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俺のクラスメイトが全員一般人じゃなかった件  作者: 龍華ぷろじぇくと
第七話 勇者は嫌でも復活する
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レベルアップとクラスアップ

 会議室にやってきた龍華は、掴んでいた俺の首根っこを離す。

 どさりと落ちた俺は、なんとかよろよろと立ち上がる。

 朝から地獄を味わった気分だ。


 会議室にはすでに食事が用意されていた。

 といっても、また生肉ではあるのだが。

 焼いた肉が欲しいが、丁度いいくらいの火がないので、どうしようもなかった。

 カスティラのラ・ギで焼いて貰おうにも火が弱すぎるらしい。


 しかもスキルを唱えると対象に炎弾を打ち込んでしまうため、一瞬しか焼けない。

 これでは焼き肉には適さない。炎を手元に出し続ける魔法は別にあるそうだ。

 なんとも応用の効かない魔法使いである。


「さて、ここに集まったのは私と共に来る面々だ。菜七の方は彼女の部屋に集まるらしい。寝起きが悪いらしいので出発は私達の方が先になる。すぐにパーティー編成をしてくれ」


 集まっていたのは伊吹とイチゴ、そしてトルーア。全員なんとなく疲れた顔をしているのは、寝起きにアレがドアップで居たからだろう。

 ほんと、アレは歩く災害だと思う。メイド服着た化け物とか、止めてほしい。アレはない。


「ふむ? 全員元気がないな? まぁいい。道中の露払いは私がやる。さっさと行くぞ」


 と、パーティー編成を終えた龍華は一人平然とした様子で部屋から出る。

 しかし、続かない面々に再び引き返してきた。


「おい? なぜ来ない? 食事くらい歩きながらでもできよう?」


「いや、もう少し休ませてくれ。気力が持たない」


 俺の言葉に頷く面々。

 伊吹が緑茶を啜って一息。さらに深いため息を吐いて立ち上がる。


「準備OK」


「そうだな。そちらの男が来るまで少し待たせて貰ったし、私も用意は完了だ」


 伊吹の行動に触発されるようにトルーアが立ち上がる。

 すると、遅れたくないのかイチゴまでが立ち上がってしまう。

 せっかく少し休もうと提案したのに、もう行くのかよ。


「ああ、もう。行くよ。行きゃいいんだろ」


 俺も仕方なく立ち上がる。

 なるべく緑色のモノを視界に入れないようにしてあの光景を心のゴミ箱にスローインだ。




「真空波斬!」


 謁見の間を出た瞬間、巨大な双首の犬が襲い掛かってきた。

 当然、即座に反応した龍華が鎌で一閃。

 即座にレベルアップの音が鳴る。


「ひゃっ、何ですか今の!?」


 レベルアップくらいは経験済みのはずなのに、イチゴが素っ頓狂な声を上げていた。

 しかも、トルーアも同じらしく、やや戸惑った顔で俺と伊吹に視線を向けてくる。


「何かあったのか?」


 伊吹は対応する気はなさそうなので、俺が尋ねる事にした。

 龍華がアイテムを入手している間に、イチゴたちの驚いた理由を聞いておく。


「い、いつもはてってれーという音なのですが、今、ててててて……ててってれーと変な音になってて」


「そこまで連続してはいないが、私も同じ音だ」


 ああ、なるほど。すぐにわかった。

 本来ならラスボス級のダンジョンである魔王の城の魔物が相手なのだ。

 パーティー編成したせいで龍華が倒した経験値が入ったのだろう。

 俺たちもそれなりにレベルアップしてたけど、おそらくレベルというか、クラスが見習い魔法使いなのでレベルの上がり方が俺達より多かったようだ。


「折角だし、ステータス見てみろよ」


「ステータスですか? えっと、ステータス展開表示!」


 NAME:イチゴショートケーキ・フロンティア【♀】

 RACE:ヒューマン 【12】

 CLASS:見習い魔法使い 【Lv50】 MAX

 DEGREE:無謀な挑戦者 【Lv5】

 HP 1200/3500

 MP 820/3120

 TP 900/1860

 AT  260

 DF  109

 MA  440

 MD  366

 SPD 235

 LC  660

 特技:

     エナジーショット:5

     エナジーボルト:20

     エナジーバスター:55

     手加減:0

 魔法:

