王だし・・・・・。


「寒い・・・・・。」


 なんか暗くなってきたような・・・・・。それに思いなしか霧がかかってきてるような・・・・。


「逃げたい・・・・・・。」


 霧、あっという間に濃くなった・・・・・。あれ・・・・?あそこに人がいるような・・・?


 カサッカサッ


 草を踏む音だ・・・・。人か・・・・?獣だったり・・・・?


「シャアーッ」


 蛇だーーーーーーー!!!逃げよう!!逃げよう!!怖い!!とにかく人(仮)に向かって走ろう!!


「うわああああああ!!!!!」


 取り敢えず叫びながら走る。


 どんっ


 なにかにぶつかった。


「いたっ。」

 

 どすん、と地面にしりもちをついた。ぶつかったものは・・・・・


「人・・・・?」


 人だ・・・・。あ、人だったら謝らなきゃ!!相手の人はしりもちつかなかったみたいだけど。


「す、すみません!!大丈夫!?怪我・・・・えっ・・・・?」


 こ、これは・・・・・・


「大怪我だよ!!大丈夫!?」


 なんとその人の黒いローブには、目立たないながらも大量の血がついていた。


「シャァーッ」

「ひえっ!!」


 なんで!?いきなり目の前に蛇が出て来た!!


「ククッ。貴方はどう死にたいですか?毒でじっくり?それとも私のこの鎌で?どちらでもご随意に。」


 そう言って黒いローブの人は大きな鎌を突き付けて来た。こ、こわい・・・・。蛇と大鎌が同時に目の前に出てくるなんてめったにないよ・・・・・。


「し、死なないという選択肢は・・・・?」

「ククッ、面白いことをおっしゃる。この状況下でよくもまぁ。」


 デスヨネー・・・・・。


「で、でも、やっぱ死にたくないよ!!」

「ほう・・・・?生を諦めたくない・・・・と?」

「断じて諦めたくないです!!」

「それでは私の方から死に方を決めて差し上げましょう。」


 どうしてそうなるの!?


「ま、まってよ!!君、血だらけだよ!!怪我してるよね!!私、絆創膏持ってるからあげるよ!!」


 作戦!!話をそらす!!


「ご安心を。これらは全て、私の血ではないので。」


 じゃあ誰の血なの!?あ、もしかして私みたいな人たちの血!?そうか!!そうですか!!


「で、で、でもさ!!君も怪我してるかも!!その手とか!!」


 なんか血がダラダラでてますよ!!


「ああ、本当だ。でも絆創膏とやらは必要ありませんよ。傷はすぐに治ります。私は悪魔なので。」


 そうだったの!?洋服とかからして死神だと思ってた!!


「え?悪魔ってすぐに怪我がなおるの?便利だね。」

「ククッ。さぁ、無駄なお喋りはここまでにして。それでは、さようなら。」


 悪魔(自称)さんは鎌を振り上げた、がこちらには振り降ろさずに固まった。


「ど、どうしたの?」

「気が変わりました。毒でどうぞ。貴方が悶え苦しみじっくりと死んでいく姿が見たいです。」


 ひ、ヒエッ!!どうせだったらスッキリサッパリ殺して欲しかった!!


「ま、まって!!最後に記念で君の顔に絆創膏貼ってあげる!!」


 意味が良く自分でも分からないけど、生きてる時間伸ばしたい!!


「結構でs

「届かないからしゃがんでよ!!」


 必殺技!!言葉をぶったぎる!!ちなみに私は身長143cmぐらいなんだけど、悪魔(自称)さんは190cm以上あると思う。いいな!!あともう少しで死んじゃうから意味ないかもだけど!!どうせだったらイケメンに生まれたかった!!


「・・・・・・・・・・。」


 物凄く不快そうな顔をしつつもしゃがんでくれた。


 フードをとって悪魔(自称)さんの顔を見てみると、物凄く綺麗な顔立ちをしていた。綺麗だがどこか妖しい雰囲気を醸し出す、白く長い髪に金色の目。肌は病的に白い。何故か顔の四分の一・・・・左目のあたりを仮面で覆っているけど。あ、左目は紅色みたいだ。


 あれ・・・・?なんだかこの人・・・・ママに似てるなぁ・・・・・。それに・・・・・


「ねぇ・・・・・もしかして君、寂しいの・・・・?」


 なんだかそんな気がする。


「・・・・・可笑しなことをおっしゃいますね?殺しますよ?」


 ひ、ひえー!!って、絆創膏はらなきゃ!!もういいや、適当に頬っぺたのところにはっちゃおう!!


「もういいですね。それでは、存分に絶望してください!!フフフッハハハッ!!!!」


 ひ、ひえー!!怖いよ!!!逃げよう!!というかなんでこれまで逃げようとしなかったんだろ!?


 とりあえず、どこかに向かって走り始める。が、すぐに捕まった。蛇に。


「おやおや、逃げ出すだなんて。フフッ、ああ、楽しい!!!」


 なにが!?


