プロローグ
初めましての方は初めまして、二度目の方はこんにちは。
龍華ぷろじぇくと です。
この度は御愛読いただきありがとうございます。
一応、一日一話ペースを目標に展開していく予定です。
前作品となる秘密結社の勇者様の世界観を共有していますが別作品となりますので前作を見ていなくても問題なくご覧いただけます。
拙い作品ではございますが、暖かい目で見ていただけると幸いです。
高神新陽高校。そこに俺の教室がある。
まぁ、なんてことのない学校だ。
授業だってそこいらの学校と変わらない。
生徒だって変わらない。何も変わらない。
授業を受け、進学して、大学に入る。普通の人生だ。
仲間を作って、彼女を作って、バカ騒ぎして……
たとえ俺が皆にとっての【敵】だとしても、日常は変わらない。そう、変わるはずが……
前に黒板、後ろにロッカーと小型の黒板。
こちらには今週の掃除場所や授業日程が書かれている。
左に、無数の窓。右はドアが前後に一つづつある場所に、三十二の机と椅子が設置されていた。
当然ながら男女混合で座席に座り、黒板を前に講義を広げる先生の声を聞く。
数学の授業中だった。
少し声の大きな先生が、区切り区切り数式を読み上げながら書き足していく。
その声を掻きわけるように廊下を駆け抜ける無数の足音。
教室の扉が乱暴に開く。
先生の声が止まった。
何事かとクラス中の視線がドアに殺到する。
前方の扉から現れる黒タイツの男。
顔にはフルフェイスのヘルメット。
髑髏のような、悲痛に叫ぶ姿のような、表情の貌を象ったヘルメットだ。
それが一、二、合計六人。さらに後方からも同じ格好の男たちがやってくる。
全員無手ではあるが、異様な雰囲気が漂っていた。
「な、なんだ君たちは」
なんて、先生の声にも耳を貸さず、彼らは窓に、あるいはドアに陣取り逃げ道をふさいでいく。
そして……
扉から、化け物が現れた。
蛇の身体に人間の四肢が付いたような奇怪な生物。いや、怪人。
そいつは驚く教師の頭を掴みあげると、軽々と持ち上げる。
「た、たすけ……」
教師の命乞い。それを無視して蛇男は腕を振り下ろす。
教壇に教師の頭が突っ込み、破砕音とともに双方が砕けた。
悲鳴が上がる。
殆どが女生徒。男子生徒は皆が唖然と口を開けるだけだった。
俺だってそうだ。ただ……理由は別だ。
俺が驚いた理由。
それは教室を囲むように配置されたタイツの男たち。
アンデッドスネイク社の戦闘員がなぜここに?
「静まれ貴様ら。我々の目的は一つだ」
蛇男が気色の悪い声で叫ぶと、生徒たちは一斉に押し黙る。
下手に騒いで教師のようになりたくないといったところだろう。
「ここに、インセクトワールドの生き残りがいるはずだ。我々と共に来てもらう。すでに隠れるのは無意味だ。一分ごとにクラスメイトを殺していく。さっさと名乗り出ろ」
平和な日々が……終わりを告げた。