神話級対戦・巨人対巨人3(+竜)
敵軍上空へとやってきたカラフルな竜たちが、空中でホバリングしながら巨人族へと睨みをきかす。
『一斉射!』
念話を使い味方に呼びかける竜の一匹。おそらく白い竜が彼らのリーダー格になっているようだ。
大方最古参の竜なのだろう。
彼の呼びかけに応え、竜たちは一斉に息を吸い込む。
『味方の巨人、攻撃に備えろ。確実に巻き込む』
確実と言われれば俺も防御せざるを得ないだろうが、ブレス攻撃が地面に降り注ぐとわかっているなら別にその場に留まる必要はない。
「リュアッ!」
俺は即座に飛び上がり、そのまま空へと飛び立った。
アトミックマンは飛行能力持ちだ。
まぁ、当然だな。
宇宙を一人で航行して地球に来るのだ、このくらいは出来て当たり前だろう。
宇宙怪獣も普通に空飛ぶし、飛べないというだけでもアドバンテージを取られてしまうのだから、いかにメジャーな能力かが分かるだろう。ふふ、リアル武○術。
竜たちと同じ高度まで飛び上がると、少し遅れて竜たちによるブレス一斉射。
アイスブレスやウインドブレスなど、幾つもの属性ブレスが大地を舐めつくす。
その場に居た歩兵部隊や巨人族をどんどん焼き払って行く。
『メギドフレアでもやってやろうか? あの辺りに打ち込めば魔王を倒せんか?』
意地の悪い声質でクックと笑う白い竜。
生き残った巨人族を見つけて彼は即座に迎撃に向って行った。
先制攻撃の後は各個撃破らしい。
他の竜たちも各々別の巨人へと急降下。
折角なので俺も彼らに従い一体の巨人の前へと降り立った。
竜対巨人というもはや人の手では太刀打ちできない戦闘がそこかしこで繰り広げられ始めた。
俺もその一人なのだが、ついつい他の奴らの戦いを見入ってしまう。
おっと。さすがに俺まで見入っている訳にはいかないな。
巨大過ぎる棍棒を携えたサイクロプスの攻撃をぎりぎりで避け、拳を叩き込む。
しかし、やはり大したダメージは受けていないようだ。
俺も拳よりも蹴りに特化しているから問題は無いのだが、ほぼノーダメージなのは問題だと思う。
あとで拳での修練も積んどく必要がありそうだ。
「リュアッ!」
再び振われた棍棒に足を合わせてハイキック。
俺の脚と棍棒が交差する。
普通に切られれば痛手でしかないが、敵の持ちモノは棍棒。刃は付いていなかった。
なので俺の足を棍棒で斬る事など出来なかったりする。
ダメージを多少喰らうが、直撃されるよりは楽だ。
一瞬拮抗するが、長く続くと片足でバランスが取り辛くなるため、即座に足を戻して距離を取る。
拮抗した状態の時に力を入れてきたサイクロプスは、支えが無くなりバランスを崩して前のめりになっていた。
これだから力バカは。と思いながらもチャンスを見逃す程バカではないので、取った距離を再度詰める。
イルミネート光線を蹴り足に纏わり付かせ、俺にとっての得意技で勝負を決める。
といってもこれに技名などは無い。ないのだが……
『説明しよう! イルミネートキックとは、己の足にイルミネート粒子の力を纏い、相手に近接戦闘を仕掛ける技である!』
桃栗によってダサいネーミングが付けられた。
あいつ、少し前まで増渕さんが倒れたとか味方全員に天の声落としてたのに、随分元気になったな。
ということは、薬藻のヤツはやるべきことをきちんと終わらせたってことか。
なら、こちらもとっとと壊滅させて、後顧の憂いを取らないとな。
「リュアァッ!」
飛び込み際に回し蹴り。イルミネート光線により底上げされた攻撃力でサイクロプスの頭を陥没させる。
ぺぎょっ。と変な悲鳴を上げてサイクロプスの顔が歪む。
俺が足を引き抜くと、サイクロプスは静かに背後へ倒れて行った。
よし、次を……を?
周囲を見渡した俺は、その光景に思わず唖然とせざるを得なかった。
13の竜たちが自由に飛び回り、己の特技を惜しげもなく披露する。
元より最強種の名をほしいままにしている竜族が群れているのだ。巨人といえども物の数ではなかった様子。
白竜であるグウィバーはメギドフレアという巨大な火球を頭上に出現させ、魔王軍向けて解き放つ。
そして未だ影しか見えていない巨人族たちを遠距離から消滅させている。
残念ながら魔王には当っていないようだ。魔王の周辺までは向うが、そこで消失してしまっていた。
結構万能そうな防壁が張られているらしい。
ウイングドラゴンはワイバーン三体と協力しつつ一体づつ確実に倒しているし、
ファイアドラゴンやアクアドラゴン、ズメイ、ジラントは一匹一体の割り振りで巨人を相手にしている。
そして、余った巨人なのだが……いない。
そう、いなかった。既に目に見える範囲に巨人が居ない。
遠方にはまだ数体見えるが、それもグウィバーの攻撃によりまたたく間に姿を消していた。
おかしいな。まだ七千体くらい残ってたはずなんだけど……
もしかして、竜たちだけで十分だった?
俺、不用でしたか?
満を持して登場したはずなのに、いいとこ全て持って行かれた気分だ……
人物紹介(仮)
伊藤信之
アトミックマン・ヘルト
桃栗マロン(ももくりまろん)
高次元生命体・異世界制作者・この世界の女神
グウィバー・グラン・グラフェリオン
白竜
部隊構成(仮)
魔王軍
第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅
第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅
第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約8千
第六部隊 巨人部隊 約百体
第八部隊 奇襲部隊 約2万5千
第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約百体
第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約3千数百体
第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名
フルテガント王国軍
第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約7千名
第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名
魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名
負傷者 約2千名
死者 約7百名
完全死 529名
医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名
南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約6百名
遊撃部隊25名
竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名
魔王軍戦経過報告(仮)
・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。
・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。
・魔法部隊による追い打ち。
・機動部隊壊滅。
・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。
・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。
・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。
・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。
・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。
・大井手が持ち場に戻り魔法再開。
・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。
・巨人部隊最前線に出現。
・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。
・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。
・巨人族対巨大宇宙人&竜族
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・南方防衛戦




