3話 如何やらとんでもないβテストになりそうです
説明回というやつですかね。違和感を感じる方もいらっしゃると思いますが大目に見ていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
説明会会場に入り見渡すと如何やらテスターは150人前後、男女比5:5といったところだろうか。
思っていたより女性の参加者が多いのに驚いた。
やはり、雰囲気的に学生が多いようで俺より年上の人は少なそうだ。
3週間も休みが取れないのだろう。大変だね社会人って。
「イップクさん、あそこが空いてます、行きましょう」
トウカに促されて席に座り開始を待つ。
「時間になりましたので説明会を開始します」
如何やら説明が始まるようだ。
説明を要約するとこんな感じだ。
大まかなゲームの概要は
・今回テストするVRMMOは中世ファンタジーらしい。(どうやら鍛冶が出来そうなのでトウカがほっとした顔をしているのが見えた)
・特に最終目的は決まっておらず、好きにプレイしていいようだ。
・プレイ時間は午前9:00~12:00と13:30~18:30の2回に分けて行うそうだ。
・ゲーム内の時間は現実の1時間当たり12時間になるそうだ。(テスト期間中は1日当たり4日分遊べるようだ)
システム的な話は
・テスト期間中はスキルの取得がしやすくなっているのでいろいろ試してほしい。
・AIのテストも兼ねている。(好意度が存在しぞんざいな扱いをするとプレイヤーに不利な状況が起きる)
・ゲーム内にも法律があり捕まると罰を受ける。(詳しくはゲーム内で自分で確認して欲しい)
・プレイヤー同士の強引な身体接触・勧誘、悪意のある暴言等ハラスメント行為は取り締まりの対象となる。(法律とは又別対応になるらしい)
・ゲーム内連続行動可能時間は24時間それ以上はステータスが低下する。(宿屋で6時間以上の睡眠またはログアウトして30分以上の休憩が必要)
・現実の体調不良がゲーム内に反映されバットステータスもしくはステータス低下。(睡眠不足等)
・レベルキャップ等状況を見て順次開放する予定。
テスト期間中のプレイヤーの生活環境について
・外部との連絡がどうしても必要な場合は職員に確認する必要がある。外出も同様。(携帯等は回収される)
・食事は朝食7:00~9:00昼食12:00~13:30夕食19:00~21:00
・ホテルの施設は自由に使うことが出来る。適度に運動して欲しいらしい。
・喫煙スペースはホテルの外のみ。
など説明を受けた。
最後に上記内容に対する同意書と情報について外部に漏らさない事についての同意書にサインを求められた。
これに違反すると、訴えられ尚且つ商品化した際の引換券が無効になるそうだ。
ケータイの回収と情報を漏らさないことについて一部不満が出ていたが『不満があるならテストの参加を辞めてもらって構わない』と強気の発言に黙り込んでいた。
やはりゲーマーとしてはこのテストは諦め切れないようだ。
俺とトウカは特に問題ないので同意書を読んだ後サックとサインを済ませた。
同意書を職員に確認してもらうと問題ないようで引き換えに番号札を渡された。
この番号札はテストに使う個室の番号になるらしい。
一通り説明も終わり同意書の回収が済むと次は簡単な健康診断と問診に移るようだ。
「じゃあ、次は食事の時かな?待ち合わせでもするか?」
軽い口調でトウカに確認すると
「そうですね。折角ですから夕食もご一緒しましょう。マタタビ君と遊んだベンチで待ち合わせと言う事でどうでしょう?」
「了解、じゃあそうゆう事で今はいったん解散で。また後で」
トウカと約束を交わした後、多目的ホールの中に移動するとパーテーションに区切られた個室があった。
自分の与えられた番号を探すと先ほど別れたトウカの隣の部屋のようだ。
お互いに目が合い苦笑い、何せさっき別れたばかりなのだから何となく気まずい空気が流れる。
「締まらないな」
「そうですね。でも、よくよく考えれば一緒に同意書を出したんですからこうなる可能性は高かったですね」
「確かに。では改めてまた後で」
そう言って自分に振り分けられた場所に移動すると中には酸素カプセルのようなものと医師が1人いた。
話してみる1人1人に担当の医師が付き健康状態のチェックを毎回行うらしい。
俺の担当は30代くらいの女性で安達さんという名前だそうです。
健康診断と軽い問診を済ませた。(足の麻痺はゲーム内では特に問題はないようだった)
すべて終わると最後に医師が小声でしゃべりかけてきた。
「ペットを連れてきている方に確認しているのですが、ペットにもVR技術が使えるので一緒に遊べますがどうします?」
「・・・・・・・・は?」
一瞬何を言われたが解らなかった。
私はMMOについて詳しくありません。想像と妄想で書いてみました。いかがでしたでしょうか。引き続きよろしくお願いします。
[H27.5.25 誤字修正]