「それでは今度こそ本当に、さようなら。ああ、でも毒なのですぐに死ぬことはありませんよ。じっくり、じっくり、痛みに悶えながら死んでください!!」


 もう、嫌だよ・・・。そうだ・・・能力・・・だめだ、あの能力はポンコツ・・・。でも、いいや・・・何もしないよりはマシだよね・・・。


「『応援』」


 ・・・・・・・・・・。


「「「シンイ、がんばーれ!!!シンイ、がんばーれ!!本気を出せよ!!シンイ!!がんばーれ!!シンイ!!シンイ!!シンイ!!がんばーれ!!!シn

「・・・・・!?」


 悪魔(自称)さん、ビックリしちゃってるよ・・・・。いや、それが目的だったんだけどさぁ・・・。ちなみに、もうわかってると思うけど私の能力は『応援』属性『音』・・・・詳しい能力の内容は・・・うん、今の通りなんだけど・・・・私への応援がエンドレスにどこからともなく流れてくるというもの・・・・。しかも応援してくれるのは私に限る・・・・本当にポンコツ能力だよね・・・・・!!


「ん・・・!?この妙な応援の声は・・・・女王さま!!・・・・・おい、こっちのほうだ!!」


 あれ・・・・?幻聴かな・・・・?城の人たちの声がする・・・・・?


「「「シンイ!!ファーイト!!ガンバレ!!シンイ!!シンイ!!本気を出せよ!!本気をd


 応援のせいで色々聞こえない・・・・。悪魔(自称)さんも硬直しちゃってるし・・・・。


「・・・・・クククッ!!!愉快な能力をお持ちなようで。ですが、これをこの窮地に流したところでこの状況がどうにかなるとでも?」


 なりませんよね!!知ってます!!だってこの能力役に立ったことないもん!!


「女王さま・・・・探しましたよ!!・・・・・?貴方、何者です?女王さまに何をしようと・・・!?」


 !?


「マリリン!?」


 悪魔(自称)さんと私の前に唐突に登場したのは、私専属の騎士であり幼馴染の、マリリン・チューリップ・ユリだった。白い髪の先っぽだけが赤の長髪とエメラルド色の目が綺麗な美人さんだよ。


「おやおや。貴方、女王さまでしたか。それにしては威厳がないようで。」

「黙りなさい。そして降伏しなさい。すぐに私の仲間がやってきます。」

「シャーッシュルルルルッ」


 蛇だぁ!!私の目の前にいた蛇はそのままに、他の蛇がマリリンに向かって鎌首をもたげた。が、マリリンがすぐに能力で焼き払った。スゴい!!


「ンフフフッ、お強いようで。それに、大勢の人間に囲まれるのは好きではありません。それではごきげんy

「待って!!」


 思わず呼び止めてしまった。悪魔(自称)さんとマリリンの視線が突き刺さる。うっ、痛い!!


「ね、ねぇ、君。わ、私の城に住み込みで働かない?」

「「はっ?」」


 悪魔(自称)さんとマリリンの目が「ハッ?頭イッっちゃっての?コイツ?」と言っている。


「だ、だって君・・・・寂しそうだったし・・・・・。」


 それに・・・・ママになんとなくだけど似てるから・・・・・。今はもう会えない、ママに・・・・・。


「・・・・・フフフッハハハッフハハハハッ!!!!また可笑しなことをおっしゃる!!私が寂しそうだと!?」

「・・・・・寂しそうという理由だけで、貴方を殺そうとした罪人を城に雇おうとしないでください。この方には罰が必要です。」

「で、でもさ、嫌だよ!!私のせいで人が裁かれるなんて!!私、何にもされてないし!!」

「・・・・・・愚かなことを言うのはおやめください。」

「そもそも殺されそうになってないよ!!多分!!目の前に蛇と鎌を出されただけ!!」

「・・・・・・それを殺されそうになったというのです。」


 だよね!!でもさ・・・・でもさ・・・・本当に寂しそうなんだよ・・・・。それにママに似てるし、この人が処刑されたりだとかして罪の意識感じるのも嫌だし・・・。


「ホ、ホラ!!遊んでもらってただけだよ!!あの人の頬っぺたの絆創膏が見えるでしょ!!」

「確かに、あれはあなたの物ですが・・・・・・。」

「でしょ!!」

「とにかく!!被害届はなしにするとしても、この罪人を雇うことは許しません!!」


 ・・・・・・・・。


「・・・・・わかっt

「別に良いのではなくって?」


 ・・・・・・・・!!


