表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫電の剣士  作者: 鷹峰悠月&若臣シュウ
24/34

三、疑惑(20)

 冷たい空気が通り抜けていく。この地下室は、思っていたより広いようだ。

「なぁ。……ちょっと待ってくれ」

 先を行く二人を、フォルクルスが呼び止める。

 どうした――と問いかけるセリオに、彼は暗闇を睨み据え、こう告げた。

「あっち。何だか……厭な感じがするんだ。

 禍々しい『気』――俺がつけられてた魔導の鎖に似た……」

 虚空を指差し、フォルクルスは声を潜める。

「なんだって?それは――、」

 思わずセリオと顔を見合わせ、息を呑むクリス。白き神の血を引く彼の言葉は、与太話と片付ける訳にもいかず。どちらともなく頷き、青年へ視線を戻した。

「……行ってみよう。フォルクルス、案内してくれ」

「判った。……こっちだ」

 どこまでが道なのかも判らない暗がりを、フォルクルスは小走りで進んでいく。後を追うように、二人はその背中を追った。

 暗がりで距離感も時間も掴めず、どれだけ進んだかは判らない。ほんの僅かな距離にも、果てしない回廊にも思えて。

 やがて、青年の足が停止した。その手は壁らしきものにぴったり吸い込まれる。

「……扉……か?」

「ああ、鍵がかかってるみたいだ」

 フォルクルスの返事にセリオは彼を押し退け、ちいさなピンを手に取る。彼女はおもむろにそれを鍵穴へ差し込むと、難なく開錠してみせた。

「へぇ、すっげぇ!器用だなー」

 瞳を大きく見開いて、子供のように驚きを表現するフォルクルス。

「それじゃあ、行こうか」

 一歩踏み出し、クリスはぎぃ、と扉を開ける。

 そこには――目を疑うような光景が待ち受けていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓ランキング参加中 気に入ったらぽちっとお願いします
アルファポリス(週1回)
NEWVEL
長編小説検索Wandering Network

ブログもだらだら更新中!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