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クラスメイトのステータス確認・前編

「着いたぞ」


 増渕が長方形の台が置かれた部屋に俺たちを招き入れる。

 謁見の間にあった玉座の裏手にドアがあり、その先の通路を少し歩いた場所だった。

 説明を聞いた所では、魔王時代に配下が集まって人間との戦争をあーでもない、こーでもないと言い争う場所らしい。


 ここが作戦会議室か。

 ネリウの城とはテーブルの形が違うな。こちらは四角だし、物凄い長い。

 クラリシアの城では円卓だったが、こちらの方が厳格な雰囲気がある。

 椅子は……30脚以上存在する。

 かなりの将軍がいたようだ。


「ふふ。懐かしいな。ここでよくじいやたちと乱闘したものだ」


 思い出が物騒だった。


「とりあえず、ここは広すぎるが椅子は自由に動かせるしな。全員、適当な椅子を持ったら集まろうか」


 俺たちは各々椅子を持ってきて、円を描くように座る。机の方は放置で空いてるスペースに集まった。

 俺から順に行くと、右から聖、伊吹、増渕、伊藤、ネリウ、そして俺。

 六人なので円を描いた座り方にはなれていないが、ステータスを見せ合うにはこの陣形が一番だろう。


「ステータス確認を仲間内で行うならば、相手のスキルが分かるからメリットではある。しかし、己の秘密を見せすぎることで相手に利用されたりする可能性もあるしな。余りひけらかすべきでないと思ったのならこの数値だけは見せられないと念じながらステータス・展開表示と言えばいい。表示数値が非公開になるからな。スキルの方は一つでも表示されていれば他の非公開スキルは表示されない状態になる。全部隠すと非公開だが、どうでもいいスキルだけ表示させるという手もあるぞ」


「なるほど。で? 誰から行く?」


「では私がやってみよう。一つ非公開を入れてみる。上手くいくのか試したいしな」


 と、聖が先陣切ってステータスを開示する事になった。


 NAME:聖龍華 【♀】

 RACE:人間 【非公開】

 CLASS:不死人 【Lv999】

 DEGREE:放浪の不死者 【Lv1620】

 HP 74000/74000

 MP 800/800

 TP 63700/63700

 AT  8188

 DF  3843

 MA  2284

 MD  2175

 SPD 3500

 LC  319

 特技: 

     シザーブーメラン:50

     真空波斬:150

     真空円斬:200

     応龍演舞:80

     青龍乱舞:800

     黄龍乱舞:1200

     逆鱗連舞:30000【大激怒状態のみ選択可】

 魔法:なし

 PASSIVE:

     青龍の加護

     メ■■の加護

     ■■トの加護

     筋力系成長・大

     HP回復・超特大

     急速蘇生

     気配過敏

     放浪癖

     果たされぬ約束

     ○戦□兵法▼得者

 情報:異世界から召喚されし者


 のっけから物凄いステータスが飛び出した。

 攻撃力が元魔王と大差ないとか、元魔王も驚きである。

 そりゃあラストダンジョンでも一撃殺しだよ。


 しかし、良く見てみるといろいろとツッコミどころが満載だな。

 歳は自分の意思で非公開にしたようだ。なのにその下の不死人を隠してないとか、どうなんだ?

 俺らより数年以上生きてることはわかってしまうので年齢を隠す意味がない。

 むしろ全部隠すべきだと思う。


 しかし、不死者か。確かにパッシブスキル欄にもHP回復とか、蘇生とか羨ましいものがあるな。

 魔法は覚えてないらしい。非公開ではなく、なしになってるからそうなのだろう。

 MP800もあるのに使えないとか、悲しいな。


 まぁ、それを補って余りある技術スキルがてんこ盛りである。なんだよ乱舞とか演舞とか。

 一応、彼女を怒らせてはいけないというのは理解できた。TP30000消費の連舞とか、絶対にくらいたくはない。

 たぶん、最初の一撃目で殺された後は肉体がなくなるレベルで斬撃を受けるのだろう。考えただけでもガクブルである。


 青龍の加護も気になるが、その下の二つはどうみてもバグってる。なんとか兵法もだ。俺のステータスほど酷くはないが、彼女のステータスにもバグはあるらしい。


「なんというか……私も前世の能力を引き継いでいるので強く言えないが、チート過ぎないか?」


「そう言われてもな……私の力はほぼトト様からの贈り物だ。チートがどうのと言われてもどうしようもないな。それより、幾つか見難いものがあるようだが、これはなんだ?」


「私も見たのは初めてだが……どうやらこの世界の神……のような存在が理解できなかった能力だろう。同等以上の存在によって与えられた能力や、この世界の理から逸脱しすぎている能力などだとおもうのだが……どうだろうか?」


 増渕自身もあまり確証はないようで、戸惑いながらも説明する。

 そもそも異世界からやってくることが異常なのだから仕方ないともいえる。

 とりあえず、バグることもあるわけだ。一部能力なら。


「ふむ。昔過ぎて確かではないが……トト様から教わった兵法は、あの当時には存在し得なかったと聞いたことがある。そのせいやもしれんな」


 謎の加護はともかく、兵法については本人が納得したようだ。

 聖は一度頷くと、伊吹に視線を送る。


「誰か質問などないようなら伊吹に移るが、いいか?」


 誰も質問はなかった。というかいろいろあるが聞いていいのか迷う質問が多いので聞くのを諦めたが正解だろう。

 聖のヤツ、幸運値低いし、今まで苦労したんだろうなきっと。


 俺たちは何も聞かないという大人な対応で、次の伊吹へと視線を送った。

 それを見た聖が表示されていたステータスを閉じる。

 入れ違うように、伊吹がステータスを表示した。

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