「カリーノ!!」

「はぁ・・・・。マリリンは少々煩すぎるのですわ。ねぇ?シンイさま?それに貴方だってもともとはシンイさまを殺しにきた暗殺者だったのではなくって?それでお間抜けにもシンイさまの騎士に捕まり、裁判にかけられそうになったところをシンイさまに助けられて、貴方は今ここに居るのではなくって?」

「う・・・・ううっ・・・・・。」


 この思わぬ救世主の名前はカリーノ・ガーベラ・キク。こちらも私の専属騎士。豊かな金髪にピンクの目をもつ超・妖艶な美人さんなんだ。ちなみにカリーノのいったことは本当だよ。


「・・・・・だとしても、貴方が嫌でしょう。」


 マリリンが悪魔(自称)さんに向かって話しかける。


「クククッ、構いませんよ。」

「嘘だといってよ誰か・・・・・。」

「それじゃあ決まりですわね。さぁ、女王さまとそこのあなた、城に行きますわよ。」

「うん!!」

「まずは説教ですからね・・・・・・。」



 * * * * 



「え・・・・・?嘘だよね・・・・?」


 マリリンの無駄に長いお説教の後に待っていたのは、カリーノからの衝撃の報告だった。


「いや、私、殺されかけてたんだよね?あの人に。」

「それはご自身が否定されたのではなくって?」

「で、でもさ、いきなりお世話係っていうのはどうかと・・・・・。」

「違いますわ。お・守・り・や・く。だってあの方が望んだんですもの。シンイさまが何をやってもいい、と言ったのではありませんか。」

「で、でもさー・・・・。」


 確かに言ったけどさ・・・・・。


「何かご不満でしょうか?」

「ひっ、ひえっ!!」


 ま、まさかのご本人登場だァッ!!!


「ああ、すみません。今日から貴方のお守り役です、スノウダンス・ジェンシャンです。どうか、スノウかリンドウとお呼びください。元は神にお仕えしておりました。」

「は、はいっ!!!」

「ンフフフ、そんな怯えなくても良いのですよ、ねぇ?」

「ひっ、はい!!」


 ねぇ!?神に仕えてた、ってもとは天使だったけど、堕天したから今は悪魔(自称)で今日から私のお守り役ってこと!?訳がわからないよ!!


「ああ、スノウさまはかなりの身分の方だったそうですわよ。それでは私は退室いたしますわね。」

「え・・・・!?」


 私の救いを求める視線も声も気にせずカリーノは部屋から出て行った。


「ね、ねぇ、悪魔って本当・・・?」

「本当ですとも。ククッ、良ければ契約してさしあげますよ?」

「け、結構です。」


 ・・・・・・・・。


「ああ、言い忘れておりましたが私の能力は『土』の『蛇』ですので。蛇・・・・といっても蛇をただ操るだけでなく、毒を体のどこからでも発生させることもできますし、蛇に化けたり体の一部を蛇にすることも可能ですのでどうぞご活用ください。」


 すごい・・・・・・。さすが悪魔・・・・・。


「あれ・・・・?でも、それって本当に『土』属性・・・?」

「・・・・・・クククッ。貴方の能力は『応援』で合っていますね?」

「うん・・・・。全くもって使えないでしょ・・・・。自分以外の応援もできたらまだいいんだけど、私以外の応援もできないし、本当に恥ずかしいだけの能力・・・・・。あれ・・・・?」


 悪魔・・・・もとい、スノウさまの顔をチラッと見てみると、なぜか違和感を感じた。あ、わかった!!


「スノウさま、もともと左の目の色、紅だったよね?なんで今、黄色なの?」

「・・・・・・・私の瞳の色は変わるのですよ。」

「そうなんだ・・・・。へぇ、右目はどうして変わらな・・・って、あ!!絆創膏も外しちゃいなよ。」

「これは・・・・・いえ、そうですね。外してしまいましょう。」


 そういうとスノウさまは頬っぺたから私の付けた絆創膏を外した。


「スノウさまはなんでこの城にきてくれたの?」

「・・・・・私の名前にさまなどと付けなくてよいのですよ。貴方こそ、どうして私を城に雇おうなどと思ったのですか?」

「いや、なんというか、寂しそうだったから・・・・。」

「それだけではありませんね?」

「・・・・・・・・・ママに似てたから・・・・・。」

「そういえば、ここにきてから貴方のお母さまを見ていませんね。」

「死んじゃってるから、会ってたら逆に怖い・・・かな・・・・・?」

「そうなのですか。」

「うん・・・・・・・。」


 凄い人だったよ。強くてかっこよくて・・・・あんまり私の事は好きじゃなかったみたいだけども、でも、大好きだった。理想の女王さま。私とは大違い。


「自己紹介はここら辺にして、今日からよろしくお願いいたします。どうか私を愉しませてください・・・・・・!!クククッ、ハハハッ・・・・!!!」

「う、うん。よろしく。や、優しくしてくれると・・・・嬉しいな・・・・。」


 なんかこの人、時々発言がヤバいけど大丈夫かな?・・・・・優しい人だと・・・・いいなぁ・・・。なんか嫌な予感しかしないけど・・・・・。



ノリで読んでください。ノリで。

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