     シェ・ズ:10

     シェ・ズル:50

     ヒール:10

     ヒールオール:70

     ヒールラ:80

     キュアポイズン:50

     キュアパライズ:50

     キュアコンフュ:50

     キュアチャーム:50

     キュアブライン:50

     ムーブ:30

 PASSIVE:

     魔力系成長・小

     MP回復・微

     硬直短縮・微  

 情報:

     イシナキ村に住む少女。

     幼馴染に誘われ冒険に出る。

     師から魔法を教わり魔法使いを目指す。

     始まりの魔王城にて元魔王に戦いを挑み敗北した。


―― ※ 魔法が所持限界値を超えています。10個まで残す魔法を選択してください。選択せずにステータス画面を閉じると自動的に初期の魔法から消えます――

―― ※ クラスが限界値に達しました。現在選択可能なクラスは魔法使い・魔術師・魔道士です。クラスアップする場合は希望のクラスを指定してください――


 ステータスと一緒に変な説明文も現れた。


「え? え? なんですかこれ?」


「イチゴショートケーキ。上記のそれは魔法選択だ。十個以上の魔法を持てないのを知らなかったのか?」


 どうやらトルーアはこの状況を理解しているらしく、イチゴに説明しながら自分のステータスに手を伸ばして何かを操作している。


「えっと、じゃあ、ヒールを捨てれば……」


「馴れているものは置いておいた方がいいぞ。咄嗟の時はそちらが使いやすくなる」


「あ、そっか。えーっと、それじゃあ……」


 結果、イチゴはヒールラを捨てる事にしたらしい。一度はムーブという良く分からない魔法を捨てようとしたが、説明文を見た俺が即座に留めた。

 だって、便利な場所移動魔法だったから。

 場所をイメージすればここからイシナキ村に瞬間移動も可能かもしれないのだ。こんな便利な魔法を捨てさせるわけにはいかない。


 で、クラスについてだが、どうやら三種類とも違いがあるらしい。

 この世界で、【魔法使い】は、専門特化クラスだそうだ。

 一つの属性しか覚えられない代わりにその属性の頂点を極める事が出来るのだとか。


 【魔術師】は器用貧乏。

 他の属性を扱えるため様々な状況で戦えるが、それゆえに特化してこれが得意というモノがなくなるらしい。


 【魔道士】はこれ以上の魔法を覚える事はできなくなるが、代わりに自分で式を作り新魔法を編み出す事が出来るかもしれないクラスなのだとか。

 当然、新魔法が考え付かなければクラスチェンジ損である。


 結局、さんざん迷ったイチゴは魔術師を選択していた。

 ちなみに、トルーアもクラスチェンジしたらしい。


 NAME:トルーア・トルクスタ・トゥルフーカス【♀】

 RACE:ダークエルフ 【174】

 CLASS:弓兵 【Lv1】

 DEGREE:無謀な挑戦者 【Lv5】

 HP 5800/7700

 MP 2250/3650

 TP 3300/5400

 AT  883

 DF  620

 MA  362

 MD  303

 SPD 352

 LC  580

 特技:

     簡易手当:100

     スタンアロー:20

     スナイプアロー:40

     クリティカルアロー:50

     エアロアロー:100

     ドリルアロー:150

     三連の矢:200

     アローレイン:300

     ストライクアロー:250

     五連の矢:350

 魔法:

     スピードブースト:30

     スピードアシストオール:100

     ヒール:10

     ヒールオール:70

     ヒールラ:80

     ヒールラオール:160

     リフレッシュ:200

     リザレクト:500

     ラ・ギライア:200

     バム・ドラ:100

 PASSIVE:

     指揮【Lv6】

     樹木耐性

     寄生耐性

     木精霊の加護

     索敵

     危険回避

     薬学知識

     罠解除

     隠密

 情報:

     カトナの森に住むダークエルフ。

     100歳にて成人の儀を終え森の警備に付く。

     アルテイン、イチゴショートケーキ、カスティラとパーティーを組む。

     始まりの魔王城にて元魔王に戦いを挑み敗北した。


 彼女のステータスはクラス変更の際大幅なステータス上昇があったらしい。

 にしても、クラス変えるだけでステータスが上昇するか。

 本当に、変な世界だなここ。

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