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お掃除スタッフの内緒話  作者: すみっこのラスカル
第3話 商品管理部の音
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 今日は毎週末に行われる倉庫清掃の日だ。この日は清掃会社から、掃除ロボットが投入されるので、香里はロボットの後に付いて、掃除漏れを確認するだけなので、いつもより時間的にも、体力的にも余裕ができる。この会社の倉庫は300坪以上あるので3台のロボットが一斉に動いている。終業後の倉庫は静かで、5メートル以上ある天井のLEDライトだけが明るく照らしている。その中でお掃除ロボットがモーター音を響かせながら動いていた。

 あたしは電動ハンドクリーナーを肩から掛けて、奥から順に進んでいった。棚には同じ形のカートンケースがきれいに積まれている。商品名と品番、出荷日。文字はどれも揃っていて、遠目には何も問題がないように見える。違和感に気づいたのは、3列目の棚だった。何故かそこだけぽつんと空いている。正確に云えば、カートン一ケース1梱分だけ、ぽっかりと抜けている。数を間違えたのかと思って、あたしは隣の棚も見た。そこも同じようにひとつ足りない。

 カートンケースの底には、薄く埃の跡が残っていた。箱があった場所だけが、きれいに四角く抜けている。昨日まで、確かにそこに何かがあったという印だ。ふと見ると、そこに梱包材の切れ端が落ちている。あたしはそれを拾って、その列の清掃を終えた。天窓から入ってくる月明りだろうか、夜のとばりを少し押し開いたように思えた。

 しばらくして、主任の佐久間と係長の石井が、倉庫に入ってきた。ふたりとも中堅どころで、現場のことをよく知っている。あたしに気づいて、軽く頭を下げてきたので、あたしも会釈しながら微笑んだ。

 佐久間は棚を一つ見上げて、眉をひそめた。

ここ、こんなに空いてましたっけ?」

佐久間は棚のひとつを見上げて、不安そうに眉をひそめた。

「前倒し出荷になったんだろ。たぶん…」

石井はカートンケースのラベルを指でなぞりながら曖昧に笑った。

声は低く、周りに人がいないことを確かめるような調子だった。あたしはハンドクリーナーを作動し、モーター音をわざと立てて、その会話をじっと聞いていた。聞いていないふりをするのはもう癖になっている。

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