1話 VRMMO?怪しすぎる
始めまして。たくわんと申します。読み専でしたが思い切って書いてみる事にしました。読みにくい所はあると思いますが、よろしくお願いいたします。
「お疲れ様でした」
バイト先の定食屋の店主にあいさつを交わし、俺、服織一也は借りているアパートに帰宅する。
本来であればそろそろ就職活動に向けて準備を始めるるべき時期なのだが、実家が道場をやっている俺にはあまり関係ない。
まあ、5年前の事故のせいで右足に麻痺が残る俺には師範として道場を継ぐことはできないのだが、家族に運動における栄養バランスの重要性を熱弁し専属栄養士として雇ってもらうのだ。脳筋チョロいね。
そんな取り留めないことを考えながらアパートに到着するとポストにチラシが入っていることに気づいた。
「神様ワークスオンライン(仮)?VRMMO?βテスター募集?なんだこれ、詐欺か?」
チラシの内容は余りにも胡散臭かった。だってVRMMOだぜ?
小説などの題材としてはよく聞く内容だが、実現には少なく見積もっても後20年以上はかかると言われているものだ。
βテストを行えるほど開発が進んいれば世のゲーマーたちは黙っていないだろう。それなのにニュースにもネットにもそんな話は出ていない。
もちろん改めて検索してみても開発が進んでいるなんて話は皆無だ。
しかも、なぜチラシ?普通ネットを使って募集をするものなのではないだろうか。
そんなことを考えながら同居人?である猫のマタタビをじゃれさせていた。
晩飯も食って一服して落ち着いたところでその手の話に詳しい友人に聞いてみよう。
「もしもし、イップクか?お前が連絡してくるなんて珍しいな」
イップクは、俺の苗字と名前から一字とって付けられたあだ名だ。
何かにつけ一服しているのも原因でもあるが・・・。
「ああすまん、ちょっと聞きたいんだがVRMMOってどう思う?」
「は?唐突過ぎて意味が解らんのだが」
「アパートのポストにVRMMOのβテスター募集のチラシが入っていてな」
「そうゆう事か。VR関係の開発でテストするほど進んでいるなんて聞いたことないけどな」
「やっぱりそうだよな。質の悪い悪戯だと思うか?」
「んー、ちょっと怪しいがやって見ればいいんじゃないか?」
「軽いな、他人事だと思って」
「実際、他人事だし。本物ならラッキー、悪戯なら笑い話のネタにすればいいんじゃね。期間とか条件はどうなってるんだ?」
「期間は8月15日から3週間、終了時には報酬として20万と商品化された際の引換券。期間中は〈〇〇ホテル〉に寝泊りするらしい」
「期間が長い気がするが破格の条件だな。お前どうせ夏休み就活しないでバイトしかしないんだからちょうど良いじゃん。応募してみろよ。そして、ぜひ感想を教えてくれ。おっと、彼女が来たからから切るな、感想待ってるわ」
「おい!チッリア充め言いたいことだけ言って切りやがった」
全く参考にならなったな。マタタビをじゃらしながら、まあ、ちょっとだけ応募してみてもいいかと思ってしまっている俺がいる。所詮、俺も脳筋一族だったとゆうことか。
「なー、マタタビ?どっちがいいと思う?応募するならお手、応募しないならオカワリ。どっちだ?」
「ニャ!」
「なるほど、お手か」
募集人数もわからないし当選するかもわからないが、応募するだけしてみるか。
数日後、βテスターに当選しましたと連絡があった。急いでバイト先の店主にお休みの相談をしたが、夏休みは学生相手の定食屋は比較的暇になるので休んでも構わないと了解を得ることが出来た。
また、マタタビだがホテルに連れて来ても構わないとのことだったので連れていくことにした。
8月15日夏休みに入り、βテストの会場である〈〇〇ホテル〉に向かう。
ホテルの受付に確認すると俺の部屋は302号室と言われ部屋に案内された。
どうも今回のテストでホテルを職員、医師、テスト参加者でまるまる1棟貸切になっているらしい。
ペットを連れてきている人には個室が用意されているらしい。太っ腹だね。
荷物を部屋に置きパンフレットを確認すると16時から説明会があるそうだ。
その後、問診と簡単な健康診断、懇親会を兼ねた食事会らしい。
「マタタビ、説明会まで時間があるから散歩するか。俺も一服したいし」
「ニャ!」
俺とマタタビは中庭に時間を潰しにでかけた。
書くのって大変ですね。作者の皆様のすごさがよく解りました。頑張って続けたいと思いますので引き続きよろしくお願いいたします。
[H27.5.25 誤字修正]