魔法使いが挑むホットケーキ早食い競争
あらゆる者達の頂点であり、最強の称号は私にこそ相応しい。
そんな時、冒険者組合でホットケーキ早食い競争!最強は誰だ!という依頼書を目にする。
その依頼書を受付嬢に渡すと「大丈夫ですか?」と問われ「どういう意味だ?」と言い返す。
話によると出場者が余りにも強過ぎて対戦相手が居ないのだという。
「其奴に勝てば私が最強だな?」
「間違いなく最強です」
決戦当日、ホットケーキ早食い競争を見に大勢の者達が集まったのは、相手の強さの証明だろう。
対戦席に幼女が座っていて、ここは対戦する者の席だと声を掛けると、その対戦相手だという応えに警戒を強める。
恐らくスキル持ちだろうが問題は何のスキルかだが…
大食い、早食い、等のスキルなら普通の者達に勝ち目は無いが、それで私に勝てると思っているのか?
私も席に着くと焼きたてのホットケーキが天高く積み上げられて準備が整った。
開始の合図と共に身体強化魔法で痩せ細った身体をがっちりむっちりして、圧縮魔法でホットケーキをちまっとさせる。
一口で積み上げられたホットケーキを平らげようとした瞬間、幼女が「おかわり」と可愛らしい声を上げる。
「有り得ん!」私が口を開いた時には食べ終わっていたというのか!
高速魔法で咀嚼を速めると互角の勝負に持ち込むことに成功するが、一途に食べ続けていると異変が起こる。
お腹が膨れ上がりホットケーキに掛かっている蜜が鼻から流れ出す。
息が出来ない?幾ら小さくした所で食べられる量には限界がある。
消化しなければ…
魔法で強制的に活性力を高めホットケーキの消化に成功し、更に食べ進めると新たな問題が起こる。
そう、あれだ…あれが圧迫してきたのだ。
上からホットケーキが「こんにちは!」下からあれも「こんにちは!」と歌を歌う二面楚歌。
万事休すかと思われたが人生の危機に直面した事で新たな魔法が覚醒する。
「エクスティンクション!」
その魔法は「こんにちは!」と顔を出して来たあれを消滅させた。
それから魔力が続く限りあれを消滅し続け、ふと思う。
私がこんな目に遭っているのだから幼女は既に諦めている筈だが「おかわり」という声が聞こえてくる。
そして、遂に魔力が底を突き降伏を宣言して幼女に称賛の拍手を贈り、どうしてそんなにホットケーキを食べられるのか?と質問をぶつけてみる。
「お菓子は別腹」と言われ、ホットケーキをパンだと思った私に勝ち目は無かった。
ホットケーキはお菓子で別腹だったのだ!




